困難を克服する心理学 (2025年6月新刊)
――タッピングで育てるレジリエンス
西田隆男 著
(西田みどり編集)
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◎本書について
困難から立ち直る力「レジリエンス」と、身体を軽くたたくセルフケア「タッピング」の解説書
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♠ ♥ ♣ ♦ |
本書は、心理学者・西田隆男氏の現代心理学講座をもとに編集されたもので、シリーズでは「身体心理学」「仏教心理学」など多様なテーマを扱ってきました。今回は、困難から立ち直る力「レジリエンス」と、身体を軽くたたくセルフケア「タッピング」が取り上げられています。「レジリエンス」という言葉は、トラウマやPTSDに対処する方法としてベトナム戦争以後に頻繁に使われるようになりました。が、どうすればレジリエンスを鍛えられるかについては定説がなく、本書では、タッピングによるその有効性と即効性が強調されており、トラウマやPTSDへの対処法として注目されています。理論的な根拠は明確でないものの、「今この瞬間」を大切にする姿勢を大きなテーマとして具体的に解説をしています。 |
◇著者プロフィール
西田隆男(にしだたかお)
1954年東京都出身。心理学者。公認心理師。NPO法人埼玉ダルク理事長、一般社団法人無料塾ココロ理事。現在、地域での中学高校生への学習支援を中心に子ども応援と若者の居場所づくり、および相談業務(カウンセリング、コーチング)の活動をしている。
専門:教育臨床、心理療法
主な著書・訳書・論文:『ストレスを力に―セルフコーチング』(知玄舎刊)『身体心理学』(同)『思春期の教育相談30[ズバリ答えます]』(同)『コロナ禍という戦災――戦争とプロパガンダ:作られた[物語]を超えて』(同)、『仏教心理学』(同)、『現代の教育危機と総合人間学』(共著、総合人間学学会)『共依存―自己喪失の病』(共著、中央法規出版)、『JUST FOR TODAY―薬物依存症とはなにか』(編著、東京ダルク支援センター刊)、『当事者研究―新しい自己発見の方法』(編著、知玄舎刊)、『霊性の哲学』(訳書、知玄舎刊)など。主な論文「思春期の生きづらさへの教育哲学的アプローチ」、「心理臨床から見えてくる思春期のメンタルヘルス」など多数。
◇編集人プロフィール
西田みどり
編集者・著述業。文学博士。「まことと救世主――久米邦武の比較文化論」で中外日報社・涙骨賞受賞。芝浦工業大学、学習院大学、大正大学等の講師を経て現職。著書に『〈型〉で書く文章論』『論理的文章作法』『[異界見聞録6]平田篤胤著「勝五郎再生記聞」現代語超編訳版』『[当事者研究]新しい自己発見の方法――熊谷晋一郎東大准教授による高校での当事者研究』(編集著)(以上、知玄舎)、『サイババ超体験』『抱きしめる聖者アマチの奇蹟』(以上、徳間書店)など多数。
●目次
まえがき
第1章 「レジリエンス」とは、生き抜く力の根っことなるもの
◎「レジリエンス」とは「回復力・再起動力」
◎「トラウマ」という言葉を生んだベトナム戦争
◎激しい衝撃体験が必ずしもトラウマになるとは限らない
◎「レジリエンスの軌跡」の研究が始まった
◎第二次世界大戦でのトラウマ発症は「戦争神経症」として蔑まれた
◎ベトナム戦争と第二次世界大戦の違いは報道統制
◎レジリエント(レジリエンスを発揮できる人)の15の特徴
◎行動に欠かせないのはフレキシビリティ・マインドセット
◎フレキシビリティな人の脳は「海馬」が大きかった
第2章 「エネルギー心理学」から出てきたタッピング療法
◎ひどい目にあっても「負けないぞ!!」と起ちあがるための技法
◎タッピングがレジエンスを育てていく
◎ベトナム帰還兵がトリガーの暴発にタッピングで対処
◎タッピングの二つの心理技法「TFT」と「EFT」
◎きっかけとなった「メアリーのケース」
◎EFTは「セラピー(療法)」ではなく「テクニック(技術)」として開発された
◎心理学は日々の生活が緊張感にさらされる地域で発展する
◎存在しない手足が痛い「幻肢痛」にも効く
◎日本のタッピング療法は精神科医たちの治療現場で生まれた
◎その答えは線虫にあった―宇宙ステーションで行われた線虫の実験
第3章 実践編:タッピング・エクササイズ
◎実践Ⅰ:TSプロトコール・タッピング
◎実践Ⅱ:EFTタッピング
◎実践Ⅲ:EMDR合体型即効タッピング
◎実践Ⅳ:リソース・タッピング
第4章 マインドフルネス(今ここに意識を集中すること)でレジリエンスを強化する
◎マインドフルネスとは「今ここに」意識(心)を集中すること
◎心拍数を減らすと心が落ち着く
◎ラットがマインドフルネス(?)で心拍数を低減させた
◎マインドフルネスは「ストレス低減法」として西洋社会に入った
◎実践:マインドフルネス・エクササイズ
◎「記憶」を食べる細胞がある―トラウマ記憶を食べて消すグリア細胞
第5章 地域共同体というレジリエンス
◎家庭にも学校にも居場所のない子どもたちが増えている
◎「トー横キッズ」「グリ下キッズ」という居場所
◎9歳以下の子どもが行方不明になっている
◎銭湯がサードプレイスになった能登・珠洲市
◎「アウトリーチ」で困っている人を探した福島
あとがき
◇本書について
本書は、月に一度行われている、心理学者・西田隆男氏の現代心理学講座をベースとして編集したものです。これまでに「身体心理学」「仏教心理学」「認知心理学」「プロパガンダの心理学」など、現代社会を心理学という切り口から論じたシリーズが出版されています。いずれも日々を過ごしやすくすることをテーマに、理論と実践の組み合わせで構成されています。
今回のテーマは、レジリエンス(困難から立ち直る力)と、タッピング(身体の要所要所を軽くたたくセルフケア)です。とくに強調されているのは、レジリエンスに対するタッピングの即効性です。
「レジリエンス」という言葉は、トラウマやPTSDに対処する方法としてベトナム戦争以後に頻繁に使われるようになりましたが、どうすればレジリエンスを鍛えられるかについてはこれだという方法がありませんでした。
タッピングはそれに応えるように、臨床現場から生まれてきたものです。どうして身体を軽くたたいてあげるという簡単な方法で、トラウマやPTSDが軽くなるのか。理由はよくわかっていません。
ただ、はっきりしているのは、過去のつらい出来事は私たちの記憶のなかにあり、一方、私たちの手の中にあるのは「今この瞬間」のみだということです。それを大切にしようという西田氏のメッセージが伝わってきます。(編集人・西田みどり)