リーダーの誓い (2024年6月新刊)

   ――著者の熱い想いの詰まった5要諦(5つの教え)

   藤井 義彦・小山 克明 共著

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  ■書店販売書籍:2024年1月26日、公益財団法人日本生産性本部生産性労働情報センター発行、ISBN978-4-88372-611-0 定価2,200円(税込)
   
  ■電子書籍: \2000 (消費税別)
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  ■POD書籍:なし

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 ◎本書について
  自分をリーダーに高めていくための指針を5つの要諦を通して詳細に解説した書。








本書は自分をリーダーに高めていく本である。リーダーとは社会的に地位の高い人や、いわゆる成功している人のことではない。誰でもがリーダーにならないといけない。その意味で、リーダーとしての必要な知識、自分の言葉でビジョンを語り、自他にポジティブな影響力を発揮する行為、役職として外に対するとともに、自分自身を鼓舞し、自分を高める5つの要諦がある。1)ビジョン、2)戦略・価値創造力、3)人を主体的に行動させる真のコミュニケーション力の3つ、それらを徹底する4)実行力、そして5)倫理観・品性・品格の人間力……以上の5要諦について、詳しく解説。会社経営のスペシャリストであり、かつ、瞑想法の指導者としての著者の経験と知識と智恵を籠めて書き下ろした、渾身の一冊。経営者として、ビデネスマンとして、人間として成功を求めるあるゆる人のための書。
底本:同名書、公益財団法人日本生産性本部生産性労働情報センター、2024年1月26日初版1刷、ISBN978-4-88372-611-0

★正誤表(電子書籍)
第五章「4 会社の盛衰はリーダーで決まる」の表内文に間違いがありました。次のように訂正いたします。(2024年6月6日)
   *
 「だらしないしない」を「だらしない」と訂正
 「ネガティブ発送」を「ネガティブ発想」と訂

◇著書プロフィール
 藤井 義彦(ふじい よしひこ)
 ガンガー総合研究所 代表取締役。一般社団法人グローバル・リーダーシップ・コーチング協会 ファウンダー・名誉会長。神戸市生まれ。慶應義塾大学経済学部に入学後、スタンフォード大学経済学部へ交換留学生として渡米し同大学を卒業。帰国後に慶應義塾大学経済学部を卒業。株式会社カネボウに入社し、営業に25年間従事、企画部長、外資系日本法人社長を経て、ガンガー総合研究所(GRI)を設立。ハーバード・ビジネススクールAMP(高等経営者講座)修了。慶應義塾大学ビジネススクール特別研究教授、筑波大学大学院システム情報工学研究科非常勤講師、英国国立ウェールズ大学MBA(日本語)プログラム・アカデミック・ディレクター、西北工業大学(中国・西安)客員教授などを歴任。2011年には一般社団法人グローバル・リーダーシップ・コーチング協会を設立し、エグゼクティブコーチングやグローバルリーダー育成に力を注ぐ。主な著書に、『挑戦!ハーバードAMP留学』『ハーバード流「第二の人生」の見つけ方』『できるビジネスマンは瞑想する』(以上、東洋経済新報社)、『経営者格差』(PHP新書)、監修に『人生のプロフェッショナル思考(ジム・バクノーラ著)』(経済界)など多数。日本ペンクラブ会員。
 
◇著書プロフィール
 小山 克明(おやま かつあき)
 一般社団法人グローバル・リーダーシップ・コーチング協会 代表理事。ガンガー総合研究所エグゼクティブ・ファシリテーター・研修部門長。日本大学商学部非常勤講師(ビジネス英語)。ペンシルベニア州立テンプル大学大学院修了(教育学修士)。早稲田大学卒業(生体機能学専攻)。外資系R&D株式会社日本法人創設ボードメンバー、取締役国際部長、常務取締役教育部長、代表取締役、国際本部理事を歴任。教育事業部を立ち上げ、代表として人材開発・営業に従事。経営トップ層を始めとする管理職対象ストレスマネジメント研修・意識開発研修・人間学研修を長年担当。京セラ・KDDI創業者稲盛和夫会長塾頭の若手経営者団体「盛和塾東京」元創設世話人メンバー。外資退社後、GLCの理念に共鳴。GLCやGRI主催エグゼクティブ対象リーダーシップ養成研修、営業部門長向けリーダーシップ養成研修、グローバル人材育成研修、次世代リーダー育成研修、総合英語研修に従事。


●目次

 はじめに
 第一章 なぜ今リーダーが必要なのか
1 リーダーこそ学ぶ必要がある
2 今後の社会構造、生き方・働き方はどう変わってくるのか
3 今後の世界はどう変わってくるか
4 日本はすでに世界の一流国ではない
【この章のまとめ】
 第二章 リーダーシップの5要諦(5つの教え)
1 リーダーシップを論ずる前に
2 リーダーシップとは何か
 要諦1:ビジョン(夢・高い志)・・・感動を与えるビジョンを発信する
⑴――創業者の想いと経営理念
⑵――なぜ、理念・ビジョンが必要なのか
⑶――MBV(ミッション・ビジョン・バリュー)から、パーパス・ドリーム・ビリーフへ
⑷――「ビジョン・夢」を与え人々を鼓舞したリーダー、リンカーン大統領・キング牧師
⑸――女性の教育のために戦っている少女、マララ・ユスフザイ
 要諦2:戦略・価値創造力・・・夢を達成するための道筋を立てるために
⑴――戦略とは何か
⑵――経営戦略策定の際の注意すべきポイント
⑶――考え抜く力が戦略・価値創造力を強化する
⑷――デジタル・テクノロジー時代のマーケティング戦略
⑸――価値創造力の天才、イーロン・マスク
⑹――直感的思考力を駆使した戦略家、信長
⑺――考えて、考えて、考え抜く
 要諦3:人を巻き込む力・・・真の意味でのコミュニケーション力
⑴――コミュニケーションとは
⑵――コミュニケーション力の3つの構成要素
⑶――「自分を知る」大切さ
⑷――ビジネス心理学を学ぶ
――コラム♣アサーティブ・コミュニケーション
⑸――「人を巻き込む力」に最も優れた経営リーダー、松下幸之助
⑹――「小さな巨人」と世界から讃えられた、緒方貞子
 要諦4:実行力・・・策定した戦略を実現させる実行力
⑴――知行合一=「実行力」
⑵――稲盛和夫の「思いは必ず実現する」
⑶――実行の人、シンガポール建国の父、リー・クアンユー
⑷――リー・クアンユーの実行力はどこから生まれたのか
 要諦5:人間力・・・人間性(品性・品格)に優るものなし
⑴――人気のある人、人望のある人
⑵――人間性の最高の姿、マザーテレサ
⑶――「新しい南アフリカ」を誕生させたネルソン・マンデラ大統領
3 5要諦をベースにして、グローバル・リーダーを考察する
4 AI時代のリーダーシップの5要諦
【この章のまとめ】
 ♠―― 演習
補論1:AI時代のリーダーシップの5要諦
(1)AIの定義
(2)AIは何ができるのか、どう進化していくのか
(3)AIによって「無くなる仕事、無くならない仕事」「新しく生まれる仕事」
(4)2045年問題・・・シンギュラリティ仮説
(5)未来のAI
 第三章 リーダーになるのはあなたの決意次第
1 あなたもリーダーになれる
2 自分自身の人生に責任を取れ
3 あなたの人生に大きな目的を持て
――コラム♣本当の自分を知るための10の設問
4 何事についても当事者意識でぶち当たれ
5 物事を先送りするな、すぐに実行しろ
6 腹をすえろ。覚悟を決めろ
――コラム♣腹をすえる
7 量子力学 
【この章のまとめ】
 第四章 5要諦をどのように発揮するか
1 どのような組織を目指すのか
(1)組織とは何か
(2)会社が組織として成り立つために
(3)組織モデルの未来像はどうなっていくのだろうか
2 そのために自分の組織と自分をどう磨いていくか
(2)自分のチーム・分身をつくる
(3)「組織は人である」を再認識し、それに基づき行動する
(4)自分の鏡としてのメンター・コーチを持つ
(5)「委ねる」リーダーシップを持つ
(6)会社のビジョンとミッションを個人と合わせる
(7)当たり前のことを確実にやる
【この章のまとめ】
補論2:会社を導いたリーダー
(1)引き際でわかるトップの資質① ……自ら権力を切り離す勇気
(2)引き際でわかるトップの資質② ……社長は6年で辞めなさい?
(3)裸の王様は「欲」にとりつかれる
(4)トップの意思と行動で企業は大きく変わる
 第五章 セルフ・リーダーシップ
1 自分自身にリーダーシップを発揮する
2 自分自身にリーダーシップを発揮するセルフマネジメント
3 心身のエネルギー・マネジメント
(1)睡眠
(2)瞑 想
(3)運動
(4)食事
(5)笑い …たくさん笑おう、笑うと健康になる
4 会社の盛衰はリーダーで決まる
(1)運を引き寄せるリーダーとは
(2)運を引き寄せられるリーダーになるために
(3)絶対的な肯定感を持つための3つのヒント
【この章のまとめ】
 ♠ ――演習 Ⅱ
 おわりに 私のモットー「明るく、楽しく、爽やかに」
1 私はいつからどのようにリーダーの道を志したのか
2 明るく、楽しく、爽やかに
3 未来を担う全ての皆さんへ
 あとがき・謝辞
 ――参考文献


◇本書からの部分引用
 
 はじめに
 
 この本は自分をリーダーに高めていく本である。
 
 リーダーとは社会的に地位の高い人や、いわゆる成功している人を指していて、自分とは関係がないと誤解している人が多い。
 それは間違っている。人が二人以上いれば、どちらかがリーダーになり、どちらかがフォロワーになる。その関係が立場により逆転する場合も多い。誰でもがリーダーにならないといけないわけである。
 この本で詳述するが、私が会社生活において、自分の人生においても、リーダーたらんと意識し始めたのは、当時勤めていたカネボウで部長に昇格した42歳であった。そのときにはじめて、真剣に「わたくしはこの人生において何を成し遂げたいのか?」「その一過程として、会社生活においてどうなりたいのか?」を考え始めた。ご多分にもれず「会社人間」だった私は、その頃から「滅私奉公」ではなく、「活私奉公」(自分を活かして企業に貢献する)したいと思うようになってきた。
 そこで今のままでは「自分を活かせない」と判断し、自らの意志でカネボウを55歳で退社、外資系日本法人の社長に転じて8年間在任し、60歳を超えた私は、「次に何をするか?」を考え、今後は「自分のために働こう」と固く決心をした。
 「私は、個人としてなにをやりたいのか?」この問題を考え、そして考え抜いた。得た結論が「わたくしの知識と実体験を次の世代に伝えたい」という想いであった。経営者のメンターやコーチングを行ったり、大学院の教壇に立ったり、企業研修を行ったりしているが、今も「自分の人生のリーダーたらん」と日々努力している。
 会社には経営理念、ミッション、ビジョン、バリューが存在する。この経営理念で、価値観の異なる多くの従業員のベクトルを一つにまとめ上げているわけだ。グローバル化、多くの人種が同じ会社で働くようになってくると、特に会社の経営理念が重要になってくる。
 あなたの人生は、会社生活とあなたの生活(家族との生活、あなた個人の世界)に大別されるが、「あなたが個人の生活でどう生きるか」強い理念をお持ちだろうか?
 日本人で、個人のミッション・ビジョン・バリューを意識している人は数少ない。会社生活が終わると、かなりの人が腑抜けのようになる。過去に生き、未来に目を向けようとしない。その人たちは、会社で地位が上がることだけがリーダーと思い込んでいた人々で、自分の人生においてリーダーであろうと意識しなかった人たちだ。
 昨今企業の不祥事が乱発している。学識があり、社会的な成功をおさめたはずの企業のトップがなぜあのような不祥事を起こすのであろうか。ビジネスキルだけではなく、会社を統率するには人間力、倫理観、清潔さといった要素が不可欠になってくる。彼らはリーダーシップ教育を受けて自分を高める努力をしていないのである。
 私は、リーダーシップとは「自分の言葉でビジョンを語り、自他にポジティブな影響力を発揮する行為。その目的は最終的に、成果に向けてフォロワーが自ら主体的に行動することにある」と定義する。
 自他のリーダーシップには
 ①外に対するEXTERIOR リーダーシップ(上司、部下、同僚、顧客、社会等の自分の外側に対するリーダーシップ)と
 ②自分自身に対するINTERIORリーダーシップ(自分の人生のビジョンを持ち、戦略を立て、自分を鼓舞して自分を高めるリーダーシップ)
 の2つがある。
 そして、自他のリーダーシップを実行する規範として「リーダーシップの5要諦(教え)」を策定する。この5要諦に照らしあわせて自分を高め、会社および自分の人生においてリーダーたるべく努力するのである。5要諦(5つの教え)とは、成果を上げるためのスキルとして、①ビジョン、②戦略・価値創造力、③人を主体的に行動させる真のコミュニケーション力の3つ、それらを徹底する④実行力と、⑤倫理観・品性・品格の人間力を、リーダーシップの5つを源泉とする考え方である。それらをいかに体得するか、詳しく解説したのが本書である。
 思えば、私は運のいい人生を送ってきた。学生時代アメリカに留学、卒業して、ヨーロッパ周りで7ヶ月の世界一周のヒッチハイク一人旅をした。
 その後カネボウに入社、多くの素晴らしい先輩とおおらかな社風に育まれ、輸出畑で世界を飛び回った。営業で25年、30代の前半からオランダの合弁会社で力いっぱい働いて、グローバル人間に育ててもらえたと思う。そしてハーバード大学のMBAコースの最終のプログラム、AMP(高等経営者講座)を50歳で修了、カネボウに戻り企画畑に配転された。しかし、そこで見たのは、債務超過一歩手前、経営の修羅場にある当時のカネボウだった。私は「企業が輝かしく成長するのも、惨憺たる敗北企業になるのも実は経営者の力量一つである」ことを痛感した(このテーマで、2007年「経営者格差」PHP新書を上程)。
 それを反面教師として、5要諦の結論は、経営とはトップの人の人間性に左右され、そして個々の人間が「いかに人間性を磨くか」にあるとした。退社時には正論に耳を傾けない当時のトップ層にカネボウ倒産の責任があると憤りに近い思いであったが、退社後20余年が過ぎ、倒産8年前に退社したとは言え、「カネボウ崩壊の責任は当時の企画部長であった私にもある」と素直に認められるようになった。
 トップもフォロワーも同じように責任があるわけだ。
 部長以上の研修を数多く実施してつくづく感じることは、彼らは仕事に追いかけられ、イライラとストレスに悩み、以前の私と同じように、あるいはそれ以上に会社人間で、心の余裕がない。会社の数字達成のみに心を奪われ、どうすれば数字が達成できるのか、その環境づくりや部下の育成にまで心が行き届かない。会社の経営理念も、実践されることも少なく、形骸化されていることが多い。まして、個々の人生の理念にまで考えが及ぶような心の余裕のある人は少ない。
 世代、年齢、性別は関係ない。できるだけ早い時点から、あるいは気が付いたらすぐに、リーダーシップの5要諦にのっとり、自分を磨いていってほしい。会社の中でもリーダーになり、自分の人生において最高の自分に到達できるように5要諦を実践していってほしい。私たち一人ひとりがリーダーになれば、日本は輝いてくる。
 あなたの人生の主人公はあなたである。「自分の人生」という会社の社長はあなたである。あなた次第で、あなたの人生は輝きもするし、暗い人生にもなってくる。
 
 「人は夢・目的をもってこの世に生まれてくる」という。
 あなたの夢は何でしょう?
 あなたは何のためにこの世に生を受けたのでしょうか?
 とはいえ深刻に悩む必要はない。「明るく、楽しく、さわやかに」生きていけば、そのうち答えは自然に出てくるだろう。


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