中南米音楽の旅    (2020年4月新刊)
    ~想い出の音楽家たち~
早川 智三 著 
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●POD書籍 A5判 189頁 【本文カラー印刷】 2020年4月24日初版発行 価格:(本体2000円+税)
ISBN978-4-910056-10-4 発行:知玄舎 (ご購入はアマゾンのみ。他書店での取扱いはございません)
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魅力的な中南米音楽と出会った音楽家たちとの一期一会の思い出をたくさんのカラー写真で解説し紹介した書。
  これまで、『アルパの調べと歌』『パラグアイ音楽名曲選』『中央アメリカ音楽の旅』『メキシコの伝統音楽』『メキシコ・ユカタン地方の音楽』などの著書で、パラグアイの音楽から始まり、中米各国、メキシコの伝統音楽など、名曲や名演奏家はもちろん、日本でほとんど聞かれることがなかった隠れた名曲、演奏家などを紹介してきた著者が、中南米に滞在中に出会った、すぐれた演奏家や作曲家について紹介する書です。「本書で紹介する音楽家たちは間違いなくその国で知らない人はいない人たちで、さらに国際的にも良く知られた人たち」と著者は「まえがき」で記していますが、そのすばらしい中南米の音楽家たちとの一期一会の思い出を、写真やその代表的なレコード・CDアルバムなどを交えて、親しみをこめて書かれています。さらに彼らが歌った愛すべき感動的な21の名曲の歌詞を、日本語で大意として紹介されています。本文は写真等フルカラー印刷。

◎著者プロフィール
早川 智三(はやかわ ともぞう):1939年、埼玉県に生まれる。1963年、上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業後、(株)日立製作所入社。1971年から1979年まで中米パナマ共和国の日立セールス・コーポレーションに勤務。その間同社家電製品の販売のため中南米諸国を行脚。帰任後も同社の中南米諸国向けの国際業務に従事。99年同社退職後はスペイン語の通訳・翻訳、中南米音楽の解説、執筆などを行う。現在さいたま市に在住。著書に『アルパの調べと歌』『パラグアイ音楽名曲選』『中央アメリカ音楽の旅「ある恋の物語」』『メキシコの伝統音楽』『メキシコ・ユカタン地方の音楽』(知玄舎)がある。

■目 次

 はじめに 2
 1.OPUS 4:「オプス・クアトロ」(アルゼンチン)~結成50年、中南米最高の「ア・カペラ」グループ 9
 【閑話休題】中南米における「ア・カぺラ」グループ 23
 【閑話休題】チリのフォルクローレ「Refalosa(レファローサ)」 30
 2. LOS CHALCHALEROS「ロス・チャルチャレロス」(アルゼンチン)~フォルクローレ界の名門グループ 33
 3.OSVALDO MONTES 「オスバルド・モンテス」(アルゼンチン)~同僚たちから信頼されていたバンドネオン奏者 49
 4.HORACIO SALGAN「オラシオ・サルガン」(アルゼンチン)~華麗なるピアニスト 55
 5.BERTA ROJAS 「ベルタ・ロハス」(パラグアイ)~アグスティン・バリオスの最高の表現者とエル・サルバドルで再会 59
 6.RAUL GARCIA ZARATE「ラウル・ガルシア・サラテ」(ペルー)~アンデス・ギターの国宝 65
 7.OSCAR AVILES「オスカル・アビレス」(ペルー)~ペルー音楽をギターで表現して70年 73
 8.CHABUCA GRANDA「チャブーカ・グランダ」(ペルー)~ペルーのクリオージョ音楽を世界に広めた 79
 9.LUCHA REYES「ルーチャ・レジェス」(ペルー)~ペルーの黄金のモレーナ 87
 10.RAYMOND THEVENOT「ライモンド・テベノー」(ペルー)~ケーナに魅せられたスイス人~ 95
 11.CARLOS RAMIREZ「カルロス・ラミレス」(コロンビア)~幅広いレパートリーで一世を風靡したバリトン歌手 99
 【閑話休題】「パシージョ」という音楽 106
 12.SIMON DIAZ「シモン・ディアス」(ベネズエラ)~ベネズエラの吟遊詩人・カンタウトール 109
 13.CECILIA TODD「セシリア・トッド」(ベネズエラ)~クアトロを手にベネズエラのフォルクローレを歌う 121
 【閑話休題】ベネズエラ音楽概観 128
 14.MARIA TERESA CHACIN「マリア・テレサ・チャシン」(ベネズエラ)~ベネズエラを代表する声 133
 15.MARIMBA NANDAYAPA/LOS MECATEROS「マリンバ・ナンダヤパ」、「ロス・メカテロス」(メキシコ)~二つのマリンバ楽団 139
 16.MANUEL ANGEL「マヌエル・アンヘル」(メキシコ)~メキシコの若きアルパ奏者 147
 【閑話休題】ハラーパ(メキシコ・ベラクルス州)への旅 157
 【閑話休題】メキシコ・シティーで「ソン・ハローチョ」を聴く 167

 17.ARIEL RAMIREZ「アリエル・ラミレス」(アルゼンチン)~ミサ・クリオージャ(南米大陸のミサ) 171
 [1]アリエル・ラミレスとミサ・クリオージャ(南米大陸のミサ) 178
 [2]その他中南米諸国のミサ・クリオージャ 184

 あとがき 186

【歌詞大意】
 REFALOSA PARA MI SOMBRA  「私の影のレファローサ」 30
 REFALOSA DEL ADIÓS 「別れのレファローサ」 31
 ZAMBA DEL CHALCHALERO 「チャルチャレロのサンバ」 37
 A LOS CHALCHAS  「ロス・チャルチャレロスに寄せて」 43
 LA FLOR DE LA CANELA 「ニッケの花」 81
 FINA ESTAMPA  「粋な殿方」 83
 BELLO DURMIENTE 「眠れる美しき国」 84
 MI ULTIMA CANCION 「ミ・ウルティマ・カンシオン(私の最後の歌)」 90
 UNA CARTA AL CIELO 「ウナ・カルタ・アル・シエロ(天国への手紙)」 91
 REGRESA 「レグレーサ(返ってきて!)」 92
 PAYANDE 「パジャンデ(パジャンデの木)」 93
 AMOR SE ESCRIBE CON LLANTO 「愛は涙でつづられる」 104
 MIS FLORES NEGRAS (pasillo) 「私の黒い花」 104
 CABALLO VIEJO (pasaje) 「年老いた馬」 114
 LUNA DE MARGARITA (valse) 「マルガリータの月」 115
 TODO ESTE CAMPO ES MIO (canción) 「この野原すべて私のもの」 115
 TONADA DEL CABRESTERO(tonada) 「牛追いのトナーダ」 116
 PASAJE DEL OLVIDO (pasaje) 「忘却のパサーへ」 117
 MI QUERENCIA (tonada/joropo) 「わたしの愛着」 118
 EL BECERRITO (merengue) 「子牛」 119
 PAJARILLO VERDE(joropo oriental) 「緑の小鳥」 124


 はじめに
 
  私たちは生まれてからいろいろな音楽をたくさん耳にしてきました。レコードやCDを聴いたり、DVDを観たり、或いはコンサートにも出かけたりしました。そして今までに多くの音楽家にも出会いました。
 コンサート終了後サインを貰おうと、若い時は図々しく片言のスペインを喋って近づいたりもしました。概して音楽家たちはシンパティコ(人付きの良い人)が多いのですが、中には近づきがたい人もおりました。
 メキシコのトリオ・ロス・パンチョスが初来日したのは1959年のことでしたが、友人と一緒に彼らが宿泊していた赤坂のプリンス・ホテルへ行き、たまたま持っていた教科書にサインしてもらいました。今から思えば心臓だけを頼りにしていた学生だったと思います。流石に彼らは親切に応対してくれたことは今でもよく覚えています。
 その後社会人になってからは多少の礼儀作法も心得て音楽家と接するように心がけました。
 本書で紹介する音楽家たちは間違いなくその国で知らない人はいない人たちで、さらに国際的にも良く知られた人たちです。そのような人たちと直接会うチャンスがあり言葉を交わした思い出を書き綴ったものです。他にもパラグアイの音楽家たちや中央アメリカの音楽家たちとの楽しい思い出は小著「アルパの調べと歌」「パラグアイ音楽名曲選」「中央アメリカ音楽の旅」の中で折に触れて述べてきましたので、ここでは繰り返して取り上げていませんがみんな親しくしてくれた人たちです。
 「一期一会」とよく言われますが、人との出会いは大切にしたいものです。たった一回の出会いにしても思い出に残る音楽家も多くおります。
 残念なことに他界された人たちもおり一抹の寂しさを感じます。しかし彼らは生前に音楽の力で人々に喜びと生きる力を与えてきた人たちですから、今は天国で楽しく過ごしていることと思います。今までの交際に対して感謝の意を表したいと思います。


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