建物清掃の実際[復刻新訂版]

   ――ビルクリーニングの基本、全てはここから始まった  (2020年6月新刊)

   田中定二 著 (編集:岡田玉規)
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ■電子書籍: \1,800 (消費税別)
   2020年7月10日初版発行 →アマゾンでの購入はこちら

  ■POD書籍: \1,800 (消費税別)/(A5判246頁 ISBN978-4-910056-14-2)
   2020年6月15日初版発行 →アマゾンでの購入はこち
   (ご購入はPOD書籍取扱い店:アマゾン、楽天、三省堂書店★その他書店では取扱いがございません)

  ※ご購入はTOPページの販売店でお求めください。
   価格は当社の販売希望価格です。
   各書店のキャンペーン等で販売価格が変更(読み放題、割引等)になることがあります。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ◎本書について
 ビル清掃のすべてを網羅したビルメンテナンスの実用マニュアル。

日本のビルメンテナンス業で重要な清掃業務の実用マニュアルとして1971年に大系的に詳細に著された基本書。その内容は半世紀経過した現在でもほとんどそのまま対応できる実用的レベルにあり、本書は、初版をほぼそのまま復刻し、一部用語等を現代向けに微修正した新訂版。初版当時の写真や図版、図表等を再現し、ビル清掃の基本はもとより、詳細な実用的教科書としての内容は貴重。著者、田中定二氏(1906-1990)は、日本のビルメンテナンス業の草分けであり、ビル清掃の理論家として業界で知られた存在。日本ビルサービス株式会社、新日本ビルサービス株式会社等の役員として活躍し、平成2(1990)年に逝去。復刻に際しては、田中氏の業績とその精神を伝えるため岡田玉規が編集人として内容の詳細を確認し、注釈を担当した全国ビルメンテナンス協会講師の鈴木悟氏の協力を得て、現在のビル清掃業務の実用書としてそのまま使えるレベルに新訂。なお、本書の著作権は、復刊に伴いNPO法人快適な街づくり協会に帰属。
底本:『建物清掃の実際』昭和46(1971)年2月25日第1版第1刷、 昭和和55(1980)年8月30日第1版第5刷、株式会社オーム社発行

◎著者紹介
田中 定二(たなか ていじ):明治39(1906)年6月15日愛知県に生まれる。昭和5(1930)年東京大学国文科卒業、成蹊高校教授兼舎監、東奥義塾教師、栄養食支配人、日本建鉄工業就職課長、常盤食品社長を経て、昭和27(1952)年日本不動産管理株式会社総支配人。昭和34(1959)年日本ビルサービス株式会社常務取締役。昭和38(1963)年日本ビルサービス株式会社専務取締役。(本書底本出版時)日本ビルサービス株式会社顧問、財団法人ビル管理教育センター講師、財団法人建築物管理訓練センター講師、社団法人東京ビルメンテナンス協会顧問。平成2(1990)年逝去、享年84歳。


●目次

 本書の復刊に当たって
 注釈者はしがき――今なぜ復刊か? 清掃本来の意義とは
 追悼/田中定二先生 ビル清掃の理論化に偉大な功績
 ご冥福をお祈りします
 田中定二先生やすらかに
 初版 はしがき
第1章 総説
1・1 清掃とは何か
1・2 清掃の目的
1・3 ビル清掃の特質
1・4 建築物環境衛生管理法と清掃
第2章 ゴミ・ホコリ・ヨゴレ
2・1 ゴミ
〔1〕ゴミとは何か
〔2〕ゴミという概念
〔3〕ゴミと人間生活
〔4〕ゴミの処理と処分
〔5〕ゴミの種類
2・2 ホコリ
〔1〕ホコリとは何か
〔2〕ホコリの大きさ
〔3〕ホコリの害
〔4〕ビルのホコリ
〔5〕ホコリと清掃
2・3 ヨゴレ
〔1〕ヨゴレとは何か
〔2〕ヨゴレの功罪
〔3〕ヨゴレの除去
第3章 清掃技術の発達
3・1 清掃手段と機材
3・2 現代清掃技術の特色
3・3 予防的清掃技術
第4章 機械・器具・資材
4・1 機械類
 (a)真空掃除機(バキュームクリーナー)
 (b)電動床みがき機(フロアマシンまたはフロアポリッシャー)
 (c)自動床洗浄機
 (d)カーペット・シャンプークリーニング機
 (e)小型道路掃除機(ロードスイーパー)
 (f)壁面自動洗浄機
 (g)動力芝刈り機
 (h)スケーリングタワー(機械式せり上げ足場)
 (i)可搬式ゴンドラ
4・2 器具類
 (a)カーペット・スイーパー(敷物掃除器)
 (b)スイーピングツール
 (c)モップリンガー(モップ絞り器)
 (d)靴洗いタンク
 (e)コレクター(トラッシコレクター)
 (f)1人用作業カート
 (g)運搬用手押し車
 (h)脚立と梯子
 (i)組み立て足場
4・3 資材類
〔1〕荒物雑品
 (a)マット類
 (b)熊手類
 (c)ほうき類
 (d)ブラシ類
 (e)モップ類
 (f)はたき類
 (g)たわし類
 (h)バケツ類
 (i)チリ取り類
 (j)手袋類
 (k)雑器具
 (l)研摩材
 (m)雑巾とウエス
〔2〕床維持剤
 (a)フロアオイル(床油)
 (b)油性ワックス
 (c)水性ワックス
 (d)樹脂ワックス(樹脂シール剤)
〔3〕洗剤と薬剤
 (a)洗剤
 (b)薬剤
〔4〕衛生消耗品
 (a)トイレットペーパー
 (b)タオルペーパー
 (c)手洗い用水セッケン
 (d)防臭剤
 (e)消毒剤
 (e)機材置場
第5章 作業の分類と作業一覧表
5・1 作業の分析と分類
〔1〕作業分類の必要性
〔2〕作業の場所
 (a)共用区域
 (b)専用区域
 (c)管理用区域
 (d)外装区域
〔3〕共用区域清掃と専用区域清掃
〔4〕作業の回数
〔5〕日常清掃と定期清掃
 日常清掃
 定期清掃
5・2作業一覧表
〔1〕作業一覧表の作成
〔2〕作業一覧表の意義
5・3 臨時清掃
第6章 日常作業の技術と要領
6・1 共用区域の清掃
〔1〕玄関・出入口
〔2〕ロビー・廊下・階段
〔3〕便所・洗面所・湯沸し場
〔4〕屋上・ビル外回りなど
6・2 専用区域の清掃
〔1〕事務室・会議室
〔2〕役員室・応接室
〔3〕計算機室・電話自動交換機室
〔4〕食堂・喫茶室
〔5〕書庫・倉庫
6・3 管理用区域の清掃
6・4 外装区域の清掃
第7章 主要な定期清掃作業
7・1 共用区域・専用区域の定期清掃
〔1〕床の塗装
 (a)フロアオイル(床油)
 (b)油性ワックス
 (C)水性ワックス
 (d)樹脂ワックス
〔2〕カーペットのクリーニング
〔3〕灯具・換気孔・ブラインドの清掃
 (a)灯具
 (b)換気孔
 (C)ブラインド
7・2 外装区域の定期清掃
 〔1〕窓ガラスの清掃
 (a)窓ガラスのヨゴレと清掃回数
 (b)窓ガラスの清掃法
 (e)作業の安全と作業方式
 (d)ゴンドラ
〔2〕金属外装板の清掃
 (a)アルミニウム
 (b)ステンレス
〔3〕外壁の清掃
第8章 ビルのゴミとその処理
8・1 ビルゴミの様相
〔1〕ビルゴミの発生量
〔2〕ビルゴミの性質
8・2 ビルのゴミ処理過程
〔1〕一次貯留容器と各階ゴミ置場
 (a)一次貯留容器
 (b)各階ゴミ置場
〔2〕ゴミの収集
 (a)ゴミの取り集め
 (b)ゴミの館内運搬
〔3〕ゴミの集積とゴミ集積所
〔4〕ゴミのビル外搬出
〔5〕ゴミのビル内焼却
8・3 ゴミ処理上の問題点
 (付)ゴミ以外の汚物の処理
第9章 ネズミ・害虫の防除
9・1 ビルとネズミ・害虫
〔1〕衛生動物とその害
〔2〕ビルにおける衛生動物の跋扈
〔3〕衛生動物の防除対策
 (a)防御
 (b)駆除
〔4〕防除の要点と注意事項
9・2 ネズミとその防除
〔1〕ビルにすむネズミの種類
 (a)ドブネズミ
 (b)クマネズミ
 (c)ハツカネズミ
〔2〕ネズミの害
〔3〕ネズミの習性と生態
〔4〕ネズミ防除の手段
 (a)環境対策
 (b)駆除対策
9・3 衛生害虫の防除
〔1〕殺虫剤
 (a)殺虫剤の変遷
 (b)殺虫剤の作用
 (c)殺虫剤の剤形
 (d)殺虫剤の使用法
 (e)各種殺虫剤
〔2〕各種衛生害虫とその防除
 (a)ゴキブリ
 (b)ハエ
 (c)力(蚊)
 (e)イエダニ
 (f)ノミ
 (g)チョウバエ
第10章 清掃労働と作業要員
10・1 労働力不足とビル清掃
〔1〕ビル清掃労働力不足の現状
〔2〕新しい労働力の導入
 (a)従業者の社会的地位待遇の改善
 (b)未利用労働力の動員
〔3〕清掃作業の合理化
 (a)設備・機材・技術の改善
 (b)労働能率の向上
10・2 作業管理
〔1〕適正作業量の決定(標準作業時間と標準作業量)
〔2〕現場労務組織
 (a)集団作業方式
 (b)個人割当て方式
 (c)班別分業方式
10・3 労務管理
〔1〕従業員の素質と教育
〔2〕所要人員とその構成
 (a)ビルの用途
 (b)開館日数と開館時間
 (c)面積と構造
 (d)立地条件と利用人ロ
 (e)建材の性質
 (f)必要清潔度
〔3〕職場における人間関係
〔4〕給与
〔5〕服装
〔6〕休憩室
第11章 委託清掃作業外注
11・1 委託清掃と専門業者
〔1〕委託清掃の増加
〔2〕委託清掃の長所と短所
〔3〕建物清掃業の発達
11・2 業者の選択と契約の仕方
〔1〕受託業者の選定
〔2〕見積りと契約
〔3〕仕様書
11・3 作業外注
参考文献
著者略歴


本書の復刊に当たって

 著者の田中定二氏は、日本ビルサービス株式会社の専務取締役退任後、グループ会社・新日本ビルサービス株式会社の役員等を経て、同じくグループ会社であった株式会社社会環境研究所にお移りになり顧問に就任されました。編集人は、同社において平成2(1990)年に田中氏がお亡くなりになるまでの約10年、その謦咳に接することを得、数々の教えを頂きました。時にふれてその高潔でやさしいお人柄、分け隔てなく人に接する生前の姿が思い出され、何らかの形で田中氏の業績とその精神を継承したいと考えてきました。
 ご逝去から30年近くを経過した一昨年夏、本書の註釈をお願いした鈴木悟氏(全国ビルメンテナンス協会講師・2013年『ビルクリーニング科』〈技能士コース〉教科書の執筆者)から、本書の価値が未だに失われることなく我が国清掃業務の理論的裏付けとなっていることを教えられました。そこで故人のご長女である梅澤やよひ様にご連絡し、ご承諾を得て出版に取り組むこととなりました。
 当初は、本書を元に最新の情報等を織り込んだ書物とすることも考慮しましたが、検討作業を通じて浅学菲才の身にとってはおよそ不可能なことであることを痛感しました。そこで鈴木氏に、必要と思われる箇所に注書きを入れていただき、写真も含めてほぼ原版通り発行させていただくこととなりました。このため、用語や表現等の面で、現在ではそぐわない箇所がありますが、ご寛恕顫います。
 建物清掃の基礎を築いたと言われながら、絶版のため手に取ることが出来なかった本書を出来るだけ多くの方々にお読みいただき、現代に適合した新しい清掃業務の在り方を創造する際の一助になれば幸甚です。そして改革のための様々な活動が始まることが、「後のことは後の方々にお任せする」と言って旅立たれた故人のご遺志の一端を継ぐことになるかと思われます。
 なお、今回の出版に当たり、本書の版権は梅澤やよひ様より非営利活動法人快適な街づくり協会(2008年内閣府より認可)に寄贈されました。ここに記して御礼申し上げます。
 また私の畏友で、本書の制作をボランティアで引き受けてくれた知玄舎の小堀英一氏にも心より御礼申し上げたい。氏の労苦を惜しまぬ働き無くして、本書の出版は到底不可能であったと思います。その他関係各位の温かいご支援にも心より感謝申し上げます。

 編集人 岡田 玉規
(特定非営利活動法人快適な街づくり協会理事長)


TOPページ