ストレスを力に変える心身技法

   ――心と身体で実感できるセルフ・コーチング  (2018年4月新刊)

   西田 隆男・太田 朋宏 共著
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  ■電子書籍: \800 (消費税別)
   2018年4月20日初版発行 →アマゾンでの購入はこちら

  ■POD書籍: \1,200 (消費税別)/(A5判部分カラー116頁 ISBN978-4-907875-67-1)
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 ◎本書について
 ストレスを力に変えるテクニックを瞑想法や古武術、体操、キネシオロジー、現代の臨床心理学理論などを駆使し、真の健康寿命を実現する書。

人付き合いとPCスマホなどからの情報で受ける膨大なストレス・リスクの氾濫の最中で、より長く健康に生きていくにはどうしたらいいか。科学や医学の進歩で延命できるようになった今、その命を、毎日ワクワクした気持ちで楽しみ、喜び、味わって生きるダイナミックな人生を実現するにはどうすればいいか。本書は、心身関係を重視するソマティック心理学による身体的な方法とともに、臨床心理学による心を整える方法をわかりやすく解説。日々にカウンセリングや臨床を実践している著者による、具体的な実践手法とともに、東洋の英知にも通じる心と体と感情と人生とを、ホリスティックな心理的側面から統合。ストレスを力に変えるテクニックを東洋に伝わる瞑想法や古武術、体操、キネシオロジー、現代の臨床心理学理論などからまとめ、真の健康寿命を実現するセルフ・コーチングの書。

◎著者紹介
西田 隆男(にしだ たかお、第Ⅰ部「身体編」担当):サイコロジスト、学校心理士スーパーバイザー、専門健康心理士、専門:教育臨床、学校保健。自由の森学園スクールカウンセラー、帝京大学非常勤講師、NPO法人埼玉ダルク理事長、NPO法人自立援助ホームlively朋相談役、甲州無料塾ココロ代表。主な著書:『現代の教育危機と総合人間学』(共著)、『子どもの自然辞典』(共著)、『Just For Today――薬物依存症とはなにか』、『人生を祝祭に変える法』(翻訳著)などがある。
太田 朋宏(おおた ともひろ、第Ⅱ部「心理編」担当):臨床心理士、カウンセリングルーム ワプラス代表 昭和52年生まれ 千葉県出身 企業におけるEAPプログラムや高齢者向けリハビリ病院での臨床経験を持つ。これまで私立と公立の小中高校合わせて30校近くの学校で勤務し、スクールカウンセラーを中心に活動している。ワプラスでは現代臨床催眠、森田療法、応用行動分析学、精神分析学など様々な心理療法を取り入れ、適材適所の統合的アプローチを研究する中で、主に東洋的な視点から「和」の心理療法を行っている。著書に『催眠を使った護心術』『何のために勉強するの?~勉強のやる気が100倍アップする』


●目次

 はじめに
第Ⅰ部 身体編――ソマティック心理学(運動科学、キネシオロジー)からのアプローチ
第1章〈理論編〉心身の同期現象――身体と精神のシンクロニシティ
 心と体はつながっている―― 心身の同期現象
1.ストレッチング――その効果について
2.腸脳相関――ハラと脳はつながっている
3.体の声を聴く――身体知性
第2章〈実践編〉身体からのアプローチ[ソマティック心理学]
1.自然界からエネルギーを取り入れる方法――自然気功
 ◎コラム⑴――五感を研ぎ澄ます方法
2.自分の中心軸をつくる方法――センタリング
 ◎コラム⑵――息(深い呼吸)で気分を安定させる[丹田呼吸法]
3.寝ころんでする全身ストレッチング――経絡活性化
4.肩こりをスッキリと軽くする方法――邪気祓い
5.体の疲労感を軽減する方法――気功ストレッチ
6.軽くリフレッシュする方法――マッサージによる気分転換
7.首の疲れ、こりを軽減する方法――不快感と重感の除去
8.頭の疲労を軽減する方法――脳のリラックス
9.立ち姿勢で全身の疲労感を軽減する方法――心身回復法
10.下半身の疲れを取る方法――インナーマッスル(腸腰筋)のストレッチ
 ◎コラム⑶――環境から元気をもらう方法
11.体幹を安定させる方法――コア・マッスルを鍛える
 ◎コラム⑷――自己防御―光のバリアをつくる
 ◎コラム⑸――体内の邪気(ネガティブなエネルギー)を除去する
12.全身のバランスを整える方法――バランス調整
参考文献(第Ⅰ部「身体編」)
第Ⅱ部 心理編――臨床心理学(カウンセリング、サイコセラピー)からのアプローチ
第3章〈理論編〉心と身体はつながっている――身体から無意識と対話する
1.身体は無意識の心
2.無意識につながる催眠現象――催眠と東洋における気の概念
3.認知が行動と世界を変える――目標設定が現状を変える
第4章〈実践編〉心理からのアプローチ――[臨床心理学]
1.あるがままで晴れになるワーク ~不安は心の警報機~
2.身体の声を聴くワーク ~内臓が生み出す心~
 ◎コラム⑹――肝腎要に効かない薬は補助薬?
3.怒りを有効活用するワーク ~心の運転技術を身につける~
 ◎コラム⑺――柔軟体操は硬直体操から脱力体操へ
4.リラックスして集中力を高めるワーク ~気分の荒波に乗る~
 ◎コラム⑻――二呼吸から一呼吸で変わる動き
5.感謝で気力アップのワーク ~ドキュメンタリー映画を作る~
6.マイナス思考から脱却するワーク ~戦わずして勝つ極意~
 ◎コラム⑼――痛いの痛いの飛んでいくなー!
7.安心感と安定感を育むワーク ~呼吸と脱力で落ち着く~
 ◎コラム⑽――バランスを整える拇指球
8.心と身体を癒すワーク ~頭寒足熱・頭軽足重でリラックス~
 ◎コラム⑾――暮らしの中の体幹トレーニング
9.なりたい自分になるワーク ~活躍の舞台を演出する~
 ◎コラム⑿――授業中の“三大悪癖”は悪くなかった?
10.夢を思い描くワーク ~夢は生きる原動力~
11.夢への道を作るワーク ~将来から逆算した答え~
12.夢を形にしていくワーク ~言葉が作る心の世界~
参考文献(第Ⅱ部「心理編」)
 あとがき


 はじめに
  
 科学や医学の進歩に伴って人間の平均寿命は延び続けています。今の子どもたちはおそらく100歳以上生きる時代になるでしょう。より長く生きたいという欲求は、生物にとっての本能でもあり、寿命が延びることは人類にとって喜ばしいことなのかもしれません。
 だからといって、手放しで喜べるわけではありません。たとえ寿命が延びたとしても、もしこの先の長い人生をずっと憂うつな気分のまま過ごさなければならないのだとしたら、あるいは生きることに意味や価値を見いだせず、早く死にたいと思いながら長生きしなければならないのだとしたら、とても生きている心地はしないでしょう。
  
 そこで、今求められているのはただ延命するだけの寿命ではなく、健康寿命、とりわけ心の健康寿命と言えるのではないでしょうか。より長く生きていく上では、よりよく生きるというテーマが立ちはだかってきます。
 第一に、心理的な意味での若さや健康というのは必ずしも年齢とは比例しません。いくら若くてもつまらない毎日といくら歳を取っても楽しい毎日があるとしたら、どちらの年代を過ごしたいでしょうか。年齢にかかわらず、何かを成し遂げたいというモチベーションや、何かに取り組みたいという好奇心が躍動感あふれる命を実感させ、それが生きる原動力になります。
  
 迫り来る人工知能の時代においては、心を押し殺してやらなければならない退屈な作業はロボットがやってくれるようになるかもしれません。コンピュータに使われる人間ではなくコンピュータを使う人間になるには、コンピュータにはないモチベーションや好奇心といった人間らしさが強みにもなってくるでしょう。
  
 我々からモチベーションや心の健康寿命を奪っていくものに、不安や恐怖、緊張などのストレスがあります。ストレスがなければもっと人間関係が円滑になるのに、ストレスがなければもっと勉強や仕事がはかどるのに、と誰しもが思ったことがあるかもしれません。
  
 しかし、時としてストレスが全くない人生というのはワクワクドキドキのないつまらない人生になりかねません。何よりもストレスを乗り越えた時に達成感や充実感などの生きがいを得ることができます。ストレスが日々の勉強や仕事、人間関係に害を及ぼすものではなく、「人生におけるスパイス」(H・セリエ)として味わえたら、人生は実り豊かになります。
  
 ストレスは排除しようとして戦えば戦うほど増大し、われわれに生きづらさを与えるようになります。しかし、そのストレスを受け入れ、友だちになることができたとき、ストレスが気力を奪うものではなく、気力を与えてくれるものに変わり、私たちの人生を味わい深いものにしてくれるのです。
  
 本著はストレスを力に変えるためのテクニックを東洋に伝わる瞑想法や古武術、体操、キネシオロジー、現代の臨床心理学理論などからまとめました。そして、本著のワークを実践する上での3つのポイントがあります。
  
 今ここで
 人は過去や未来に生きているわけではありません。今ここに注意を向け、意識を集中することで、生き生きとした生命力をリアルに感じさせてくれます。未来を心配し、過去を後悔するのではなく、今を生きることで自然に活力が湧いてきます。今できないことは明日できません。今がよければ過去の苦い経験も教訓や糧になります。今ここで心から身体で実感することが成長や自信につながります。
  
 結果よりプロセスを
 昨日の自分よりちょっとでも前に進むことが自信になります。できなかった自分ではなく、できている自分に注目し続け、その成長を振り返ることが達成感や充実感につながります。ただ前に進んでいれば自然に前向きな性格になってきます。こうあらねばならないという限界や条件を設けては結果を嘆くのではなく、可能性を広げながらスモールステップで変化し続けてるプロセスを実感していきます。
  
 心身一如
 心は脳にだけあるのではありません。心の変化は身体で実感することができます。脳に直接働きかけるのは難しくても、身体から脳に働きかけることはできます。学んだ知識は身体で体得してはじめて自分のものになり、実践することで知恵になります。考えるだけで「机上の空論」にするのではなく、身体で示すことが「論より証拠」になります。頭ではなく実践しながら身体で読んでみて下さい。
  
 これら3つポイントは互いに関連しあっています。今ここで変化していくプロセスを心と身体で実感していくことです。「私が実践する」のではなく、「実践している私」を体感できると、前向きな何かを感じ取れると思います。なりたい自分になるためのセルフコーチングとして、心と身体で実感できる心身技法をぜひお試しください。
(「臨床心理学」担当 太田 朋宏)