幸せの 断捨離[第三人生]の扉を開く鍵  (2022年6月新刊)

   ――暗黒の40代を突破~波瀾の人生を愉しむ弁護士の自伝

   金住 則行 著
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  ■書店販売書籍: \1,600 (消費税別)/(四六判上製本256頁 ISBN978-4-434-30601-3)
   2022年6月16日初版発行 →アマゾンでの購入はこちら

  ■POD書籍: なし

  ■電子書籍: \1,200 (消費税別)
   2022年7月1日初版発行 →アマゾンでの購入はこちら

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 ◎本書について
  自ら生きてきた弁護士人生を振り返り露にし、第三人生をどう生きたかを示して65歳からの読者の「幸せ」を問うた自伝。


総務省統計局が2021年9月公表した我が国の65歳以上の高齢者人口は、過去最多3640万人。総人口に占める割合は約29%、3人に1人に迫る驚くべき高齢社会が到来しているのだ。人生50年はとうの昔、人生100年時代に人はどう生きるべきか。本書は、すでに80歳を超えた著者の弁護士が今、自ら生きてきた生きざまを振り返り露にし、人間としてどう生きてきたかを問うた書。弁護士でありながら連帯保証人を引き受け暗黒の借金地獄を耐えた40代の10年間からどのように這い上がったか。そしていかに社会と人々の生活や文化の中に深く踏み込み、幸せを与える活動を次々と成し遂げてきたか。その驚くほど多様で能動的な人生経験から、敢えて本書は65歳に達した読者のあなたの幸せを願い、第二の人生、そして第三の人生の生き方を全身全霊で書き下ろした書。自らを晒して心の奥深く、魂を響かせて読者のあなたの人生の生き方、「幸せ」とは何かを問う。「私、訴訟しません」をモットーとしている弁護士の、気骨稜稜(きこつりょうりょう)の自伝。

単価 : ¥1600 (本体価格)★消費税10%定価1,760円
数量 :   (クレジット・郵便振替・代引がご利用になれます)

◇著者プロフィール
 金住則行(かなずみのりゆき):1940年愛知県生。1962年中央大学卒。1967年弁護士登録(第一東京弁護士会)。差別のない社会を創るために弁護士を志望し、27歳で実現。30歳代は、司法制度改悪に反対する町医者的庶民弁護士として活動。40歳で連帯保証人として巨額の債務を負う暗黒の10年間を体験しつつ、弁護士を志した原点に立ち返り、弁護士養成特別ゼミを設ける活動などによりどん底から復活。50歳代以降は弁護士活動だけに留まらず、スポーツ・文化・芸術方面に一気に拡大。「弁護士活動を主軸とした実践の第二の人生」を謳歌。70歳以降から「新しい社会創造の第三の人生」に突入。そして今82歳、「訴訟をしない弁護士」を旨に、これからの人生の在り方として、社会起業家として地方創生の一翼を担える民間会社の役割を果たしつつ、差別のないコミュニティ創りと穏やかな暮らしを愉しむ「第三人生」を人々に呼びかけている。


●目次

推薦文  湯川れい子
 まえがき
 序 章 妻の死!2021年6月16日、68歳で妻は旅立った
 第一章 歩いてきた――私の出自と経歴
◎家族(血族)
◎少年時代――差別をしない社会を創るため、弁護士になりたい
◎高校時代(昭和高校)――楽しい思い出だけしかない
◎大学時代(中央大学)――日本の将来を考えるクロニキ読書会
◎結婚生活(1回目)――今でも反省と感謝
◎弁護士時代[30代]――血気盛んな若手弁護士
◎暗黒の10年間[40代]――「四十にして迷わず」ではなかった
◎蘇った力[50代]――「五十にして天命を知る」
◎隠れた才能の開花[60代]
◎第三の人生[65歳以後の人生]――デーケン先生から学ぶ
◎弁護士のあり方を拡大する活動
◎いざ、上宝へ
◎一点突破の力の源[会社設立]
◎残された人生[82歳以降]をどう生きるか?
◎私、訴訟はしません
◎嘘のようなホントの話[奇跡が起こった]
 第二章 私の人格形成――6つの[脱皮]を語る
◇――[脱皮]その1:人との出逢い
◎悪ガキといわれた人達
◎悪ガキには、隠れた才能がある。
◎思い出の人たち
◇――[脱皮]その2:感動との出逢い
◎1.読むことは、感動の種火づくり
◎2.書くことによって、知識と感動を定着させる
◎3.創ることによって夢が広がる
◇――[脱皮]その3:旅に出る(第二のふる里探し)
◎三津橋弁護士と函館
◎島幸子さん夫婦がいる沖縄
◎山田建之さん夫婦がいる小豆島
◎ゴルフツアーで観たアメリカ
◎プロゴルファーブラッドとカナダ
◎N社長夫人宅があるオーストラリア
◇――[脱皮]その4:種を撒く(価値を創る)人たちとの出会い
◎赤峰勝人さん
◎後藤國利さん
◎渡邊智恵子さん
◎岡田朁三さん
◎石田清一さん
◇――[脱皮]その5:自分を探して(私は誰?)
◎霊性についての探求
◎「見えない世界」からの使者
◎肉体を離れた意識だけで過去や未来を旅する人物
◎私は、3・11の体験と男塾で意識が変わった
◇――[脱皮]その6:神を探して(人類永遠の謎?)
◎本の選び方と読み方
◎神との対話(神とひとつになること)から
◎アナスタシア(共同の創造)から
◎あるヨギの自叙伝から
 第三章 人生最終章――まだ、第三の人生真っ最中
◎私の第三の人生とは
◎自分の足で立つ(自給自足)
◎医療体制の理想は統合医療
◎幸せの断捨離(忘己利他)
◎生き方の転換(宮沢賢治のように)
 終 章 「本」と「人」と「実践」
◎「本」について
◎「人」について
◎「実践」について
 あとがき


   
 はじめに
 
 混迷時代を切り開く力……あなたへの呼びかけ!
 
 この自伝を書いている今、この世界は、コロナで大騒ぎし、オリンピックが無理やり開催され、大国間でいがみ合い、経済の不況は続き、大災害が頻発し、貧困層が激増し、テロが横行し、難民が放浪する。その上にあろうことかロシアがウクライナへ侵攻した。
 一言で言えば、地球規模の無秩序大混乱の時代といえる。
 
 そして、日本では、全国民の命と健康がおびやかされ、経済の格差が広がり、人々の連帯感が薄れ、一人ひとりが孤立無援の不安を抱えている。
 どうしたらいいか? 何が出来るのか?
 回答が見つけられないまま、日本中の心がさまよっている。
 
 この世界の危機を、この日本の危機を、救うのは誰か?
 私は、65歳以上の「高齢者」「年金生活者」と言われる年代の「私たち」だと思う。
 
 65歳とは、一般的にはサラリーマンの定年退職時期であり、高齢化率の基準とされる歳であり、これから始まる一般には「第二の人生」と言われる時代を、いかに暮らすかを考える区切りの歳である。
 ところが現実には、高度経済成長期にあってこそ、現職中の働き手として誰からも尊敬され、定年退職時には家族からもご苦労様と感謝され、自分自身も、「さてこれから優雅な第二の人生を」と胸を張ったのに、不況が続く今となっては、社会からは労働能力年齢を過ぎた福祉対象として、お荷物扱いされる世代に見做なされている。
 
 しかし、実はこの世代こそ、艱難辛苦の人生経験を経て、人間としての不屈な忍耐力と深い叡智を備え持った、国の宝と言える人々である。
 今の、先行きの見えない時代にあって、65歳に到達した人達は、「働き詰めの第一の人生が終わり、ゆとりの第二の人生でゆっくり休もう」と考えるのではなく、「円熟した人生の体験者として、世のため人のため何より自分のために、第三の人生が始まった」と考えるべきだと、私は思う。
 ここに至るまで、私の人生は順風満帆であったわけではない。弁護士として生きていた最も活躍できたはずの40代、私は深い苦悩が絶え間なく続く暗黒の10年間を過ごした。突如訪れたその信じがたい出来事の始まりについて、まずは語ろう。
 
 弁護士が[連帯保証人]になった?
 
 連帯保証債務が7000万円?
 冗談でしょう?
 笑い話にもならない!
 
 そのとおり、弁明のしようもない恥ずかしいかぎりの不手際であった。
 私は友人に頼まれて仕方なく、彼の事業の借入の連帯保証人を引き受けたが、何と事業は失敗し、彼は行方をくらましたのだった。
 その友人は、元々糖尿病の基礎疾患のある病気持ちで、そのために食事問題を中心にした病気についての関心が高く、東京の森下敬一博士に憧れ、先生の理論による自然食の導入を企画して道場の建設に取り組んだ。
 私は、彼の情熱と森下博士についての兼ねてからの敬意も手伝って、銀行信用のない彼の懇願を断り切れず、連帯保証による支援をしてしまったのであった。
 順風満帆だった弁護士活動の10年間も終わり、さてこれから、町医者的弁護士として、赤ひげ医者と同じような活動に切り替えようとした矢先に、天文学的な借金が天から降り注いできた。
 楽しかったはずの、電話のコール音におびえる日はすぐにやってきた。
 どうしよう?
 
 人間は、追い込まれると、まずはその場から逃げたいと思うものである。
 
 どこへ? 奈良の生駒山にある、信貴山朝護孫子寺の直近に、断食道場があった。
 1週間電話も出来ない電話も来ない。とりあえず逃げ込んだ。
 断食道場の毎日は、3日目に一つのピークを迎える。空腹との戦いだ。
 しかし4日目に入ると、不思議に空腹感が収まる。と同時に体重が3キロも減って体が軽くなる。頭がさえてくる。やっと自分らしさが戻ってくる。
 その変化に合わせて、道場主の毎日の室内有線放送が、絶大な効果を発揮した。
 「断食の効用」と「般若心経」の講義である。
 動物は何故冬眠するのか?
 色即是空空即是色とは何か?見えない世界が本質。見える世界は幻想。
 これらの講義を聴いていると、人間は何と狭量な動物なのかと思えてくる。
 そうだ、問題から目を背むけたり、逃げていては何も解決しない。
 と同時に、人間は目の前の危機感が薄れ、感情の世界から理性を取り戻してくると、理論的哲学的行動指針に目覚めるものであるらしい。
 
 「このままではだめだ。体当たりでぶつかってみよう!」と思い始めた。
 
 やっと借金一覧表に目が向いて、これを返済してやるぞ!という勇気が湧いてきた。
 怪しげな債権者に頭を下げて、「迷惑をかけました。10年掛けで返済しますから、利息はカットしてください」と頼み込むことになったのであった。
 手始めは、一番怖そうな大口債権者の六本木ヤクザ屋さんを選ぶことにした。
 それまでの人生で、どんな場所、どんな人物にもビビることのなかった私が、さすが前の夜は寝付かれなかった。
 六本木のヤクザ屋さんの館はエレベーターのない4階建てのマンションの最上階にあった。「ウチの法律事務所と似ている?」。ウチの法律事務所もまだエレベーターは無かったが普段は何の苦痛も感じなかった。
 しかしこの時の緊張と重なった私には、4階までの階段が死ぬほど辛かった。
 やっとたどり着いたドアの奥にしつらえた、和式玄関スペースは物々しかった。
 屏風絵の巨大な虎が、大口を開けて咆哮している。
 待たせること30分、中で2~3人の男がたわいもない話をしているらしいことは漏れ伝わってくるが、なかなか終わらない。腕時計で時間の経過を何度も確かめた。両手は、じっとりと汗ばんでいる。
 やっと細身の若い男が、上目使いで案内に立った。
 通された応接間は、正面に大きな机があり、その前に虎の毛皮と絨毯を敷いた応接セットがあった。いかにもものものしい飾り付けが、訪問者を威圧していた。
 机の上に両足を放り出し、黒づく目の上下の衣装に身をつつんだ、巨体でスキンヘッドの男が、傲然と私をにらみつけていた。
 何と机の後ろの壁には、日本刀が横向きに掛けてある。
 私は平然を装って、男の目を見つめたままソファーの中央にゆっくり腰を下ろした。
 (……その後の展開は、第一章「暗黒の10年間[40代]」に続く)
   ――以下略


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