コロナ禍という戦災 (2021年9月新刊)

   ――戦争とプロパガンダ:作られた[物語]を超えて

   西田 隆男 著

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 ◎本書について
  ウイルス変異株で右往左往している「コロナ・パンデミック世界戦争」と記述されるかもしれない今日の、日本と世界の状況を読み解くための書。

戦争といえば、斧や槍、剣、鉄砲、大砲、機関銃……そして原子爆弾などによる熱戦と、諜報活動や経済圧力等による冷戦だったが、人類がいま経験しているのは、目には見えないウイルス感染というパンデミック、コロナ禍という、まさに戦争、そして災害。本書は、この異様な状況を、プロパガンダ(意図をもって特定の主義や思想に誘導する宣伝戦略)による「新型コロナウイルスによる社会支配」ととらえ、それを「第三次世界大戦」と位置付け。そしてこの「戦争プロパガンダ」がどのように情報操作され、人々を巻き込んでいるかを、第一次世界大戦や湾岸戦争を例に引きながら、心理学的視点から分析しまとめた講演録。心理学的視点から「戦争」を分析すると、そこに洗い出される構図は、「支配者」と「プロパガンダされてしまった民衆」。著者は、この戦争を根絶するには「目の前にある情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考える習慣をつけること」が唯一の方法であることを強調。コロナ禍というプロパガンダで情報操作された「新しいかたちの戦争」……やがて「コロナ・パンデミック世界戦争」と記述されるかもしれない今日の、日本と世界の状況を読み解くための書。

◎著者紹介
西田隆男(にしだたかお):1954年東京都出身。心理学者。公認心理師、学校心理士スーパーバイザー。NPO法人埼玉ダルク理事長、一般社団法人無料塾ココロ理事。現在、地域での中学高校生への学習支援を中心に子ども応援と若者の居場所づくり、および相談業務(カウンセリング、コーチング)の活動をしている。専門:教育臨床、心理療法。主な著書・訳書・論文:『ストレスを力に―セルフコーチング』(知玄舎刊)『思春期の教育相談』(同)、『現代の教育危機と総合人間学』(共著、総合人間学学会)『共依存―自己喪失の病』(共著、中央法規出版)、『JUST FOR TODAY―薬物依存症とはなにか』(編著、ダルク刊)、『当事者研究―新しい自己発見の方法』(編著、知玄舎刊)、『思春期の教育相談30[ズバリ答えます]』(知玄舎刊)『霊性の哲学』(訳書、知玄舎刊)『マインドフルな子育てのためのワークブック』(訳書、同)など。主な論文「思春期の生きづらさへの教育哲学的アプローチ」、「心理臨床から見えてくる思春期のメンタルヘルス」など多数。


●目次

 まえがき――世界はいま第三次世界戦争
第1章 戦争は「物語」の構築から始まる
◎パワースポット「竹寺」
◎いまは「戦時中」である 
◎平和を望んでいるのに戦争が絶えない
 コラム【核保有国9カ国と保有数】 
第2章 作られた「物語」はどう超えればよいのか
◎中学校の国語教科書から
◎「物語」は「印象と解釈」から作られる
◎「ドラミング」はコミュニケーションしようという意思表示
第3章 クラウゼヴィッツの『戦争論』からカルドーの『新戦争』まで
◎戦争の「研究」への機運
◎戦争は文化の制約を受ける
◎政治的取引などなぎ倒してしまう「生存のための戦争」
◎定義できない「新戦争」の登場
第4章 「戦争」は日本では学際的研究
◎「戦争研究」は教育ではタブー視されている
◎「戦争研究」は学際的に行われている
◎「国際政治学」には三つの問いがある
◎軍事費はバイオテクノロジーにも使われる
◎戦争はお金が儲かる
第5章 戦争プロパガンダ
◎「プロパガンダ」とは、もとは「布教」の意味
◎プロパガンダのイメージが、まがまがしくなったのは第一次大戦以後
◎プロパガンダを戦略として使うという学び
◎愚昧な大衆を導く
◎マスコミとは「大衆の頭を統率する」ためのもの
◎パンデミックとは
◎プロパガンダの目的は「世界全体の思想をコントロールするため」
◎「ウソも100回言えば真実になる」
◎広報とプロパガンダーーどうやって不要なものを売りつけるか
第6章 プロパガンダには「型」がある――プロパガンダ10の法則
◎プロパガンダには「型」がある
 コラム【戦時の嘘】 
◎戦争プロパガンダ10の法則
 〈法則1〉われわれは戦争をしたくない
 〈法則2〉しかし敵方は一方的に戦争を望んだ
 〈法則3〉敵のリーダーは悪魔のような人間である
 〈法則4〉領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う
 〈法則5〉意図せざる犠牲をだすことがある。敵は残虐行為に及んでいる
 〈法則6〉敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
 〈法則7〉われわれの被害は小さく、敵の被害は大きい
 〈法則8〉アーティストや知識人も正義の戦いを支持している
 〈法則9〉大義は神聖なものである
 〈法則10〉この正義に疑いを持つものは、裏切り者だ
◎「メディアと教育制度を掌握すればどんな説でも流布できる」
第7章 わずか40日で決着――プロパガンダで戦勝を導いた「湾岸戦争」
◎PR会社がシナリオを書いた
◎「ナイラ」という少女は存在しなかった
◎子どもと動物は大衆の感情を動かすープロパガンダの定番
第8章 自分の目で確認して、自分の頭で考え、常識を疑う習慣をつける
◎戦争の社会構造、五つの条件
◎プロパガンダを見破るリテラシー
 あとがき


◇編集にあたって
 
 本書は、2021年7月10日(土)、埼玉県飯能市の古刹、竹寺で行われた公認心理師・西田隆男先生の講演を収録したものです。
 講演を主催したのは「寺小屋」です。子どもでも大人でも誰でも気軽に参加できる無料の学習会を開催しているグループです。
 スタッフの方によると、「寺小屋」が目指しているのは直接対話による学びで、その主旨は次のようなものです。
  「寺小屋は、子どもと保護者、教員や地域の人たちが集まって、自由に語り合う学びの場です。
 現在、月に1回程度、講師をお招きして『教育』『戦争と平和』『科学』『いのち』などのテーマで学習会を開催しています。
 コロナ騒動の渦中で、子どもたちの学校での行事や学びの機会が失われ、当たり前のように『今』という時間が奪われることに慣れていってしまう中、普段通りに人と人とが直接対話できる機会を作ることが、寺小屋の目指していることです」
  今回の講演タイトルは『戦争とプロパガンダ――作られた[物語]を超えて』で、現在の「新型コロナウイルスによる社会支配」を「第三次世界大戦」と位置付けて、「戦争プロパガンダ」がどう情報操作して人々を操ろうとしているかを第一次世界大戦や湾岸戦争を例に引きながら心理学的視点から分析していくというものでした。
 イベント歴史教育のなかで歴史は暗記ものとして位置づけられていたのが、心理学的視点から「戦争」を分析すると、そこには当時の人々の姿が「支配者」と「プロパガンダされてしまった民衆」として浮かびあがってきました。これまでの知識が崩れ、その裏に隠されていた事実が見えてくるというスリリングな講演でした。
 最後に西田先生は「目の前にある情報を鵜呑みにせず、自分の頭で考える習慣をつけること」とし、それが戦争を根絶する唯一の方法であることを強調しました。
 現在はコロナによって人々が分断され、ひとりで大量の情報と向き合って情報選択をしていかなくてはなりません。「心理学視点」から情報を読み取ることを判断基準のひとつとして活用していただければと思います。
(責任編集者・西田みどり)


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