宮澤賢治の〈哲学する童話〉を旅する[作文・論文 副読本Ⅰ]

  (2019年3月新刊) 

  永淵 閑 Kan S. Nagafuchi 著

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  ■電子書籍: \1,200 (消費税別)
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  ■POD書籍: \1,400 (消費税別)/(A5判183頁 ISBN978-4-907875-89-3)
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 ◎本書について
 作文・論文執筆に際して参考となる国際バカロレア(IB)教員が自ら宮澤賢治を論じた文章作法の実例。

 
本書は、電子書籍を[InDesign]から書き出して完成させる手順を詳細に解説した、初心者・素人にも分かる[Epub3]手引書。[Word]からテキスト抽出する場合の注意点、テキスト編集の仕方、エディタ[Mery]のマクロの使い方、[InDesign]におけるドキュメントの設定方法、[段落スタイル][文字スタイル]の使い方、目次機能の使い方、[Epub3]書き出しの具体的なやり方、[Epub3]解体と編集の具体例による修正の仕方、[opf][css]などの修正方法、[EPUB-Check]の仕方、ビューアーでの点検方法などの電子書籍を書き出す手順のすべてを、具体例を示して解説した実践のための手引書。電子書籍作成の初心者にわかるように、[DTP]編集者の目線で徹底的に解説。

著者紹介
永淵 閑(ながふち かん)
オーストラリアのシドニー在住。東京生まれ、東京学芸大学卒業。主たる仕事はモノカキ。シドニーの大学でライティングを主にした日本語学科元教員。現在、IB授業をシドニーのハイスクールで受け持ち、さらに、IB生のための「IB External Online Class」と、ライティングを勉強したい方の「K式小論文ライティングクラス」を、スカイプを使ったオンラインで開設している。著書:『インドを這う』(立風書房)、『サハラを這う』(立風書房)、『イベリア夢街道』(山手書房新社)、『セミリタイアのすすめ』(文香社)、『「哲学する!」練習帳』(文香社)。以下、知玄舎より発行。『国際バカロレアと点才教育(改題・新訂版)』、『シドニー人間紀行――6人6話の光と影』、『タスマニア「般若心経」思索紀行』、『Zen悟り考 「シドニー無常風」、「インナー紀行」、「悟りと悟る」』、『オテントサマの神話』(シリーズ本)、『シドニー無分別庵便り』(シリーズ本)がある。専門は、鈴木大拙の禅哲学の「悟りとはなんぞや」を基盤に、そこから発展させたフィクション、ノンフィクションの執筆。


◎――――――目次

まえがき――「教員たるものは自ら書くことで見本となす」と考えた
《第一部》宮澤賢治を旅する
Ⅰ 宮澤賢治の「哲学する」生き方――自分を彫琢し作品化した人、の人生と作品にふれる
1:「哲学する」と宮澤賢治
2:人生の主題「祈り」を作品化する
3:書き言葉=思索語を大切にする
4:喜んでもらえる存在になる
5:しっかり生きてしっかり死ぬ
6:全ニホンジンへの遺言
Ⅱ 宮澤賢治その人と作品の特徴
1:花巻の透きとった風と異界=本質世界へのいざない
(イ)「どんぐりと山猫」
(ロ)「狼森(オイノもり)と笊森(ざるもり)、盗森(ぬすともり)」
(ハ)「注文の多い料理店」
(ニ)「鹿(しし)踊りのはじまり」
2:オノマトペで言葉を超えたコトバの世界へ
(イ)「どんぐりと山猫」
(ロ)「月夜の電信柱」
(ハ)「やまなし」
(ニ)『風の又三郎』
3:本質をさらけだすネコの役割り
(イ)「どんぐりと山猫」
(ロ)「注文の多い料理店」
(ハ)「セロ弾きのゴーシュ」
4:妹トシの死と、哀しみと祈り
(イ)トシの略歴
(ロ)4つの詩集から
(ハ)「銀河鉄道の夜」における隠れた主役トシ
(ニ)紀野一義著からトシの死の意味を考える
(ホ)「生きながら死人となりて――至道無難」より死生について考える
5:骨髄液としての無分別宗教心
(イ)鈴木大拙とはそも何者ぞ
(ロ)宮澤賢治と無分別心
Ⅲ 宮澤賢治の人生の主題に焦点をあてて各作品を読む
1:やまなし
(イ)作品の大要
(ロ)作品の主題
(ハ)主題の効果的な描写
(ニ)主題の関連知識
(ホ)主題を哲学する
2:マグノリアの木
(イ)大要
(ロ)賢治の主題と童話の主題
(ハ)主題の効果的な描写
(ニ)主題の関連事項:説話文学と対機説法
(ホ)賢治の主題を哲学する
3:賢治の詩
(イ)妹トシの死の場面での詩
(ロ)トシ死後の賢治の傷心旅行での詩
(ハ)その後の賢治の心境での詩
Ⅳ 宮澤賢治著『銀河鉄道の夜』のコメンタリー
コメンタリー 「銀河鉄道の夜」
序論
本論
1:著者
2:作品の大要
3:著者の人生の主題と「銀河鉄道の夜」の主題
4:主要登場人物の名前の由来と役割と主題の関係
5:タイトル・冒頭部分・結末部分と主題の関係
6:効果的な文学的テクニック「トリックスター」
(イ)トリックスターとは何ぞや
(ロ)大江健三郎著におけるトリックスターと河合隼雄におけるトリックスター
(ハ)遠藤周作著「深い河」、有吉佐和子著「恍惚の人」におけるトリックスター
(ニ)イエスを磔刑に追い込んだトリックスター・ユダの歴史的な使命
(ホ)宮澤賢治著「銀河鉄道の夜」におけるトリックスターのザネリの役割を考察する
結論  筆者の個人的な知見
執筆後の所感
《第二部》参考資料集
Ⅰ:著者による上記関連図書
1:『国際バカロレアと点才教育』
(イ)まえがき
読者対象
特色
各部の要旨
本書の主題・点才教育について
個人的見解
恥ずかしいことながら
(ロ)もくじ
2:『IB国際バカロレア 満点獲得教員の授業メモ』
(イ)はじめに──編集室より
(ロ)もくじ
3:『日本語ライティング』
(イ)まえがき 人生を一編の詩にする
(ロ)もくじ
4:『IB高校生が書いた本  私が11年生・12年生時に書いたエッセイ・コメンタリーを公開します』(著者はIB生、永淵閑 担当教員・監修・解説)
(イ)編集室より
(ロ)まえがき
(ハ)もくじ
Ⅱ 閑塾――作文・論文クラス、IB生クラス、IB教員養成クラス、出版クラス
Ⅲ:著者、その著書
1:著者
2:永淵閑著書
あとがき
謝辞
献辞


まえがき――「教員たるものは自ら書くことで見本となす」と考えた
 
最初に大切な話をします。筆者は小学生のとき作文が苦手でした。生徒は、遠足の後などはかならず作文を書かせられましたが、引率した担任の先生は書きませんでした。筆者は作文の書き方がわからないため、見本となる先生の作文をみたいとおもいましたが、そんな無礼で恐ろしいことは訊けませんでした。筆者の時代の先生は、「思ったまま、見たまま書きなさい」、という指示だけして、あとは何の指導もしてくれませんでした。
 
以前は大学で日本語を教えていましたが、現在、筆者が国際バカロレア(IB)の教員をしていておもうのは、IB生は筆者の書いたコメンタリー(解説文・評論)を読みたいとおもっているのではないか、という想像です。それに応える必要を筆者は感じています。それが本書を書く動機です。その筆者が書くコメンタリーは、作文・論文執筆で悩んでいる小・中・高・大・院生にも役に立つのではないでしょうか。そのため、Ⅰ章、Ⅱ章、Ⅲ章でその下準備をして、Ⅳ章で筆者自身がコメンタリーを書き、公開するつもりです。
 
そして本書執筆以前には、『国際バカロレアと点才教育』、『IB国際バカロレア 満点獲得教員の授業メモ』、『日本語ライティング』、『IB高校生が書いた本 私が11年生・12年生で書いたエッセイ・コメンタリーを公開します(著者はIB生、筆者は監修)』(以上、知玄舎)などを出版し、あるいは監修しました。IB生や作文・論文執筆に悩んでいる方々へ、すこしでもその負担を軽くする本を書き、出版していきたい、と考えたためです。上記の本は、作文・論文をどのように書いたらいいか、を具体的に説明した本です。基本的な文章文法(筆者造語)、論理的な文の書き方、パラグラフ(=段落)のつくり方、全体構成の仕方、個人的知見の述べ方などを、筆者なりに懇切丁寧に説明した本です。
 
ところで、話はすこし脱線します。たとえば、もし子どもが水泳を覚えたいと言ったとき、両親がプールに子どもを連れて行き、「見たまま、思ったまま泳ぎなさい」としか言わなかったら、子どもはまったく上達しないでしょう。専門家のコーチがいる水泳教室に入れるのが普通です。子どもがピアノを習いたいと言い出したら、ピアノの先生に頼みます。家でピアノを買い、「見たまま、思ったまま弾きなさい」、ではまったく上達しないからです。作文・論文などという文章も同じです。作文・論文はことばの世界です。ことばはもっとも論理的な世界です。論理は約束事が基本ですからその基礎から学ばなければまともな文章になりません。
 
作文・論文は、プロの教員につかなければ基本ができません。作文・論文をほとんど書いたことがない教員は教えきれません。水泳の指導やピアノの指導と同じです。IBのコメンタリー(解説文・評論)やエッセイ(小論文・試論)はフォーマルライティングそのものです。西洋では子どもの時から、プレゼンテイションも含め、フォーマルライティングの執筆訓練をさせます。そのため、西洋人の子どもの脳は論理的になります。国際会議などで発言し、討論できるのも、かれらの脳が論理的に訓練されているからです。欧米の大学や大学院で毎週出されるエッセイ(小論文・試論)の宿題も、この論理的な文章や構成がわかっていなければ、日本人留学生はついていくのに苦労します。
 
筆者は、その論理的な作文・論文執筆に役立つ内容を考え、上記でご紹介した数冊の本を書いてきました。そして本書では、上記の拙著をさらに進化させて、執筆の基本的な考え方と、ライティングの元になる基礎的な知識の収集を、Ⅰ章からⅢ章までで公開しています。そしてⅣ章では筆者自身が、綿密なプラニングを立てて、コメンタリー執筆に挑戦しています。このプラニングに筆者は相当の時間とエネルギーをかけます。その結果が「もくじ」です。
 
同様に、筆者が受け持つIB生には、一つの小説、一つのエッセイ、一つの詩歌について、プラニングをしっかりさせて、それからそれぞれ5000字ほどでコメンタリーを書くように話しています。それをIB生は1カ月(8回の授業)で一つぐらいのペースで書いていき、2年弱の間に、計12-15編ほど書き上げます。日本の大学生や院生でも書けないようなフォーマルな論文を十数編書き上げます。その執筆経過と結果については、上記の本に一部掲載してありますので、ご興味のある方はご覧ください。
 
そして、本書「作文・論文副読本Ⅰ」では、読者の興味が持続できるように、20世紀の日本を代表し、100年後、あるいは1000年後も日本を代表するだろう作家の宮澤賢治を選びました。宮澤賢治の童話や詩は、やさしい言葉遣いで書かれているため、日本人の10歳以上なら、どなたでも読むことができます。しかし、内容はとてつもなく深いです。噛みしめれば噛みしめるほど、その味がわかってきます。世界に誇れる日本を代表する作家だと筆者はおもっています。海外でも評価の高い作家です。
 
筆者は読者の方々といっしょに、宮澤賢治の内面への旅、インナー紀行(=哲学する旅)へ出かけ、そこで作文・論文の型を、内容を、考えていきたいとおもっています。筆者自身も、本書を書きながら考え、考えながら書いていきます。あなたが作文・論文執筆で困っておいででしたら、本書の「もくじ」をまずご覧ください。書くということのヒントがそこにあります。さあ、いま、ご一緒に旅立ちましょう。


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