メキシコの伝統音楽   (2018年11月新刊)
    ~ソンとアルパの歌~
早川 智三 著 
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●POD書籍 A5判 220頁 【本文カラー印刷】 2018年11月5日初版発行 定価:(本体2200円+税)
ISBN978-4-907875-81-7 発行:知玄舎 (ご購入はアマゾンのみ。他書店での取扱いはございません)
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メキシコ音楽の「ソン」の歴史と演奏家、魅力と特徴がわかる格好の書。
  メキシコ音楽の「ソン」の歴史と演奏家、魅力と特徴がわかる格好の書。メキシコ音楽はというと、民謡調歌曲「カンシオン・メヒカーナ」、田舎風の歌曲「カンシオン・ランチェーラ」、都会の音楽「ボレロ」、そして舞曲が歌曲化した「ソン=SON」があります。本書は、メキシコ各地で歌い継がれてきたソンに焦点をあてた解説書です。ソンの歴史と伝統、特徴、歌い手、たくさんの楽曲を、著者が丹念に蒐集してきたレコード・CDアルバムの数々を、ジャケットはカラーで表示して紹介。それとともに、ソンの伴奏で活躍しているアルパにも焦点をあて、ソンとアルパの魅力的な名曲、佳曲を紹介・解説。知られざるメキシコ音楽のソンの魅力、軽快なリズムと豊かな叙情、メキシコならではの風土を感じさせる懐かしいアルパと歌の調べが伝わってきます。著者はこれまで、『アルパの調べと歌』『パラグアイ音楽名曲選』『中央アメリカ音楽の旅』を上梓、本書は著者による南米音楽シリーズの4冊目。知られざるメキシコ音楽「ソン」の唯一のガイド書。

◎著者プロフィール
早川 智三(はやかわ ともぞう):1939年、埼玉県に生まれる。1963年、上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業後、(株)日立製作所入社。
1971年から1979年まで中米パナマ共和国の日立セールス・コーポレーションに勤務。その間同社家電製品の販売のため中南米諸国を行脚。帰任後も同社の中南米諸国向けの国際業務に従事。1999年同社退職後はスペイン語の通訳・翻訳、中南米音楽の解説、執筆などを行う。現在さいたま市に在住。著書に『アルパの調べと歌』『パラグアイ音楽名曲選』『中央アメリカ音楽の旅 「ある恋の物語」』(知玄舎)がある。

■目 次

 まえがき
序 章
第1章 メキシコにおけるアルパ発展の歴史
第2章 メキシコの伝統音楽「ソン」
 1.ソン・メヒカーノ(メキシコのソン)の特徴
 2.ソンの演奏で使用される楽器
第3章 メキシコ各地方のソン
 1.SON JAROCHO(ソン・ハローチョ)~ベラクルス地方のソン
【閑話休題】Jarocho(ハローチョ)という言葉
【閑話休題】「レキント」と名のつく楽器
【閑話休題】ウアパンゴ・デ・モンカーヨ
 (1)ソン・ハローチョの代表曲とアルバム
 (2)ベラクルス地方出身の音楽家
 2.SON HUASTECO(ソン・ウアステコ)~ウアステカ地方のソン
【閑話休題】「ウアパンゴ」について
 ⑴ ソン・ウアステコ/ウアパンゴの代表曲とアルバム
 ⑵ ウアステカ地方出身の音楽家
 3. SON OAXAQUEÑO(ソン・オアハケーニョ)~オアハカ州のソン
【閑話休題】La sandunga/La zandunga(ラ・サンドゥンガ)
【閑話休題】ゲラゲッツァの祭り
 ⑴ ソン・オアハケーニョの代表曲とアルバム
 ⑵ オアハカ州出身の音楽家
【補完―1】チアパス州の音楽
【補完―2】チアパス州出身の音楽家
 4. SON GUERRERENSE(ソン・ゲレレンセ)~ゲレーロ州のソン
 ⑴ Tierra caliente(ティエラ・カリエンテ)の音楽
 ⑵ Centro(セントロ)の音楽
 ⑶ Costa grande(コスタ・グランデ)の音楽
 ⑷ Costa chica(コスタ・チカ)の音楽
【閑話休題】「Chilena(チレーナ)」と「Marinera(マリネーラ)」は同じルーツの音楽
【閑話休題】メキシコ生まれのチレーナの曲
 ⑴ ソン・ゲレレンセの代表曲とアルバム
 ⑵ ゲレーロ州出身の音楽家
 5. SON MICHOACANO(ソン・ミチョアカーノ)~ミチョアカン州のソン
 ⑴ Son calenteño de Tepalcatepec(テパルカテペックのソン・カレンテーニョ)
 ⑵ Son calentano del Balsas(バルサス川のソン・カレンターノ)
【閑話休題】Valona(バローナ), Jarabe(ハラベ), Pirecua(ピレクア)
 ⑴ ソン・ミチョアカーノの代表曲とアルバム
 ⑵ チョアカン州出身の音楽家
 6. SON JALISCIENSE(ソン・ハリシエンセ)~ハリスコ州のソン
【閑話休題】マリアッチと言う言葉の由来
 ⑴ マリアッチ・バルガスにみる使用楽器とその変遷
 ⑶ ソン・ハリシエンセの代表曲とアルバム
 ⑷ ハリスコ州出身の音楽家
 7. JARANA YUCATECA(ハラーナ・ユカテカ)~ユカタン州のハラーナ
【閑話休題】Música norteña「ムシカ・ノルテーニャ」(北部地方の音楽)
【閑話休題】Canción (Canto)Cardenche(カルデンチェの詩)
第4章:その他の演奏家とアルパ奏者たち
第5章「メキシコのソン」代表曲を集めて
――SON HUASTECO/HUAPANGO
EL FANDANGUITO「エル・ファンダンギート」
EL QUERREQUE(1)「エル・ケレーケ」(1)
EL QUERREQUE(2)「エル・ケレーケ」(2)
LA HUASANGA「ウアステカの祭り」
EL ARREO「牧場をゆく牛の群れ」
LA LEVA(1)「兵隊さん」(1)
LA LEVA(2)「兵隊さん」(2)
LA LEVA(3)「兵隊さん」(3)
EL SOLDADO DE LEVITA「フロックコートの兵士」
LA HUASTEQUITA「ウアステカの娘」
LA CIGARRA「蝉の歌」
CANASTAS Y MAS CANASTAS[カナスタス・イ・マス・カナスタス]
TRES CONSEJOS「三つの忠告」
【閑話休題】 「この歌に表れる諺」
CIELITO LINDO「シエリト・リンド」
CIELITO LINDO HUASTECO(1)「シエリト・リンド・ウアステコ」(1)
CIELITO LINDO HUASTECO(2)「シエリト・リンド・ウアステコ」(2)
CIELITO LINDO HUASTECO(3)「シエリト・リンド・ウアステコ」(3)
EL BUTAQUITO「小さな椅子」
CIELITO LINDO DE GUADALUPE[グアダルーぺのシエリート・リンド]
――SON JAROCHO
LA BAMBA「ラ・バンバ」
EL SIQUISIRI 「エル・シキシリ」
LA BRUJA「魔法使い(魔女)」
EL COCONITO(2)「かわいい七面鳥」(2)
EL CASCABEL(1)「エル・カスカベル」(1)
EL CASCABEL(2)「エル・カスカベル」(2)
EL TILINGO LINGO「エル・ティリンゴ・リンゴ」
EL PIJUL「つぐみ鳥の歌」
LA TIENDA「よろずや商店」
――SON JALISCIENSE(Canción de Jalisco)
EL BECERRO「エル・ベセーロ(子牛)」
EL TREN「エル・トレン(列車)」
EL RIFLERO「エル・リフレーロ(ライフルマン)」
LA NEGRA「ラ・ネグラ」
――SON MICHOACANO(Canción michoacana)
QUE LINDO ES MICHOACAN「なんと美しいミチョアカン」
EL HUILOTERO「エル・ウイロテーロ(ハト狩人)」
LA BRUJERIA「魔法」
SON DEL RANCHERO「牧場主のソン」
SON DEL VEINTE「20セント硬貨」
――SON GUERRERENSE(Chilena/Gusto)
LA TORTOLITA「ラ・トルトリータ(可愛いキジバト)」
EL BECERRERO「エル・ベセレーロ(子牛飼い)」
CALETA「カレータ」
POR LOS CAMINOS DEL SUR「南からの道を通って」
LA SANMARQUEÑA「サン・マルコスの女性」
――SON OAXAQUEÑO(Canción oaxaqueña)
LA SANDUNGA(1)「ラ・サンドゥンガ」(1)
LA SANDUNGA(2) 「ラ・サンドゥンガ」(2)
LA SANDUNGA (3)「ラ・サンドゥンガ」(3)
LA SANDUNGA(4)「ラ・サンドゥンガ」(4)
LA SANDUNGA(5)「ラ・サンドゥンガ」(5)
LA SANDUNGA(6)「ラ・サンドゥンガ」(6)
LA SANDUNGA(7)「ラ・サンドゥンガ」(7)
LA LLORONA(1)「ラ・ジョローナ(泣き女)」(1)
LA LLORONA(2) 「ラ・ジョローナ(泣き女)」(2)
LA LLORONA(3)「ラ・ジョローナ(泣き女)」(3)
LA LLORONA(4)「ラ・ジョローナ(泣き女)」(4)
LA LLORONA (5)ラ・ジョローナ(泣き女)(5)
LA LLORONA(6)ラ・ジョローナ(泣き女)(6)
LA LLORONA(7)「ラ・ジョローナ(泣き女)」(7)
【閑話休題】ラ・ジョローナ(泣き女)の伝説
CANCION MIXTECA「カンシオン・ミステカ」
DIOS NUNCA MUERE「神は死せず」
NAELA「ナエラ」
――CANCION DE OTRAS REGIONES
LAS CHIAPANECAS「チアパスの娘たち」
 あとがき
[参考文献]

 
 はじめに
 音楽の聴き方も時代とともに変化してきました。大きな変革の時代に入ったと近頃実感しています。音源も随分と変化してきました。レコード(SP、EP、LP)に加えてオーディオ・テープ(オープン・リール、カセット・テープ、デジタル・テープ)の出現、そして今やCD やDVDなどデジタル時代になりました。今まではこれらの音源を高級な再生セットを使って聴いてきましたが、最近はインターネットの普及により音楽の聴き方も変化しているようです。インターネットを通じてYouTubeなど無限の音源を手に入れることができるようになりました。個人レベルのレコード収集ではとても想像もつかないほど大量の音源が飛び交っているのです。そしてパソコンに接続して再生するオーディオセットにも良いものが発売されています。
 これまではレコードやCDを収集してはそれなりのスペースを確保して手元に置いてきましたが、これからは好きな時に好きな音楽をインターネットで取り出して聴くことができる世の中になったのです。今までの収集努力は水泡にきしたのでしょうか?ちょっと残念な気もします。
 この便利になった世の中でどのようにインターネットを活用するか?賢く利用するか?ということが問われることになります。
 好きなアーティストを検索して聴いてみることから開始してもよいでしょう。
 また音楽ジャンルから、或いは好きな曲目から検索を開始してもよいでしょう。
 検索中に今まで聴いたことのない新しい音楽との出会いもあるでしょう。周辺情報もいろいろと出てきますから、どんどん深みにはまって行ってしまいます。
 洪水のように押し寄せる情報の中で時間のロスになってしまうこともあるでしょう。そして本当に聴きたい曲は何なのかを見失ってしまうこともあるかも知れません。
 興味のある国の音楽、例えば「Música mexicana(メキシコの音楽)」と大項目をインプットしてみましょう。You Tubeを始めとして実に多くの項目がでてきます。一項目ずつ開いてみて行くと多くの時間がかかります。
 効率よく自分の意図する音楽を見たり聴いたりするには、ある程度の予備知識が必要になります。メキシコの音楽ならば浅く広くその全貌を予めとらえておくことも必要と考えます。つまりインターネットを利用するに当たりある程度の音楽知識も要求されます。
 また、外国の歌ともなればその国の言葉も学ばないと歌の内容が理解できません。
 自動翻訳作業も進化してきていますがまだまだ完全とは言えません。日本語になっていないケースも多いと思います。AI(人工頭脳)が進化していますが、外国語の翻訳作業は最後まで人間の頭脳に頼ることになるかも知れません。
 とにかく音楽は聴くためにあります。読むものではありません。
 本書がこの新しい時代に音楽を楽しむためのささやかなガイド役となってくれれば筆者のこれに勝る喜びはありません。

 


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