交通事故診療の実際 (2023年3月新刊) 

  ――医療者のための実務知識と患者指導のあり方

   深澤 直樹 著

  医療者のための交通事故診断に必要な知識と患者指導法を解説した実務書。
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  ■電子書籍: \1,760(消費税込)
   2023年4月7日初版発行

  ■POD書籍 : 1,760(消費税込)/(A5判200頁 ISBN978-4-910056-52-4)
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◎本書について
本書は交通事故診療について必要な知識と患者指導のあり方を解説した、医療者(交通事故診療に携わる勤務医やベテラン開業医)のための実務書。交通事故や労災についての細かいルールを体系的に要点をわかりやすく解説しまとめるとともに、患者の指導についてまで言及した、交通事故診療に特化した書。

●正誤表(ページはPOD書籍)

P28 図1、表の最下段、B一時停止後進入の過失割合
   A欄60→40/B欄40→60

p87 行つた→行った

p89 交通事故専用の問診表→問診票
   一般の問診標→問診票

p96 鎮 痛→鎮痛 (半角スペースをトルツメ)

p110 できる場合には14級→できない場合には14級

p140 暖炉はなかなないので→暖炉はなかなかないので

p162  終末→週末

p182 正し医療品ではないので、→但し医療品ではないので

◎著者紹介
深澤 直樹(ふかさわ なおき):医療法人桐の葉会 深沢整形外科院長、1962年4月 群馬県太田市生まれ、1986年3月 金沢大学医学部卒業、1986年4月 群馬大学整形外科教室入局、2003年9月 深沢整形外科開業し現在に至る。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、群馬県自動車保険医療連絡協議会委員、社保審査員、労災審査員、前橋准看護学校非常勤講師。


 まえがき
 
 「交通事故の一括をお願いします」
 「交通事故の患者ですが、警察用診断書は不要ですから」
 「交通事故患者ですが、過失割合が大きいので健康保険でお願いします」

 このような電話が、損保会社の担当者からかかってくることがよくあります。
 私も開業前は、膝グループとして膝の関節鏡視下手術や人工膝関節手術を行い、交通事故や労災などについて勉強することはありませんでした。開業当初も夢中で、深く考えずに、通勤労災患者の交通事故を健康保険に切り替えたりもしていました。その後時間にも余裕がでてきて、何冊かの交通事故関係の書物を読んだり、労働基準監督署に電話で聞いたりしました。
 
 ふとしたことで群馬県自動車保険医療連絡協議会(以下医療協議会)委員に任命され、いつしか先輩医師から「交通事故関連の講演をして欲しい」と言われるようになりました。講演はしたことはないのですが、講演用のスライドをパワーポイントで作成するうちに、いっそのこと本にまとめてしまおうと思いました。
 
 本書では交通事故診療について必要な知識と患者指導のあり方について書いてみました。臨床が忙しいと、交通事故や労災の細かいルールの勉強にまで手が回りません。患者指導についても、内科的な高血圧、糖尿病、高脂血症などはたくさん書物もあるのでしょうが、交通事故患者にどのような指導をしたら良いのかが、なかなかわかりません。
 
 この本が交通事故診療に携わる勤務医はもとより、ベテラン開業医の先生方にも何かの参考にでもなれば幸いです。
 
 最後になりますが、兵庫県のやました整形外科院長の山下仁司先生にはご多忙の中、多くのご教示をいただきました。先生には日頃から交通事故診療に関しましても大変お世話になっており、ここに深謝いたします。
   2023年3月 著者


目次

 まえがき
第1章 交通事故とは
第2章 交通事故に使える保険
第3章 自賠責保険は他人のケガ等への保障
3-1 自賠責保険の補償
3-2 自賠責保険での傷害枠
3-3 自賠責保険「新基準」とは
3-4 自賠責保険の慰謝料について
3-5 自賠責保険の減額
3-6 自賠責保険の被害者請求と加害者請求
第4章 交通事故と労災保険
4-1 労災保険適応のポイント
4-2 休業補償
第5章 交通事故の過失割合
5-1 交差点の事故 一方が一時停止①
5-2 交差点の事故 一方が一時停止②
5-3 直進車と右折車の事故
5-4 注意すべき事故
第6章 損保会社の一括払いとは
6-1 一括払いのデメリット
6-2 健保使用一括とは
第7章 交通事故と健康保険
7-1 交通事故に健康保険は使える?
7-2 交通事故には自賠責保険を
7-3 健康保険の使用は保険証を提示してから
7-4 健康保険使用時の問題点
第8章 人身傷害保険とは
8-1 人身傷害保険の問題点
8-2 健保使用患者への説明
第9章 気をつけたい交通事故
第10章 警察用診断書
10-1 警察への事故届
10-2 警察用診断書と行政処分
10-3 警察用診断書の記載
10-4 人身事故と物損事故の違い
10-5 2通目の警察用診断書
10-6 加害者からの警察用診断書への苦情
10-7 診断書の即日発行
10-8 頚椎捻挫か頚部挫傷か
10-9 人身事故証明書入手不能理由書
10-10 診断証明書
第11章 政府の補償事業
第12章 共同不法行為
12-1 異時共同不法行為
第13章 医業類似行為
13-1 柔道整復師
13-2 鍼灸・マッサージ
13-3 カイロプラクティック
第14章 自賠責「新基準」で可能な算定基準
14-1 救急医療管理加算
14-2 再診時療養指導管理料
14-3 労災診療費算定基準
14-4 外来管理加算の特例
14-5 四肢加算
14-6 労災における3部位と3局所
第15章 初診時診察
15-1 問診票
15-2 所見
15-3 画像評価
15-4 血液検査
15-5 治療
15-6 子供さんの治療
15-7 漢方薬
15-8 保険適応外医薬品
第16章 初診時説明
16-1 治療目標の説明
16-2 初診終了時
第17章 再診時診察
第18章 毎月の請求
18-1 自賠責様式の経過診断書
18-2 経過診断書の書き換え依頼
第19章 損保会社からの医療照会
第20章 治療中断患者への対応
第21章 後遺障害
21-1 健康保険使用での後遺障害診断書
21-2 接骨院通院後の後遺障害診断書
21-3 後遺障害は何度ももらえるのか
21-4 後遺障害診断書の記載の仕方
21-5 後遺障害等級の確認
21-6 後遺障害非該当例
21-7 十分な通院歴のない場合
21-8 自賠責推移表のトラブル
第22章 医療協議会
第23章 治療に対する基本的事項
23-1 基礎が大切
23-2 自らの努力が必要
23-3 毒には勝てない
23-4 牛は褒めたときにしか乳を出さない
23-5 時間を無駄にしない
23-6 エネルギーを無駄にしない
23-7 プラス思考が大切
23-8 絶望は最悪の薬
23-9 過去は忘れる
23-10 物事は適量
23-11 正しい努力をする
23-12 物事にはふさわしい時期がある
23-13 敵を知り己を知る
23-14 考えてから行動する
23-15 泣いて治る病気も、怒って治る病気もない
23-16 量より質
23-17 精一杯の努力をする
23-18 無駄を省く
23-19 薬の役割
23-20 自信を持つ
23-21 リフレッシュも必要
23-22 火は小さいうちに消す
23-23 死を忘れてはいけない
23-24 寝た子は起こせるが、寝たふりをした子は起こせない
23-25 怒った患者さんへの対応
23-26 治療に対する医師の態度
第24章 再診時の指導・助言
24-1 症状改善時
24-2 症状悪化時
24-3 症状不変時
第25章 再診時療養指導
25-1 食事
25-2 運動
25-3 睡眠
25-4 患肢挙上
25-5 入浴
25-6 呼吸法
25-7 生活態度
25-8 喫煙
25-9 飲酒
25-10 音楽
25-11 テレビ
25-12 読書
25-13 勉強
25-14 枕
25-15 仕事
25-16 人間関係
25-17 指導の実際
 ○――付録
 ○――巻末資料
 ○――参考文献

 


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