●[DTP]から[Epub3]現場で使える実践備忘録
──神エディタ[Mery]で変わる[電子書籍]初心者のための
[InDesign]作成の[肝]と[css]たたき上げ編集秘録 (2019年2月新刊)
奈良野 英介 著
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■書店販売書籍:なし
■電子書籍: \3,000 (消費税別)
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■POD書籍: \3,000 (消費税別)/(A5判226頁 ISBN978-4-907875-88-6)
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◎本書について
[InDesign]から[Epub3]を書き出すための手順を原稿整理の段階から詳細に解説した初心者のための手引書。
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・ | 本書は、電子書籍を[InDesign]から書き出して完成させる手順を詳細に解説した、初心者・素人にも分かる[Epub3]手引書。[Word]からテキスト抽出する場合の注意点、テキスト編集の仕方、エディタ[Mery]のマクロの使い方、[InDesign]におけるドキュメントの設定方法、[段落スタイル][文字スタイル]の使い方、目次機能の使い方、[Epub3]書き出しの具体的なやり方、[Epub3]解体と編集の具体例による修正の仕方、[opf][css]などの修正方法、[EPUB-Check]の仕方、ビューアーでの点検方法などの電子書籍を書き出す手順のすべてを、具体例を示して解説した実践のための手引書。電子書籍作成の初心者にわかるように、[DTP]編集者の目線で徹底的に解説。 |
著者紹介
奈良野 英介(ならの えいすけ):
昭和24年埼玉県生まれ。男性。出版社にて雑誌、書籍の編集を経て独立。取材、撮影、執筆、DTPデザインなどマルチに活動する編集者、出版プロデューサー。
◎――――――目次
まえがき
第1章 テキストデータと[Word]取り込み──簡単ではないその理由
◎[Word]からテキストを取り込む
◎[Word]データを直接[InDesign]にとりこまない理由
◎[Word]からテキストデータ取り込みで起こる問題
◎テキストデータの種類
◎テキストデータとバイナリテキストデータの違い
◎[Word]からテキストを抽出する場合の注意点
◎[Word]テキスト抽出前に実行すべきこと
◎[Word]でフィールドコードを表示させる
◎[Word]でどこにあるかわかりにくいルビを検索する方法
◎[タグ]の代用となる記号の使い方の参考例
◎[Word]互換ソフトでテキスト抽出を行う場合の問題
◎[Word]から抽出したテキストの保存のポイント――Unicodeで保存すること
◎原稿をテキストファイルに保存する時の編集のポイント
◎画素単位[px=pixel(ピクセル)]と解像度[dpi(ディーピーアイ)」とは?
◎[RGB]画像と[CMYK]変換とは?
◎[Word]テキストの曖昧な問題の整理
◎インデント1字下げは全角スペースを推奨
◎[Word]に振られた「ルビ」をそのまま生かす方法
第2章 神エディタ[Mery]驚異のマクロとテキスト編集の有用性
◎神エディタ[Mery]の驚異的高機能
◎正規表現とは、特殊な条件でさまざまな検索を実現
◎【参考】正規表現のメタ文字(すべて半角)
◎[Mery]による具体的編集の仕方
◎横組の場合の英数字等は半角に統一を推奨
◎縦組の場合の数字はまずは全角に統一、その後、2桁は半角に、または算用数字は漢数字に
◎縦組の場合の手順
◎全角でも[縦中横]設定が必要な記号数字
◎簡易機械校正――たとえば一太郎
◎テキストの比較ができるエディタ
◎[Mery]でできるもう一つの特別な驚異的技=総ルビ自動入力
◎[Mery]総ルビマクロの使い方事例
◎文字列化したルビ付きテキストから自動でルビを振る[InDesign]スクリプト
第3章 電子書籍[Epub3]を書き出す[InDesign]CS6の問題点
◎そのままでは使えなかった[InDesign]CS6[Epub3]
◎[DTP]編集者には高いハードル電子書籍の仕組み
◎タグ文書に[css]──チンプンカンプン謎だらけ
◎DTPの設定が電子書籍でことごとく無効──に悩んで数ヶ月
◎素朴な疑問がどこにもみつからない、マニュアル本の数々
◎しかしなぜ[InDesign]で空行を書き出せないのか?
◎問題1「行間<br/ >タグはどうしたらいい?」
◎問題2「改頁・ページ分割はどうしたらいい?」
◎[Epub3]書き出しの肝――それは[段落スタイル]だった
◎印刷・POD[DTP](InDesign)から書き出す電子書籍の戸惑い
◎[Epub3]書き出し成功の秘訣[段落スタイル]と[文字スタイル]
第4章 [Epub3]のための[InDesign]の要[段落スタイル]と目次機能
◎テキストデータ(Unicode)の全てを一つに連結して準備
◎[InDesign]に流し込んだらテキストを全選択し[段落スタイル]を適用
◎電子書籍作成で極めて重要なのが[ファイル名]の付け方
◎最初に行うべき[段落スタイル]の設定を全文に適用
◎[ページ]パレットで全ページをオープン、テキスト流し込みを完了
◎書き出される[段落スタイル]の中身[css]
◎文書の構造化と[段落スタイル]パレットの活用
◎[hタグ]の設定で守るべき順番(重要)
◎[タグ][クラス]の使い分けで目次の書き出しトラブルを回避
◎[Epub3]書き出しで必須の[InDesign]目次機能の使い方「レベル設定に要注意」
◎[InDesign]目次機能で書き出した[目次のフレーム]は[本文フレーム]とは別
◎[Epub3]本文目次にはリンク機能が必要なわけ
◎[タグ]の設定で守るべき、目次出力とありがちな間違い(重要)
◎[段落スタイル]における「スタイル名]と[タグ][クラス]の編集
◎書き出し[タグ]編集
◎[文字スタイル]の設定
◎縦組の場合の[縦中横]の[文字スタイル]と算用数字の半角全角の注意点
◎縦組で、縦中横設定が必要な全角記号(再度の説明)
◎ルビ設定と[文字スタイル][段落スタイル]の解除方法
◎算用数字――横組は半角、縦組は全角──DTP前にエディタで調整
◎算用数字――縦組での半角英数[縦中横]設定の注意点
第5章 画像、外字、罫線、特殊デザイン処理、メタ情報と[Epub3]書き出し手順
◎画像(図版・写真)配置の解像度やピクセルの注意点
◎画像のキャプション処理(ちょっとやっかい[Epub3]で一番困る問題のひとつ)
◎画像の配置とアンカー付け
◎作表の配置の場合
◎画像を配置した場合のビューアー表示の問題
◎フォントにない絵文字や作字、外字の作成
◎外字・作字・絵文字等画像データ(フォントサイズ)の挿入
◎外字(画像)を挿入した場合の[css]の設定ポイント[width:1em]
◎外字のframeのサイズの数値を変更する理由
◎章扉をデザイン処理したい場合
◎画像を表示するために、テキストを非表示にする[css]設定
◎縦組で、テキスト(章タイトル等)を左右センターに配置する方法
◎罫線、囲み等──罫線フォント代用と<div>活用
◎レイアウト、ページ立ての点検
◎見開きビューアーで、見開き表示・片起こし表示させる方法
◎ページ表示左右ページ指定[OPF]への追記方法
◎[Epub3]ページを自由に分割させる方法とトラブル
◎[Epub3]書き出し最後の重要なメタ情報[ファイル情報]
◎カバーデータを、2種類のJPEG画像で準備
◎[InDesign](CS6)から[Epub3]の書き出し実行手順
◎[Adobe Digital Editions]ビューアーで書き出しチェック
第6章 書き出された[Epub3]の編集から再構築、そして[EPUB-Check]
◎[Epub3]書き出し後の編集手順
◎[Sigil]で編集する──便利だが、内部構造が変わり互換性に注意
◎[Epub3]の一般的編集方法の手順
◎[InDesign]で書き出した[Epub3]の拡張子を圧縮ファイルに書き換え、解凍
◎解凍したファイル内の[OEBPS]を展開
◎[css]設定ファイルの編集([InDesign]CS6からの書き出しを前提)
◎[InDesign]が書き出した本文フォントの色に注意
◎[文字スタイル]の設定
◎画像の配置設定
◎[InDesign][css]の不必要な記述
◎[content.opf][toc.ncx][toc.xhtml]の編集
◎本文*****.xhtmlのすべてを編集
◎具体的な編集の流れ──[InDesign]の余分なタグを削除
◎縦組、章扉ページ「タイトル」をページ左右のセンターに縦表示さける方法(復習)
◎横組、章扉ページ[タイトル]をページ上下のセンターに横表示さける方法
◎本文[xhtml]の編集例
◎Unicode対応エディタ[Mery]で行うポイント
◎段落ごとに罫囲みや背景に色をつける方法
◎[Epub3]編集のポイント1──本文巻頭部分
◎[Epub3]編集のポイント2──本文目次(リンク機能)2つの方法
◎[Epub3]編集のポイント3──本文編集
◎[Epub]ファイルの再構築
◎[EPUB-Check]ダウンロードとバッチで実行させる方法
◎[Epub3]の検証[EPUB-Checker 4.02]
◎ビューアーでの動作確認──[Epub3]作成最終確認
第7章 電子書籍のスタイルをコントロールする[css]の補正・修正と書き足し備忘録
◎[css]巻頭部分、横組と縦組で異なる[body]設定
◎文字段落、縦組書き出しの間違いを訂正
◎文字スタイルと不要な設定
◎画像フレームとライン表示の仕組み
◎テキストセンター配置の方法
あとがき
まえがき
本書は、電子書籍を[InDesign]から書き出して完成させる手順を詳細に解説した、初心者・素人にも分かる[Epub3]手引書です。書籍編集では[Word]等から[DTP]に取り込む前の原稿整理も重要なので、[InDesign]での編集効率を高めるエディタ[Mery]の使い方についても詳説しました。著者である私は、活版の時代から激変の一途をたどった印刷環境の中で編集に携わってきました。今は[InDesign]中心の[DTP]編集で書籍や冊子、デザインを行っています。
[DTP]作業の他に手がけたのは、ホームページ制作、[CGI]によるウェブシステムの構築、リナックスウェブサーバーの設置などがあります。これらは、簡単ではありませんでしたが、手引書どおりにやれば、専門知識が不足していてもなんとか実用にもっていけるものでした。
しかし、私が一番苦労をしたのは、[InDesign]から電子書籍を書き出し完成させる手順でした。[Epub3]が電子書籍の統一的な基本スタイルと言われるようになった年から[InDesign]に[Epub3]の書き出し機能があることを知り、市場に流通できる[Epub3]データの作成に取り組みを始めました。そのために、まずは手引書を何冊か準備し、手引に従い電子書籍の書き出しをしてみました。結果は、データがガタガタになったり、バラバラになって無残なものでした。手引書を見直し、ウェブもあれこれと調べ、何度もやってみましたが、なかなか先が見えてきません。
最初に引っかかったのは、[InDesign]で設定した行間、空行がすべて無効になってしまうことでした。そればかりか、改頁機能も無効でした。電子書籍ビューアーでは、ぎっしゃと文字が詰まったなんとも読みにくいものにしかなりませんでした。途中に挿入した写真等の画像は、後のほうに固まって追い出されている始末。これは手引書から、アンカー付けをすればよいこととして解決しましたが、依然として空行、改頁はどうすればよいのか分かりませんでした。
ウェブであちこち探していると、私と同じ問題で悩んでいらっしゃる方のブログから、空行表示の解決方法がわかりました。それはあくまで仮処理でしたが、そこからやっと、長い長いトンネルから這い出ることができました。[InDesign]で設定した空行が電子書籍で再現できないという素朴な問題の解決まで、1~2ヶ月ほどかかりました。改頁も同様です。[InDesign]の設定が電子書籍ビューアーで再現できないのは、根本的に表示のシステムが違っているからのようです。
ことほどさように、[DTP]と電子書籍とは、仕組みが著しく異なっていました。つまり、[DTP]で培った編集知識は、電子書籍では何の役にも立ちませんでした。それはいきなり言葉が通じない異国に投げ出された異邦人の旅行のようなものです。見るもの聞くもの知らないものばかりで、相談しようにも言葉が通じません。
そこではこんな問題に遭遇しました。
・電子書籍を書き出すには[InDesign]のドキュメントはどう設定すべきか?
・フォントの設定はどうするのがよいか?
・改行、空行を表示させるにはどうすればいい?
・改頁はどうすればできるようになる?
・段落の全体を字下げするにはどうする?
・インデント(段落1行目)を設定するには?
・画像のサイズや種類は? 適切に配置するにはどうする?
・表組はそのまま使えない? どうしたらいい?
・画像等のキャプションはどうすればいい?
・書き出しで出てくるメニューにはどんな意味がある?
・書き出した[Epub3]はどう分解する?
・分解した[Epub3]は、どこをどのように編集する?
・[css][opf][toc]そして[xhtml]ってどんな関係?
・[EPUB-Check]はどう使う? コマンドプロンプトって、どう使う?
・エラーが出たが文字列が膨大で頭が真っ白、どうすればいい?
・作ったデータをビューアーで検証する方法は?
手引書には、これらに対する方法が書いてあるものもありますが、そのままやっても上手くいかないものも多く、結局これらの問題を解決するには、あちこちいろいろなところから、一つずつ方法をかき集め、実験をしてできるかどうか試してから、使えるものだけを手許に残し、作り上げていくしかありませんでした。
しかし、何度も何度も失敗を繰り返していくうちに、やっと[InDesign]における[Epub3]書き出しをスムーズにできる編集の仕方のポイントを掴むことができました。
そこから漸く、市場流通できる電子書籍[Epub3]を制作できるようになりました。
書籍には、小説やエッセイ等テスキト中心の読み物もあれば、段落階層が何層にもなる複雑な論文や解説書等もあります。小説など文字が中心で見出しがシンプルなものは、電子化も簡単ですが、階層が入り交じっていて、しかも文書中にルビや圏点、アンダーライン、図表、写真などが多用されているコンテンツとなると、[InDesign]の[DTP]で大変になる以上の大変さが電子化に求められます。
しかし、そんな複雑で大変なコンテンツに際して、電子化を見据えて[InDesign]でどう処理するかに苦心してきました。そしてその都度、電子化の技術や知識を一つひとつ、ものにすることができました。数をこなすことで、できないと思っていたことが、できるようになって行くのは愉快で嬉しいことでした。[InDesign]取り込み前のエディタ編集では、[Mery]というエディタで総ルビを自動で振ることができることを知り、小躍りするほどびっくりしたものです。
こうして私の手許には、[InDesign]と[Epub3]に関するいくつものテクニックの記録が残りました。また、本書を書きながら、[InDesign]でも[Epub3]においても新しい使い方をいくつか発見もしました。
さて、本書で詳しく説明しますが、電子書籍作成の手順の概要を書き出してみます。
1)原稿をテキストデータで準備([Word]から[Mery]活用)
2)[InDesign]でドキュメント設定してテキストを取り込む
3)段落[パラグラフ]を整えつつ(優先事項)DTP組版
4)目次は、[InDesign]目次機能で作成(必須)
5)[ファイル情報]に書誌データを記述
6)カバー(表紙)を別途デザインしJPEGで電子書籍用に準備
7)[Epub3]を適切に設定して書き出し
8)書き出された[Epub3]ファイルを分解
9)分解した[OEBPS]内の各ファイルを適正に編集([Mery]を活用)
10)[Epub3]として再構築
11)[EPUB-Checker]で適正化の確認
12)[Epub3]ビューアーで表示の確認
本書は、このようにして私が掻き集め、発見してきた[InDesign]と[Epub3]に関するさまざまな使い方をまとめた備忘録、手引書です。[DTP]編集者の立場で、電子書籍が初めての方に理解できように努めて書いたつもりです。著者自身は、電子書籍の世界は全くの素人として取り組んできました。今でも分からないことがたくさんあります。しかし専門的に知識がなくても、一つひとつ調べていけば、だんだんと何をどうすればよいかが分かってくるものです。そんな素人であり、初心者の立場で取り組んだ得たものを、本書に認めました。この書は、じつは自分自身のための[Epub3]備忘録なのです。素人の書き物ですが、少しでもお役にたつことがありましたら幸いです。