にっぽんの敗けっぷり

   ――マッカーサーと安藤明  (2018年8月新刊)

   安藤 眞吾 著
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  ■POD書籍: \1300 (消費税別)/(A5判172頁 ISBN978-4-907875-75-6)
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 ◎本書について
 本書について/マッカーサー元帥と渡り合い敗戦から見事な復興を成し遂げた日本の道筋をつけた英雄、安藤明の物語。

日本が世界大戦の敗戦を受け入れた昭和20(1945)年8月15日、日本を占領統治する連合国軍総司令部(GHQ)の総司令官マッカーサー元帥が無事に厚木に降り立ったのが8月30日。この歴史的表舞台の背後には、敗戦を受け入れない不穏な動きが渦巻いていた。その一触即発の混乱を抑えた、一人の男の驚くべき働きがあった。この男はさらに日本の運命を左右する、昭和天皇とマッカーサー元帥との会見の実現にも奔走した。さらには日本の経済復興のためにGHQとの間で暗躍し、そのために投獄の憂き目を見たが、その真相は伏されたままだった。本書は、敗戦後の日本を今日の繁栄に至る道筋を付けた、その男の偉大なる功績を明らかにする。その隠れた英雄の名は「安藤明」。歴史の裏舞台で、天皇を護持する国体を護り、GHQの要人やマッカーサー元帥と渡り合った、歴史の表舞台に登場しない豪傑。安藤明は、にっぽんの敗けっぷりの見事さを語るにかかせない、偉大なる日本人の一人だった。

◎著者紹介
安藤 眞吾(あんどう しんご)……昭和9年(1934)2月東京生まれ。昭和31年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。昭和44年安藤製作所設立。川口市在住。著書:「昭和天皇を守った男」平成19年3月幻冬舎、「マッカーサーの誤算」平成27年7月、「インド紀行」日印協会など。


●目次

 はしがき 
第1章 運命の厚木事件
◎マッカーサーの賭け
◎緑十字の白い軍用機
◎厚木基地での反乱事件
◎クーデターの声明文
◎緊急命令
◎安藤の豪邸
◎小園司令罷免
◎厚木基地へ到着
◎小園の拘束
◎小園裁判
◎バトンタッチ
◎深夜の緊急会議
◎5百万円也
◎新明国上教会
◎緊急作業の見積書
◎厚木に集結
◎反乱軍
◎佐藤到着
◎作業開始
◎深夜の突貫工事
◎神風は吹く
◎厚木空神社
◎作業完了
◎先遣隊が無血で進駐
◎最後の感謝状
 第2章 運命――奇縁の人
◎天皇国体護持
◎フィッシャー大尉
◎事業の支援者
◎高松宮
 第3章 天皇とマッカーサーの会見
◎会見特使
◎会見実現
◎会見の真相
◎佐藤栄作元総理の証言
◎ワシントンとの抗争
◎天皇訴追の背景
 第4章 大安クラブ
◎大安クラブ創設
◎クリスマス・パーティー
◎決死の談判
◎天皇国体の護持は……
◎マーク・ゲインの証言
◎高松宮邸への案内(安藤と会見した2日後)
 第5章 マッカーサーの決断
◎天皇人間宣言
◎マッカーサーの極秘電報
◎マッカーサー憲法
◎極東国際軍事裁判
◎朝鮮戦争
◎警察予備隊(自衛隊)
◎講和条約
◎マッカーサー元帥解任
◎爆弾演説
◎マッカーサーの大戦経緯
◎マッカーサーの誤算
◎アインシュタインの予言
 第6章 凋落
◎安藤逮捕
◎拷問
◎判決
◎獄中日記
◎面会人
◎その報酬
◎ウイロビー准将の謝辞
◎倒産、凋落
◎安藤の半生記
 第7章 最期
◎天女
◎安藤の秘密とは
◎最期
 あとがき


  
 はしがき 
  
 先の大戦は、昭和天皇の聖断によって、昭和20年(1945)8月15日に終戦となった。
  
 敵に占領されて、日本国は亡くなるのか? 存続されるとしたらどうなるのか?
 天皇国体は廃止されて、共和国になるのかもしれない。いずれにしても,建国以来の危機に直面していた。 
 幸い日本は、奇跡的に占領時の危機を脱してからは、あらゆる苦難を乗り越えて、世界有数の先進国の一つとして発展してきのでした。
  
 最近私は、世界的アンケートで「自国を誇りに思うか?」との質問の結果を観ると、日本は先進国中で最下位という情報に接し、大きな驚きと落胆を感じたのであります。
 いわゆる、日本人に潜む自虐史観は、心底に根強く残っているのだろうか?
 発展を続けていても、誇りは持てない……
 日本が、さらなる発展を続けるならば、誇りを回復し、輝ける国造りに励まなくてはならないと感じたのであります。
  
 そのためには、自虐の根幹である悲惨な敗戦時にあっても、奇跡的な光明が輝いていたという史実を、ぜひ知ってほしい。
 そこには国の危機を救った、ある男の歴史的な快挙があったのであります。
  
「にっぽんの敗けっぷり」と、いささか奇異な表題ですが、そこでは、胸のすくような史実が展開されて、敗北という屈辱の中にも、輝ける「敗けっぷり」があったのです。
 これを知ってこそ、日本人の誇りが喚起されると信じています。
  
 戦時中は、鬼畜米英と嫌われてきた敵国の将軍マッカーサー元帥が、日本に上陸し、今日の日本の再興に尽くしてくれたことは、広く知られています。
 実は、そのマッカーサーは、占領当初の政策を変更する決断をしたのでした。
 そこには、そのマッカーサーを動かした「運命の男・安藤明」の存在があったのです。
  
 安藤明は私の実父であります、
 政治家でも軍人でも役人でもない、民間の一事業家ですが、ただ運命の大河の中に、利を求めず、一身を投じていった結果が、マッカーサーを動かし、日本国救済の原動力となっていったのです。
  
 私の拙著「昭和天皇を守った男」安藤明伝 2007年 幻冬舎刊 では、安藤の功績と,半生記を中心に紹介してまいりました。
 この度の執筆には、マッカーサーと安藤との関わりから、新生日本の黎明が現れ、敗戦国日本の底流に、輝ける誇りが存在していたことを、知っていただきたいとの願いがら、始めたものであります。
  
 私は、青春時代まで父と生活を共にし、その後、遺された父の手記や記録を基に、執筆をいたしました。
 したがって、本書は史実であってフィクションではありません。
 父の遺影の前で、父と語りあい、感動し、時には涙しながら執筆した日々でした。
  
 さて、本書の執筆中、国会では、戦後初めて憲法改正が審議されようとしております。
 そこで本書によって、現日本国憲法が、マッカーサー憲法とも呼ばれる理由が、見えてきます。
  
 マッカーサーは、当初に予定していた戦闘状態での日本本土上陸戦略が、予想外の無血進駐となった誤算に続き、天皇とのトップ会談から、占領政策を変更して、天皇擁護の政策へと、変換していくのでした。
 そのために、憲法草案の3原則を作成したのでありました。
  
 ――以下略――