タマムシの生態と飼い方
 ――環境が悪いと長生きするヤマトタマムシの研究
 〈統合版〉  (2017年9月新刊) 

  芦澤 七郎 著

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  ■電子書籍: \1000 (消費税別)
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  ■POD書籍(写真フルカラー): \1,500 (消費税別)/(A5判144頁 ISBN978-4-907875-46-6)
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  ■お断り:本書の発売に伴い、2014年8月の『タマムシの飼い方――夏、タマムシを捕まえたら、すぐ役に立つ!』ISBN978-4907875060は、
   全内容を本書に統合したため、電子書籍、POD書籍共に発売を中止しました。

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 ◎本書について
 聖徳太子の時代からその羽根が珍重されてきたヤマトタマムシの飼育に成功し、生態を捉えた記録。タマムシ研究唯一の書。

 
古来から装飾用に使われてきたのが、甲虫目の昆虫・玉虫(ヤマトタマムシ)の羽根。法隆寺の「玉虫厨子」や新羅時代の古墳皇南大塚の「玉虫馬具」を装飾するために使われて来たことが知られています。緑色に見える羽根は、光の角度によって色が変化し、きらびやかな美しさが珍重されてきました。「玉虫色」という呼び方が伝わっています。それは、羽根が経年変化に強く堅牢で長持ちするからです。しかし、タマムシの生態は意外と知られていませんでした。そのタマムシを、実際に手さぐり状態から飼育し、成長させることに成功した貴重な記録をもとに、どうすれば上手に飼育できるかを、誰でもできるように、わかりやすく解説したものです。本書は著者がこれまで上梓したタマムシについての三書の内容を整理し一冊に編集した統合版であり、タマムシ研究の唯一の書です。

◎種本:『マムシは環境が悪いと長生きする』(2006年、東京図書出版、ISBN978-4862230065)および『千年の輝き――ヤマトタマムシ生育の秘密』(2011年、知玄舎、ISBN978-4434157356)ならびに『タマムシの飼い方――夏、タマムシを捕まえたら、すぐ役に立つ! 』(2014年、知玄舎、ISBN978-4907875060)、以上の3書を整理し1冊に編集した統合版。

著者紹介
芦澤七郎(あしざわ しちろう)
 昭和7年富士市に生まれる。明治大学卒業。
 平成元年玉虫の飼育を始める。
 平成16年30年続けた印章店を廃業。
 平成17年玉虫研究所を設立。
 平成18年韓国からの要望により玉虫標本1000匹を寄贈。
 平成19年韓国で玉虫馬具の複製完成、除幕式に招待される。
 平成24年工房「タマムシの里」開業(〒426―0023静岡県藤枝市駅前3~9~11、
 電話:054―644―9030、E―mail:tamamushi@vc.tnc.ne.jp)。玉虫アクセサリーなどを専門に制作。
 著書:『タマムシは環境が悪いと長生きする』東京図書出版、2006年、
     『千年の輝き――ヤマトタマムシ生育の秘密』知玄舎、2011年、
     『タマムシの飼い方――夏、タマムシを捕まえたら、すぐ役に立つ!』知玄舎、2014年


目次
 推薦文
 序 文
 第1章 タマムシ(ヤマト玉虫)とは?
 1、花嫁とヤマトタマムシ
 2、タマムシのすがた
 3、タマムシとの出会い
 4、タマムシが飼えないだろうか
 5、飼えないと思われてきた理由
 6、ヤマトタマムシってどんな虫
 第2章 タマムシの飼い方研究
 7、タマムシを飼う前に
 8、タマムシを捕まえたら
 9、虫かご=飼育容器
 10、タマムシを飼う
 11、玉虫色の美しさの秘密
 12、タマムシが産卵しない
 13、産卵させるには
 14、自然のタマムシを観察しよう
 15、自然のタマムシに産卵させて育てる
 16、交尾から産卵の留意点
 17、卵を産んだ木の置き場所
 18、幼虫の割出し
 19、飼育2年目に産卵に成功!
 20、タマムシの幼虫
 21、成虫になる段階
 22、タマムシを殖やしたい
 23、タマムシが卵から2年で成虫に!
 24、タマムシが卵から1年で成虫に!
 25、タマムシの天敵
 26、エノキにタマムシが群がっていた
 27、タマムシの幼虫の住まい
 28、タマムシが足の吸盤に困った話
 29、ヤモリの脚は吸盤がなくても吸い付く
 30、タマムシの日常生活
 31、タマムシは環境が悪いと長生きする
 32、タマムシ水死事件
 33、タマムシの死
 34、タマムシは害虫か益虫か
 35、タマムシには肺がない
 36、ヤマトタマムシの複眼の中の個眼を数えた
 37、幼虫を室内で飼う
 38、幼虫が成虫になった
 39、人工飼育のチップ
 第3章 タマムシについての雑録
 40、タマムシの種類
 41、玉虫は縁起が良い
 42、タマムシは害虫ではない
 43、タマムシの工芸装飾品
 44、タマムシでアクセサリーを作る
 45、法隆寺の国宝「玉虫厨子」
 46、玉虫厨子の玉虫はどこに
 47、玉虫厨子の屋根の特徴
 48、『和漢三才図会』より「たまむし」の項
 49、玉虫雑記
 あとがき



 序 文
  
 タマムシの飼育について、私の知る限りまとまった記録がないようなので、飼育中にわかった素朴な発見や驚きをそえて書いてみた。
 タマムシについてあまり知られていないだろうことを幾つか挙げてみると――、
 まず、飼育方法がわかったこと。
 次に足に吸盤があること。吸盤の大きさはほぼ円形で、直径1ミリメートル以下だが役に立っているようだ。
 更に、水に落ちて水死しても生き返ること。
 また、生きている間、水を飲まないし蜜もなめないこと。
 幼虫のとき、環境が悪いと長生きすること。
 産卵を確実にさせる方法がわかったこと。
 自然界で3年かかる幼虫期間を短縮できたこと。
 虫が好きな人ならば、タマムシ(ヤマトタマムシ)を誰でも飼えるようにと、なるべく具体的に書いたつもりである。しかし、まだ解らないところが多いが、マイペースで少しでも観察さえしていれば、解ることが増えるに違いない。
 ヤマトタマムシしか飼ったことがないので、ヤマトタマムシ以外のことは残念ながら全くわからない。
  
 【玉虫色について】 
 玉虫色という言葉がよく使われる。これは同じ玉虫でも見る角度や光線によって違って見えることから政治的な決着の表現に使われたりする。与党野党の異なる主張をまとめるときなど、自党に都合の良い解釈でまとめるときなどに都合が良いかもしれない。良くないような意味合いで使われることがあるが、実は素晴らしい言葉だと私は思っている(多分、少数派でしょうね)。

芦澤 七郎

  


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