論理的文章作法〈帰納法・演繹法・弁証法で書く〉――〈型〉で書く文章論  (2017年10月新刊) 

  西田みどり 著

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  ■POD書籍: \1,800 (消費税別)/(A5判カラー168頁 ISBN978-4-907875-55-8)
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 ◎本書について
 説得力のある文章の書き方をわかりやすく教えることで知られている著者(文学博士)の最新の講義をまとめた書。

 
文章の書き方で知られている文学博士の著者が、大学の講義で行っている最新の文章論。分かりやすく説得力のある文章を手早くスムーズに論理的文章を書くにはどうしたらいいか? 必要なものは三つ、明快な意見が述べられ、論拠が客観的な事実で示され、論理的に展開されること。論理的な思考法には帰納法、演繹法、弁証法の三つ。帰納法とは共通点から結論を導き出すこと。演繹法とは論を順に積み上げて結論を導くこと。弁証法とは肯定と否定の対立から新たな論理を見いだすこと。本書は、論理的に文章を書くにはどうすればよいかを解説。論理的文章を書く上で必須の帰納法・演繹法・弁証法の三つによる文章展開の方法を、それぞれ基本と応用文書を示すとともに例文、図解、演習を駆使し、詳細にていねいに分かりやすく解説。現在、数冊の自著を通じて文章論の実力者として知られるようになった著者が、大学での講義経験を通じて生まれた知恵とアイデアを傾けて執筆してきた「〈型〉で書く文章論」シリーズの最新版。著者は、二〇〇六年、「『まこと』と『救世主』――久米邦武の比較文化論」で中外日報社・涙骨賞受賞の文学博士。

著者紹介
西田みどり(にしだみどり)
 専門は比較文化、近代日本比較文化史。文学博士。2006年、「『まこと』と『救世主』――久米邦武の比較文化論」で中外日報社・涙骨賞受賞。著書に『異次元体験アストラルトリップ』(学習研究社)、『サイババ超体験』(徳間書店)、『偉人・天才たちの食卓』(同)、『抱きしめる聖者アマチの奇蹟』(同)、同書改題版『アマチの教え』(知玄舎)、『〈型〉で書く文章論』(同)、『接続語を使えば、誰でも書ける』(同)、『文章表現のためのワークブック』(同)、『脳トレ文章講座』(同)、『「まこと」と「救世主」――久米邦武の比較文化論』(知玄舎電子書籍)、『[異界見聞録1]なぜ「ベジタリアン?」世界史人の謎――マイケル、レノン、ダ・ヴィンチ、トルストイ、ガンジー・・・!』(同)、『[異界見聞録2]こんなに「粗食だった?」日本史人の謎――空海、賢治、ナオ・王仁三郎、南北、家康、謙信、信玄、海舟・・・!』(同)、『[異界見聞録3]バリの呪術師――イワヤン・シュリアナに会う』(同)、『[異界見聞録6]平田篤胤著「勝五郎再生記聞」現代語超編訳版――前世の記憶を持つ子どもの話』(同)等がある。芝浦工業大学、大正大学、学習院大学非常勤講師。佐伯マオのぺンネームで雑誌等で執筆活動。


◎――――――目次

 まえがき
第1章 帰納的展開で書く
[Ⅰ]帰納的展開の考え方
 1.帰納的展開とはたくさんのデータを基にひとつの法則を見つけだし仮説を立てること
 2.夏目漱石の「草枕」
 3.ノーベル賞とセレンディピティー
 4.帰納的飛躍
[Ⅱ]帰納的展開が使われている文章
 1.研究者も帰納的展開を使っている
 2.帰納的展開で仮説が立てられるのは常識の範囲内の意見
 3.170回行った実験のうち58回で仮説が論証されたらOK?
 4.「帰納法は便利な論証法である」を帰納的展開で書く
 5.演習:帰納的展開で書く
第2章 演繹的展開で書く
[Ⅰ]演繹的展開の考え方
 1.演繹的展開は最初に仮説(意見)がある
 2.短文で学ぶ演繹的展開
[Ⅱ]演繹的展開を活用した接続語連結
 1.演繹的展開は接続語で表現できる
 2.接続語はしつけ糸
 3.演習:演繹的展開で書く
 4.帰納的展開と演繹的展開を合体して書く
第3章 弁証法的展開で書く
[Ⅰ]弁証法的展開の考え方
 1.弁証法的展開とは矛盾を取り込んで総合すること
 2.「カイゼン(改善)」の基礎には弁証法的思考がある
 3.現在シェアが拡大している電子書籍も弁証法的思考から生まれた
 4.弁証法的展開で書かれたパトリック・ハーラン氏の論説文
[Ⅱ]弁証法的展開を活用した接続語連結
 1.弁証法的展開は接続語で表現できる
 2.演習:弁証法的展開で書く(1)
 3.演習:弁証法的展開で書く(2)
第4章 パラグラフライティングで書く論理的文章
[Ⅰ]パラグラフライティングの考え方
 1.文章の構造
 2.文と文は互いに助け合って成立する
 3.文と文の強固な関係がパラグラフの要件
 4.パラグラフライティングで書かれた文章はわかりやすい
[Ⅱ]〈パラグラフ+パラグラフ+パラグラフ〉で文章作成
 1.一つ目のパラグラフを書く
 2.二つ目のパラグラフを書く
 3.三つ目のパラグラフを書く
 4.〈パラグラフ+パラグラフ+パラグラフ〉で完成した文章
第5章 〈序論・本論・結論〉で組み立てる論理的な文章
[Ⅰ]〈序論・本論・結論〉の図式
[Ⅱ]序論の書き方
 1.序論の仕事は読み手を引き付けること
 2.序論に必要な項目
 3.五つの項目を満たした序論の完成型
 4.序論を図式する
[Ⅲ]本論の書き方
 1.本論は〈序論で出した問い〉に論拠を示して答える場
 2.本論は〈客観的事実〉と〈自分の意見〉で構成する
 3.〈客観的事実〉とは何か
 4.文章表現における〈事実〉と〈意見〉
 5.〈客観的事実〉と〈意見〉で構成した本論の完成型
 6.本論を〈事実〉と〈意見〉に分けると……
 7.本論部分の図式
[Ⅳ]結論の書き方
 1.結論には、序論で立てた問いの答えがくる
 2.問いの答えが書かれた結論
[Ⅴ]アウトラインを書く
 1.アウトラインは文章全体の設計図
 2.例文のアウトライン
 3.書きあがった本文全体
[Ⅵ]資料――序論・本論・結論の図式、アウトライン、本文例
 1.三つの例文から作業工程を確認しよう
 2.「若者の科学離れはどうすれば防げるか」
 3.「お金で『買えるもの』と『買えないもの』から考察する現代社会」
 4.「環境問題と食糧問題解決のための一つの試み、ベジーマンデーについての考察」
〈参考編1 〉引用法を使う
[Ⅰ]引用の役割
 1.引用は、その文章の説得性を保障
 2.引用の基本姿勢
[Ⅱ]直接引用
 1.一字一句変えない引用
 2.短い直接引用
 3.長い直接引用
 4.引用元に誤植がある場合はどうするか
[Ⅲ]間接引用
 1.文のポイントを要約して引用
 2.短い間接引用
 3.長い間接引用(複数の引用元から引用した文章)
 4.直接引用と間接引用を併用する書き方
 5.特定の書籍の記述に従って論を進める場合
〈参考編2〉資料講読の方法
[Ⅰ]速読法と精読法
[Ⅱ]読み方の第1段階――速読
 1.速読の方法
 2.通読の手順
[Ⅲ]読み方の第2段階――精読
 1.精読はペンと付箋をもって行う
 2.精読の七つの方法
〈参考編3〉アウトライン用の【ワークシート+アウトライン自己診断シート】
 1.文章を組み立てるためのアウトラインを作成する文章構成ワークシート
 2.アウトライン自己診断シート
〈引用・参考文献〉


 まえがき
  
 「論理的に書く」とは、どういうことか。
  
 「文章は論理的に書きなさい」
 「達意の文章を書きなさい」
 よくそう言われますが、では「論理的な文章」はどのようにして書けばよいのでしょうか。
 「ああ、あれね」「あの方法ね」
 と、即座に、書く方法や、論理的に書かれた文章がイメージできる方は少ないと思います。
 論理的な文章の条件は三つあります。
 ① 明快な意見が述べられていること。
 ② 論拠が客観的事実で示されていること。
 ③ 論理的に展開されていること。
 この三つの中で、いちばんイメージしづらいのが③の「論理的に展開されていること」でしょう。
 「論理的」とは、どういうことなのか。
 おおげさに言えば、私たち人間が地球で繁栄できたのは、論理的に物事を考えることができたからです。論理的に考えることで現実をより正確に認識し、先を予想して危険を回避しました。同時に、将来豊かに暮らす方法も考え実践してきました。。
 私たちが生き延びるために使ってきた論理的な考え方には次の三種類があります。
  
 ① 帰納的に考える
 ② 演繹的に考える
 ③ 弁証法的に考える
  
 中でも演繹法は、ソクラテスの時代から使われている推論法です。2000年も前から使われ続けて、今に至るということは、時の流れに堪えて、生き延びてきたということですから、「使える」思考方法だということです。私たちの頭の中には、このような思考回路が生まれつき備わっているのかもしれません。
 本書では、この思考方法を、文章を書くことに応用する技法をご紹介します。
 1章では帰納的展開の考え方とそれを応用した文章の書き方、2章では演繹的展開の考え方とそれを応用した文章の書き方、3章では弁証法的展開の考え方とそれを応用した文章の書き方を、それぞれ例文を使用して実践します。演習もありますので、ご自分でも解いてみてください。
 4章では文と文のつなぎ方をパラグラフライティングの考え方に沿って解説します。パラグラフライティングというと難しく聞こえますが、実は文章をわかりやすく書くための文と文のつなぎ方がパラグラフライティングです。
 5章では少し長い文章の組み立て方を取り上げます。文章はどんなに長いものであっても〈序論・本論・結論〉という構成でできています。そして序論で示さなくてはならないもの、本論がやらなくてはならない仕事、結論の役割、はおおむね決まっています。その基礎的な要素を例文を通して学びます。
 最後に〈参考編1〉〈参考編2〉として二つのことをあげました。引用の使い方と、資料講読の方法です。この二つは、自分の意見を構築するときの論拠にかかわるものです。1章から5章の方法で自分の意見を述べようとしても、そこに「考えるための素材」がなければ意見を創出することはできません。ではどのようにして素材を読み込み、取り入れていくのか。それが〈参考編1〉〈参考編2〉です。
 また〈参考編3〉として、長い文章を書くときに迷子にならないために作成する「アウトラインシート(文章構成ワークシート)」と、自分の文章を客観的に診断するときの指標となる「アウトライン自己診断シート」を付けました。文章を書くとき筋道立てて突き進むのは難しく、また書き上げた文章をこれでいいのかどうか判断するのも難しい。その一助として活用してください。
  
 なお、本書は「〈型〉で書く文章論」シリーズの3冊目に当たります。シリーズものではありますが、一冊で独立して読めるように作成しています。そのため基礎的な部分等については内容に一部だぶりがあることをおことわりしておきます。
〈型〉とは、文章を苦手とする方のための「しつけ糸」のようなものです。ある程度書けるようになったり、自分のスタイルが完成したら、外しても差し支えありません。洋服が完成したらしつけ糸を外すのと同じです。
 書き始めの手引き書としてお使いいただければ幸いです。


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