どんな時にも成果を出すリーダーが磨き続ける5つの要諦 (2016年12月新刊)
 ――あの人はなぜ、いつも成果を出し続けられるのか   

   藤井 義彦 著

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  ■全国書店販売書籍:\1,500 (消費税別)/(四六判270頁、公益財団法人日本生産性本部生産性労働情報センター刊、ISBN978-4-88372-521-2)

  ■電子書籍: \1,200 (消費税別)/知玄舎電子書籍
   2016年12月23日初版発行

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 ◎本書について
 リーダーシップの決定版。自己を高め続けるリーダーになるために必要な実践法を解説。

 
リーダーとは、人が二人以上いれば誰でもならてければならない立場。本書は、自分をリーダーに高めていくための本。「カネボウ」でリーダーとして実績を積んだ著者が、その後、外資系法人等でさらに磨き続けたリーダーという資質について、その経験を次代に伝えるために書き起こした書。真剣に考え抜いた、「わたくしはこの人生において何を成し遂げたいのか?」「その一過程として、会社生活においてどうなりたいのか?」というテーマから、「滅私奉公」ではなく「活私奉公」(自分を活かして企業に貢献する)という独自の哲学からリーダーシップを実践。その規範として著者が策定したのが、「リーダーシップの5要諦」。5要諦とは、成果を上げるためのスキルとして、①ビジョン力、②戦略力、③人を主体的に行動させる真のコミュニケーション力の三つ、それらを徹底する④実行力と、⑤倫理観・品性・品格の人間力のこと。この5要諦に照らしあわせ、自己を高めつつ会社および自分の人生においてリーダーたるべく努力をすることで、真のリーダーシップを体得するプロセスを解説した書。リーダーシップの決定版。

底本:同名書、2016年12月1日初版、公益財団法人日本生産性本部生産性労働情報センター刊、ISBN978-4-88372-521-2

◎著者紹介
藤井 義彦(ふじいよしひこ)
 ガンガー総合研究所 代表取締役。一般社団法人グローバル・リーダーシップ・コーチング協会代表理事。神戸市生まれ。部に入学後、スタンフォード大学経済学部へ交換留学生として渡米し同大学を卒業。帰国後に慶應義塾大学経済学部を卒業。株式会社カネボウに入社し、営業に25年間従事、企画部長、外資系日本法人社長を経て、ガンガー総合研究所(GRI)を設立。ハーバード・ビジネススクールAMP(高等経営者講座)修了。慶應義塾大学ビジネススクール特別研究教授、筑波大学大学院システム情報工学研究科非常勤講師、英国国立ウェールズ大学MBA(日本語)プログラム・アカデミック・ディレクター、西北工業大学客員教授などを歴任。2011年には一般社団法人グローバル・リーダーシップ・コーチング協会を設立し、エグゼクティブコーチングやグローバルリーダー育成に力を注ぐ。
 主な著書に、『挑戦!ハーバードAMP留学』『ハーバード流「第二の人生」の見つけ方』『できるビジネスマンは瞑想する』(以上、東洋経済新報社)、『経営者格差』(PHP新書)、監修に『人生のプロフェッショナル思考(ジム・バクノーラ著)』(経済界)、『瞑想を力に』(知玄舎)など多数。


●目次

はじめに
序章 リーダーこそ学ぶ必要がある
 1 リーダーこそ学ぶ必要がある
 2 私は、いつから、どのようにリーダーの道を志したのか
 3 局面によって誰もがリーダー
 4 リーダーとフォロワー
 5 リーダーシップ理論の変遷
 6 典型的なリーダーシップ論の紹介
 7 リーダーシップは二つに分けられる
第一章 リーダーシップの5要諦~5要諦がすべての問題を解くカギに~
 1 要諦1:ビジョン力(夢・高い志)…感動を与えるビジョンを発信する
 2 要諦2:戦略力…夢を達成するための道筋を立てるために
 3 要諦3:人を巻き込む力…真の意味でのコミュニケーション力
 4 要諦4:実行力…策定した戦略を実現させるために
 5 要諦5:人間力…人間性(品性・品格)に優るものなし
 6 グローバル・リーダーの定義
第二章 会社を導くリーダー、ダメにした経営者~トップの意思と行動で組織は大きく変わる~
 1 会社を導いたリーダー
 2 会社をダメにした経営者
 3 トップの意思と行動で企業は大きく変わる
第三章 リーダーが組織を最強に導くために
 1 組織を最強に導く方法
 2 「リーダーシップの5要諦」で組織を診断する
 3 自分のチーム・分身を作る
 4 「組織は人である」を再認識し、それに基づき行動する
 5 自分の鏡としてのメンター・コーチを持つ
 6 「委ねる」リーダーシップを持つ
 7 会社のビジョンとミッションを個人と合わせる
 8 当たり前のことを確実にやる
 9 明るく、楽しく、爽やかに
 ケース A氏はどのようにしてリーダーになったのか
  ●今、リーダーとして頭をよぎる思い
  ●生い立ち・父母からの言葉
  ●生徒会長、キャプテンとして過ごした学生時代
  ●入社当初は現場で仕事の厳しさを実感
  ●リーダーシップに目覚めた課長時代
  ●部長として最初にやったこと
  ●耐え続けた営業副本部長時代
  ●「人間の器」とは
おわりに リーダーシップの5要諦を実践するのはあなた~明るい未来のために~
 1 5要諦をマスターしたリーダーは、次にどこにむかうのか?
 2 今から10~20年後の世界はどのように変貌しているだろうか?
 3 このような未来に向かって、組織はどのように変わっていくのだろうか?
 4 リーダーシップの5要諦を実現するために


 はじめに
  
 この本は自分をリーダーに高めていく本である。
  
 リーダーとは社会的に地位の高い人や、いわゆる成功している人を指していて、自分とは関係がないと誤解している人が多い。
 それは間違っている。人が二人以上いれば、どちらかがリーダーになり、どちらかがフォロワーになる。その関係が立場により逆転する場合も多い。誰でもがリーダーにならないといけないわけである。
  
 この本で詳述するが、私が会社生活において、また自分の人生においても、リーダーたらんと意識し始めたのは、当時勤めていたカネボウで部長に昇格した42歳であった。そのときにはじめて、真剣に「わたくしはこの人生において何を成し遂げたいのか?」「その一過程として、会社生活においてどうなりたいのか?」を考え始めた。ご多分に漏れず「会社人間」だった私は、その頃から「滅私奉公」ではなく、「活私奉公」(自分を活かして企業に貢献する)したいと思うようになってきた。
 そこで今のままでは「自分を活かせない」と判断し、自らの意志でカネボウを55歳で退社、外資系日本法人の社長に転じて8年間在任し、60歳を超えた私は、「次に何をするか?」を考え、今後は「自分のために働こう」と固く決心をした。
 「私は、個人としてなにをやりたいのか?」この問題を考え、そして考え抜いた。得た結論が「わたくしの知識と実体験を次の世代に伝えたい」という想いであった。経営者のメンターやコーチングを行ったり、大学院の教壇に立ったり、企業研修を行ったりしているが、今も「自分の人生のリーダーたらん」と日々努力している。
  
 会社には経営理念――ミッション、ビジョン、バリューが存在する。この経営理念で、価値観の異なる多くの従業員のベクトルを一つにまとめ上げているわけだ。グローバル化、多くの人種が同じ会社で働くようになってくると、特に会社の経営理念が重要になってくる。
 あなたの人生は、会社生活とあなたの生活(家族との生活、あなた個人の生活)に大別されるが、「あなたが個人の生活でどう生きるのか」 強い理念をお持ちだろうか?
 日本人で、個人のミッション、ビジョン、バリューを意識している人は数少ない。会社生活が終わると、かなりの人が腑抜けのようになる。過去に生き、未来に目を向けようとしない。その人たちは、会社で地位が上がることだけがリーダーと思い込んでいた人々で、自分の人生においてリーダーであろうと意識しなかった人たちだ。
 昨今企業の不祥事が乱発している。学識があり、社会的な成功をおさめたはずの企業のトップがなぜあのような不祥事を起こすのであろうか?
 会社を統率するにはビジネスキルだけではなく、人間力、倫理観、清潔さといった要素が不可欠になってくる。彼らはリーダーシップ教育を受けて自分を高める努力をしていないのである。
 私は、リーダーシップとは「自分の言葉でビジョンを語り、自他にポジティブな影響力を発揮する行為であり、その目的は最終的に、成果に向けてフォロワーが自ら主体的に行動することにある」と定義する。
 自他のリーダーシップには、
①自分自身に対するINTERIORリーダーシップ(自分の人生のビジョンを持ち、戦略を立て、自分を鼓舞して自分を高めるリーダーシップ)と、
②外に対するEXTERIORリーダーシップ(上司、部下、同僚、顧客、社会等の自分の外側に対するリーダーシップ)
の二つがある。
 そして、自他のリーダーシップを実行する規範として「リーダーシップの5要諦」を策定する。この5要諦に照らしあわせて自分を高め、会社および自分の人生においてリーダーたるべく努力するのである。5要諦とは、成果を上げるためのスキルとして、①ビジョン力、②戦略力、③人を主体的に行動させる真のコミュニケーション力の三つ、それらを徹底する④実行力と、⑤倫理観・品性・品格の人間力をリーダーシップの5つの源泉とする考え方である。それらをいかに体得するか、詳しく解説したのが本書である。
 思えば、私は運のいい人生を送ってきた。学生時代アメリカに留学、卒業して、ヨーロッパ周りで7ヶ月の世界一周のヒッチハイク一人旅をした。
 その後カネボウに入社、多くの素晴らしい先輩とおおらかな社風に育まれ、輸出畑で世界を飛び回った。営業で25年、30代の前半からオランダの合弁会社で力いっぱい働いて、グローバル人間に育ててもらえたと思う。そしてハーバード大学のMBAコースの最終のプログラム、AMP(高等経営者講座)を50歳で修了、カネボウに戻り企画畑に配転された。しかし、そこで見たのは、債務超過一歩手前、経営の修羅場にある当時のカネボウだった。私は「企業が輝かしく成長するのも、惨憺たる敗北企業になるのも実は経営者の力量一つである」ことを痛感した(このテーマで、2007年「経営者格差」PHP新書を上程)。
 それを反面教師として、5要諦の結論は、経営とはトップの人の人間性に左右され、そして個々の人間が「いかに人間性を磨くか?」にあるとした。退社時は、正論に耳を傾けない当時のトップ層にすべての責任があると噴りに近い思いであったが、退社後20余年が過ぎ、倒産8年前に退社したとは言え、、「カネボウ崩壊の責任は一時でも企画部長だった私にもある」と素直に認められるようになった。
 トップもフォロワーも同じように責任があるわけだ。
  
 部長以上の研修を数多く実施してつくづく感じることは、彼らは仕事に追いかけられ、イライラとストレスに悩み、以前の私と同じように、あるいはそれ以上に会社人間で、心の余裕がない。会社の数字達成のみに心を奪われ、どうすれば数字が達成できるのか、その環境つくりや部下の育成にまで心が行き届かない。会社の経営理念も、実践されることは少なく、形骸化されていることが多い。まして、個々の人生の理念にまで考えが及ぶような心の余裕のある人は少ない。
 世代、年齢、性別は関係ない。できるだけ早い時点から、あるいは気が付いたらすぐに、リーダーシップの5要諦にのっとり、自分を磨いていってほしい。会社の中でもリーダーになり、自分の人生において最高の自分に到達できるように5要諦を実践していってほしい。私たち一人ひとりがリーダーになれば、日本は輝いてくる。
  
 あなたの人生の主人公はあなたである。「自分の人生」という会社の社長はあなたである。あなた次第で、あなたの人生は輝きもするし、暗い人生にもなってくる。
  
 「人は夢・目的をもってこの世に生まれてくる」という。
 あなたの夢は何でしょう?
 あなたは何のためにこの世に生を受けたのでしょうか?
  
 とは言え深刻に悩む必要はない。「明るく、楽しく、爽やかに」生きていけば、そのうち答えは自然に出てくるだろう。


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