中小ビル経営 勝利への戦略   (2012年6月新刊)    

  −満室稼働の決め手はこれだ!−


  前川 雅之 著 

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  四六伴 278頁 2012年6月15日初版第1刷発行 定価:2,100円(税込)
  企画・編集 雅遊舎倶楽部/有限会社クリエイト・ジェイ
  ISBN978-4-434-16783-6 C2034 \2000E 発行:知玄舎/発売:星雲社
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  人には聞けないビル経営のコツが満載!
  全国のビル経営者必携の書!
  中小ビルオーナー14人の実像!


  ●推薦します


  本書を読めば、

  実態がよくわからなかった

  中小ビル経営がどういうものか、
  また、投資の視点だけで

  オフィスビルを語るべきではないことが

  よく理解できるはずだ。


    松村 徹 氏
    株式会社ニッセイ基礎研究所、
    金融研究部門 不動産投資分析チーム  
    不動産研究部長
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単価 : \2,100 (消費税込み)  知玄舎通信販売 購入する/数量 :   
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[著者プロフィール]
 前川 雅之(Masayuki Maekawa)
 ジャーナリスト。エッセイスト。雅遊舎倶楽部代表。
 1941年北京市生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業。
 中小企業経営研究会(現中経出版)を振り出しに、不動産経済研究所、住宅新報社で記者、編集長、論説主幹等を務めたのち、三菱地所へ。
 (社)日本ビルヂング協会連合会へ出向、機関誌「びるぢんぐ」、「BUILDING TOKYO」、「ビル協会70年史」など広報を担当。
 共編著に「マンション生活にはこんな知恵が必要です」、「大変革不動産業」、「戦略的ビル経営」など。BAR雅遊舎主人。


■目 次

   はじめに   3

第T部 ─勉強する中小ビルオーナー

 第1章 ?2003年問題?と中小ビルオーナー    14
   ビルオーナー至福の時間    
   オフィスビルの2003年問題    
   中堅・若手オーナーの不満と焦燥感    
 第2章 中小ビル経営者研究会    20
   猪股徳臣と河村守康    
   「中小ビル経営者研究会」発足    
   どうするリニューアルと建て替え    
   独自のビル市場の形成を急げ 
   
 第3章 中小ビルオーナーの問題意識    28
   空調はセントラルか個別か    
   「ビル協会マーク」を作成しては    
   オフィスビル24時間化への対応    
   中小ビルの関心事はさまざま    
   弾力化する原状回復    
   可能な限り再利用を図る    
   2003年問題を煽り立てるマスメディア    
   経営スタイル見直しの契機に    
   新規入居者にアンケート実施    
 第4章 空室情報サイト    45
   求められる戦略的ビル経営    
   業界独自の「空室情報サイト」創設    
   日本中のビル空室情報が一覧    
 第5章 共同購買制度    50
   画期的な「共同購買」制度の確立    
   新しいテーマに次々と挑戦    
   増加する携帯電話の扱いに苦慮    
   ビル間のネットワークづくりが必要    
 第6章 中小ビルの防災対策    58
   防災を真剣に考えよう    
   阪神淡路大震災と対応 森本啓久・森本倉庫且ミ長    
   画期的な「大地震対策」冊子を作成    
   必携「防災ポケットブック」    
   本当に役立つ「災害時開封」    
   保有ビルは「新耐震」以前か、以後か    
   耐震改修事例 2社の場合    
 第7章 地球温暖化防止対策    83
   京都議定書    
   地球温暖化防止対策にも強い関心
   オフィスビルの省エネルギー    
   銀座ビルエネルギー研究会    
   中小ビル経営者ができる地球温暖化防止対策    
   中小ビルのCO2排出量は年間462トン    
   CO2排出掲示板を作製    
   地球温暖化防止対策の「実践編」つくる    
   LEDランプによる照明の省エネ    
   ESCOとAEMSの活用    
 第8章 気になるテナントの動向    116
   もしテナントが倒産したらどうする    
   テナント対応はこうしよう    
   債権者対応はこうしよう    
   緊急節電行動計画    
   3・11東日本大震災以降のビル経営  

第U部 ─中小ビルオーナーの実像

  伊藤信夫(株式会社太洋商会取締役相談役)    136
  猪股徳臣(東山興業株式会社取締役社長)    141
  糟谷正治(株式会社糟谷代表取締役専務)    146
  河村守康(株式会社虎ノ門実業会館代表取締役)    150
  木村平右衛門(木村実業株式会社代表取締役社長)    155
  小浦公子(小浦ビル株式会社取締役)    160
  小谷礼子(株式会社小谷ビルディング専務取締役)    164
  鈴木隆之(株式会社不二屋ルデング代表取締役社長)    169
  瀬川昌輝(株式会社昌平不動産総合研究所代表取締役)    174
  冨岡洋一(中央商事株式会社代表取締役社長)    179
  原    宗(原ビルディング株式会社代表取締役社長)    182
  中村幸慈(株式会社白楊社ビルディング代表取締役社長)    186
  森    隆(近三商事株式会社代表取締役)    191
  四倉栄一(株式会社四倉材木店取締役社長)    196

第V部 ─中小ビルの将来を模索する「地区勉強会」 

  親睦の場から勉強の場へ「八日会」日本橋、京橋地区    203
  地域全体を良くしたい「新橋・虎ノ門地区有志懇話会」新橋、虎ノ門地区   207
  ネット導入で会員サービスも「千代田ビル懇話会」麹町、神田地区    212

第W部 ─中小ビルオーナー座談会
    
  中小ビルの良さ発揮すればテナントは離れない[全国]    218
  日頃のコミュニケーションが決め手[北海道]    214
  地域ニーズに応える経営目指す[神奈川]    249
  「地域共生型経営」によるまりづくり[大阪]    262

あとがき   273


 はじめに

 ビルというと、誰しも丸の内や六本木、新宿、汐留等の大規模複合ビルを連想するだろう。それらのビルには、洒落たファッションショップや、飲食店、映画館、美術館まであって、テナントの執務空間とともに、一般外来者にも愉しいスペースが用意されていて、いつも不特定多数の人で賑わっている。
 だが、そうした多機能の巨大ビルはまだまだそう多くはない。むしろ、大都会の大半のビルは、10階に満たない中小ビルだ。その分布は、まさに日本の企業の数と規模に比例している。圧倒的多数を占める中小企業の日常活動を支える形で存在しているのが、数多の中小ビルである。
 しかし、中小ビルだからといって、テナントは中小企業に限らない。超大手企業の子会社、関連企業などテナントの層は幅広い。駅近、出入り自由、アットホームといったアナログ的な要素が根強い人気となっているのだ。
 こうしたビルはどんな人が持ち、どんな経営を行っているのだろうか。一般の人は勿論、借り手であるテナントにとっても謎の部分が多い。実は、筆者もその一人であり、ビルオーナーとはどういう存在であるのか、強い関心を持っていた。
 ビルオーナーという言葉に、一般の人はどういうイメージを抱いているのだろうか。多額の賃料収入を約束された大家さん、お金持ち、不労所得者、左団扇のいい商売、などなど羨望の眼差しで見られてきたことは否定できないだろう。多くのサラリーマンや無産階級にとってビルオーナーは、最も遠い存在といっても過言ではない。筆者も少し前までは、何か知らず、ビルオーナーに対して、憧憬にも似た特別な感情を抱いていたように思う。それは羨望とか怨嗟といったものではない。素直に言えば、自分とはかけ離れて縁の薄い世界ということになる。
 それが、1995年、縁あって(社)東京ビルヂング協会にお世話になり、そこで多くのビルオーナーとお目にかかることができた。その方々と日々接触、お話を伺ったり、実際に経営管理しているビルを見せていただいたりしているうちに、ビル経営が生易しい仕事ではないことが分かってきた。
 需給のアンバランスが心配された「2003年問題」は景気の持ち直しもあり、大きなダメージはなかったもののその後のリーマンショックの影響は大きく、東京都心のビル市場は今も全般的に軟調に推移している。最近もビジネスエリアに立つオフィスビルの窓に「空室あり」の貼り紙が目立つ。主に幹線道路の一筋、二筋裏の中小系のビルで多く見られるようになった。目には見えないが、テナントの勧誘、確保に懸命になっているオーナーの姿が想像できる。
 そうした厳しい状況の中で、これまで同様テナントの支持を受け安定的な経営を続けている中小ビルオーナーも数多く存在する。だが、昔のような安穏とした姿勢で「安定」を得ているわけではない。常に、商品である建物、貸室のクオリティーを保つために、修繕、改修、改築を繰り返しているのだ。
 それだけではなく、同業者と意見交換し、テナントのため、エリアのためになると思ったことはどんなことでも積極的に取り入れる努力をしている。勉強しなければ、競争に勝ち抜けないことが分かってきたのだ。
 この本では、(社)東京ビルヂング協会の中小ビル経営者研究会(現中小ビル事業者委員会)の立ち上げから、最近までの活動状況をドキュメント風に追いかけ、さらに、この研究会に関わった10数人の方々にお話を伺った。
 それは、ほんの一部ではあるが、日本の中小ビル経営の最前線で活躍する中小ビルオーナーの実態を紹介したかったからだ。登場していただいたオーナーの言葉の中には、東京の中小オーナーに限らず全国のビル経営者にとっても経営上の「至言」、「真髄」とも取れるフレーズが隠されているように思える。

  前川 雅之 


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