手に職、頭に社長的思考 ......[これから20年のロードマップ3]
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  田村 文重 著  四六判212頁 2004年4月11日初版発行 定価1,575円(税込)
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「社長の生き方・楽しみ方」「志が育てる社長的思考と人生」(共に知玄舎)に続く、ロードマップシリーズ第三弾。就職・転職・独立・起業…… 急激な変化と先が見えない現代社会を生きるための人生の羅針盤。最終モデルが登場する、シリーズ完結編です。


ISBN4-434-04316-1 C0034 \1500E

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【著者略歴】

田村 文重(Tamura Fumishige)

1952年 大阪生れ。
1974年 関西大学法学部卒業。
1977年 アーサーアンダーセン会計事務所入社、人事部長、情報通信企画部長(ISS)を歴任。
1989年 日本ヒューレット・パッカード鞄社(当時、横河ヒューレットパッカード梶j。
1994年 ヒューレット・パッカード社(シンガポール)の現地駐在にて、国際提携業務に従事。
1997年 同社を退社、シンガポールにて、Kaze Corpora‐tion Pte Ltdを設立。経営コンサルティングに従事。
2000年 経営の傍ら、RMIT(オーストラリア)経営大学院にて国際経営学を専攻し、MBA(経営学修士)を取得(在シンガポール)。
2001年2月より シンガポール日本語ラジオ放送番組「ビジネスパイロット」(FM96.3)のパーソナリティーを務めている。ホームページで聞くことができます。
2002年10月より2003年9月まで 日本で、BSデジタルラジオ放送のBSC301ch(ビー・エス・コミュニケーションズ)とラジオたんぱ第一「社長の生き方・楽しみ方」のパーソナリティーを務める。
2003年10月より 日本で、日経ラジオ社(BSC301chとラジオNIKKEI第一)「田村文重の社長の寺子屋」のパーソナリティーを務めている。
現 在:日本ナレッジマネジメント学会員
    Singapore Institute of Management会員
    Dr.Foo Check Teck(孫子研究)日本市場代表
著 書:『超社長術』『実践社長思考プロセス』(以上、英治出版)、『社長の生き方・楽しみ方』『志が育てる社長的思考と人生』(以上、知玄舎)
連絡先:kazecorp@singnet.com.sg
    URL:http//www.kazecorp.com (日本語可)


  はじめに

 2003年夏から2004年にかけて、日経平均株価は安定しています。一部の企業が業績を伸ばし始めました。そして失業率も下げに転じており、政府も景気回復の兆しが見えてきたと言い始めています。しかし一方では、社会の混乱から、経済事件や、凶悪な犯罪が急増し、価値観の崩壊が、いろいろな虐待を生んでいます。明らかに、時代の転換期に起こるいろいろな兆候が見えています。
 盛り場には、以前のような活気はなく、主役はとっくにいわゆる若い勝組にとってかわられ、飲みニュケーションの世代は、アフターファイブでも交代を余儀なくされています。政府の喧伝する景気回復の兆しではなく、経済を支えてきた価値の崩壊が猛烈な勢いで日常生活のレベルで進行しているのです。企業や政府までを巻き込むような大きなくくりの価値観の崩壊の前に、個人の日常生活での価値が確実に崩壊しています。何をしていくことがいいのかわからなくなってきています。
 これらの状況を踏まえた上での、20年のロードマップシリーズ3『手に職、頭に社長的思考』は、まさに時を得たと言えます。凜モデルから始まった生き方の羅針盤は、全人モデルの登場でその基本的な枠組みを完成させます。志が変化して「かんがえる」の中で重要な役割を果たすことや、腕を比喩に使った解説で、今まで何をやっていたから上手くいかなかったのかが明解にわかります。そして、一人で生きていくのではなく、周りの力を集めることで、結果として一人で生きていけるようになる等、「かんがえる」について深く掘り下げられています。既刊を読まれていない読者にも、第1章で、凜モデルや「背骨」等を解説していますので、十分理解できる内容になっています。既に読者となっている方々には、おさらいの意味でながめてみてください。理解を深めるために、図をたくさん入れました。気になるモデルを写しとって、いつも持ち歩くとよいでしょう。
 今回は、会社にぶら下がる人を組識人、一人でも何かの技術で生き抜いている人を職人とし、職人への進み方を提示しました。さらに、心の問題を大きく取り上げて、小手先の技の修得から、名人や親方と言われる人たちが使う、「カンで問題を把握し、コツで解決する」という領域まで踏み込んでいます。大きな企業とSOHO(Small Office Home Office)との関係や、人生の取り組みという視点から見ると、起業とはどんな意味を持っているかについても言及しています。将来への課題として、シュワルツの仮説を現代の日本の「ケータイ」世代へ当てはめてみました。これからの20年の動きの深層レベルでの動きを示唆できたと考えています。
 2003年10月より1年の予定で、日経ラジオ社(旧日本短波放送)で「田村文重の社長の寺子屋」が放送されています。ラジオNIKKEI第一では毎週火曜日朝7時15分から、BSデジタル放送BSラジオNIKKEIでは毎週土曜日朝7時15分からの15分番組です。フリーアナウンサーの原りつ子さんやスタッフの皆さんには、助言をいただきました。
 財団法人日本SOHO協会専務理事の水野雅弘氏には、SOHO活動についての助言をいただきました。
 今回も、名前は挙げられませんが、20〜30代の人たちへの取材、聞き取りなどいろいろお世話になりました。海外での情報収集や、構成の発想の助言をいただきました。この紙面を借りて、お礼申し上げます。シリーズはまだ続いていきます。今後ともご協力をお願いします。ワンネスの旅は続いているのです。
 知玄舎の森宏巳編集長には、前作同様、表現のアドバイスや、構成への助言をいただきました。
 最後に、気ままな取材や、執筆に集中させてくれた妻の英子に感謝します。

2004年1月 旧正月を迎えているシンガポールにて
田村 文重    


●目次

 はじめに 1

第1章 今まで話したこと                

技から凜モデル 16
 「背骨」から始まる 16
 「ミッション・ビジョン・ストラトジー・タクティクス」が見分ける世界 19
 「キーワード」というコミュニケーションの方法 22
 「シード」 24
 すべての技から「あそび」、そして「こころ」へ 25
 職人と「あそび」 26
 「あそび」から「こころ」へ 27
 凜モデルとは、「かんがえる」「あそび」「こころ」の三角関係 29
凜モデルが志を内包する時、凄いパワーが発揮される 30
 感性を起こす 31
 志を中心とする凜(りん)モデル 32
 凜モデルに使命が加わると粋(いき)モデルになる 33
 粋モデルに人が集まり、タイミングがあうとワンネスモデル 35
 社長的思考を目差して 38
志と3大モデルの上は? 41
 「かんがえる」にもっと注目を! 41
 技・知識・経験・精神的成長・カン・コツ 44
◆こころの薬袋1◆Independence 45
第2章 「手に職」から「頭に職」へ           

「手に職」とは 48
 今どうなっている 51
 職人の世界 53
「頭に職」 55
 これからどうなっていく 58
 「頭に職」と社長的志向 61
 社長的思考と凜モデル 65
 「かんがえる」と凜モデル 68
 目差すべき道 72
 ◆こころの薬袋2◆Value 75

第3章 「手に職、頭に社長的思考」のしくみ       

凜モデルの「かんがえる」から始まる 78
 「かんがえる」を出発点にして 78
 「右腕」はスキル(技術系) 80
 「左腕」はメンタリティ(神経系) 80
 「右腕」と「左腕」の関係 82
 両腕を通して見極めたいこと 83
 腕力で押し切ることの本当の意味 84
 腕の使い方がわかれば、もっと違う見方ができる 87
 「20世紀末期は、腕力」「21世紀は、直観力」 89
「腕力」―職人から「脳力」―親方になるには 91
 体系化するというのは? 91
 サラリーマンと職人は共通の時がある 94
 Improve(向上する)とInspire(霊感によって導く) 97
 Improve(向上する)の役割 98
 Inspire(霊感によって導く)の役割 99
 ハートがすべてをつなぐ 101
カン・コツが、新たな世界を開く 102
 カン・コツで話す 104
 カン・コツは、知恵に成長する 105
「直観力」ですべてを一瞬に俯瞰する 106
凜モデルが、全人モデルに発展 107
 本章で使用している比喩などについて 109
 ◆こころの薬袋3◆Collaboration 111

第4章 全人モデルと現実                

20世紀の職業人と21世紀の職人 114
 職業人から職人 114
 Improve(向上する)とInspire(霊感によって導く)をささえるもの 117
 ハートを持つことが、変換を確実にする 119
 頭に職が来る時 120
 起業が最良ではない 122
 起業するとはどういうことか? 124
 起業と一連のモデル 127
腕モデルは、新しい人とのつながり方を示している 132
 フロシキモデル 132
 フロシキが示唆する四つの役割 134
 「ひろげる」−−フロシキモデル 134
 「つつむ」−−フロシキモデル 135
 「むすぶ」−−フロシキモデル 137
 「てわたす」−−フロシキモデル 138
 フロシキモデルを腕にはめ込む 139
 「てのひら」−−「ひろげる」 140
 「てくび」−−「つつむ」 142
 「ひじ」−−「むすぶ」 143
 「かた」−−「てわたす」 144
 フロシキモデルが全人モデルに必要な訳 146
Improve と Inspire のスパイラル効果 146
 Improveが示す全人モデルのスパイラル効果 146
 Inspireが示す全人モデルのスパイラル効果 147
 全人モデルの一番大切なプロセス 149
 ◆こころの薬袋4◆Connection 150
第5章 21世紀は、創造と革新の時代           

今どうなっているかのおさらい 156
 追求するものがわからなくなってきた 158
 SOHOは全人モデルの一例 161
変化をキーワードにすえる 162
 変化の変化(へんげ) 163
 老子と変化 166
 変化は拒めないのだが 168
どんな世界になっていくのだろう 170
 何が変わっていくか? 170
 企業のブランドと水先案内 173
 企業の中でのブランド 175
 価値を共有する 177
 知恵と知識 179
 知識社会 180
 左手から直観力 181
これからの社会と社長的思考 183
 全人モデルと「こころ」「あそび」「志」 183
 全人モデルと社長的思考 186
創造と革新 188
 ◆こころの薬袋5◆Innovation 190

第6章 再び経営と人生                 

 メールのやり取りで相手と同化する 194
 現在の携帯世代と中高年世代 197
 2004年の10代と20代 200
 再びシュワルツの仮説 201
 幹部が目差すべき方向 203
 コミュニケーションが激変していく中での経営 204
 コミュニケーションの激変と人生 206
 ◆こころの薬袋6◆Future 208

 あとがき 210


あとがき

 やっと基本モデルのすべてを世に出すことができました。原形になる考えから早3年近く過ぎています。その間、没にした原稿でもとっくにシリーズが組めるくらいのボリュームになります。精神世界や自己啓発については、翻訳本が幅を利かしていますが、いま少しのところで、真に使えそうなモノは見当たりません。真理を説いているのですが、日本で暮らしている人たちには、入り口が狭すぎるのだと考えています。このシリーズ3部作は、巻を重ねるごとに進化してくように構成されていますが、一方では、各段階で十分納得してから次に進むことも同時に意識しています。
 今春、第1巻の英語版が発刊されます。もちろん、第2巻そして本書の英語版も続く予定です。日本からの発信です。世界の人たちがどんな反応を示してくれるのかわかりませんが、それなりの評価が得られるものと確信しています。
 また、3部作で完成した全人モデルまでのすべてのモデルを、活用することも考えています。企業、各種団体あるいは教育機関などのプログラム開発などに、適用できるようにしました。今後もシリーズは続いていきます。新しいアプローチにご期待ください。


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