社長の生き方・楽しみ方 ......[これから20年のロードマップ]
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  田村 文重 著  四六判248頁 2003年6月24日初版発行 定価1,575円(税込)
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BSC/ラジオたんぱで「社長の生き方・楽しみ方」のパーソナリティとして活躍している著者の、『超社長術』、『実践社長思考プロセス』(共に英治出版)につづく最新作。


ISBN4-434-03302-6 C0034 \1500E

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【著者略歴】

田村 文重(Tamura Fumishige)

1952年 大阪生れ。
1974年 関西大学法学部卒業。
1977年 アーサーアンダーセン会計事務所入社、人事部長、情報通信企画部長(ISS)を歴任。
1989年 日本ヒューレット・パッカード鞄社(当時、横河ヒューレットパッカード梶j。
1994年 ヒューレット・パッカード社(シンガポール)の現地駐在にて、国際提携業務に従事。
1997年 同社を退社、シンガポールにて、Kaze Corpora‐tion Pte Ltdを設立。経営コンサルティングに従事。
2000年 経営の傍ら、RMIT(オーストラリア)経営大学院にて国際経営学を専攻し、MBA(経営学修士)を取得(在シンガポール)。
2001年2月より シンガポール日本語ラジオ放送番組「ビジネスパイロット」(FM96.3)でパーソナリティーを務めている。
2002年10月より 日本で、BSデジタルラジオ放送のBSC301ch(ビー・エス・コミュニケーションズ)とラジオたんぱで放送している番組「社長の生き方・楽しみ方−社長になった人、なりたい人のためのラジオ指南書−」で、パーソナリティーを務めている。
現 在:在日本半導体事業会社アジア地域アドバイザー
     日本ナレッジマネジメント学会員
     Singapore Institute of Management会員
     Dr.Foo Check Teck(孫子研究)日本市場代表
     在シンガポール 先端テクノロジー事業会社日本市場アドバイザー
著 書:『超社長術』
     『実践社長思考プロセス』(共に、英治出版)
連絡先:kazecorp@singnet.com.sg
     URL:http//www.kazecorp.com (日本語可)


はじめに

 2002年10月より、BSデジタル放送のBSC(ビー・エス・コミュニケーションズ)とラジオたんぱ第一で、毎月1回45分番組として放送している「社長の生き方・楽しみ方」に出演している立場から、シンガポールという外部からの目を通して、番組の設定の根本にかかわる部分、経営、遊び、心の持ち方に焦点を合わせて、出版をしたいと考えていました。
 過去にないことや、予期しない事態が多発している中での執筆では、これからの20年を担っていく全ての人達に、何らかの手がかりになればと、従来の経営の範囲を大きく超えて、「遊び」や「こころ」にまで踏み込んでみました。今までの拙著は、現役で、会社の重責を担っている社長または経営幹部への叱咤激励あるいは、新しい指針の取り方(社長思考プロセス)を解説しているものでした。今回は、1年以上にわたる20〜30代の人達との議論や、取材、質問、その上司に当たる世代との討論を通して、明らかになってきた分野に焦点を当てています。そのため、既刊の読者には、違和感を与えるかもしれません。
 新しい分野である、「遊び」、「こころ」との関連や、若い世代とのコミュニケーションを取るための表現方法は、その成果でもあります。本来、編集の過程で手を加えたりするところをそのままに出して、できるだけ取材した層とも、意志の疎通を図れるようにしました。そして、いくつかの言葉には、著者独自の定義を試み、巻末に用語辞典としましたので、折りに触れてご参照ください。従来の読者には、著者の新しい試みとして、この違和感を楽しんでいただきたいと思います。
 さて、第一作『超社長術』(英治出版)の執筆から、出版の時期は、いつも日本の混乱期で、金融機関、大企業の倒産が相次ぎ、もうこれで膿は出尽くしたのかと思われるや、最近は、日経平均が、7000円台を低迷しています。また、リストラも、中高年だけでなく、若年層まで広がり、新規採用も凍結の状態が、ますます広がっています。
 一方では、24時間活動する社会があたりまえ、携帯電話や、インターネットの普及等が、従来の経営組識論では、対応できない社会を形作り、社会構造のあり方そのものに大きな疑問符を投げつけています。その混乱している状態の中でも、たびたび訪れる東京の日常は、そんなに大きな変化を見ません。まさに、「ユデカエル」現象進行中です。
 しかし、社会の焦点を少し動かすと、次世代の持つ危機感、無力感、脱力感、価値観喪失等、社会構造を崩壊させるような状況が密かに、しかし急速に、確実に進行しています。その世代と会ってみると、いろいろなことがわかってきました。共通しているのは、何かを前の世代から学びたいけれども、真剣に聞いてくれない、何も変えようとしない、相変わらずの女性蔑視等、さらに、親世代からの継承が上手くできていないし、状況の激変に親世代が気付いていなくて、どのように生きていけばいいかの指針もできないで困惑している。あるいはこの世代は、我慢が足りない、ゲーム感覚、解らない分野の大きさを知らないで、短期に結論を出す、自分の経験の浅い尺度で、すべてを判断してしまい、狭い世界に閉じ込めているということを知らないなどの声もあります。
 また、親が簡単にリストラされる会社への疑問、リストラを命ずる世代の能力への疑問、消費者を欺く経営、いい会社といわれた企業の自壊等、親世代が手本としてきた社会の劣化と崩壊を見て、これから20年を担う全ての人達のために、何らかの糸口になるものが必要という結論を得ました。
 それに対し、微力ではありますが、従来の経営からのアプローチに加え、価値観の形成に必要な人としての成り立ちにまで踏み込む議論が必要だと考え、今回の展開になりました。
 本書第1章「これからの20年を担う人達へのロードマップ」では、社長という切り口からの、人生の取り組みを提案しています。社長に無縁の人にも、是非取り組んでいただきたいのです。第2章「社長という人生の切り口」では、社長は何をする人、それを個人の生活に応用するための技術、考え方の方法論、孫子の大家の人生大戦略立案、大学教授から起業家への転身実録を通して、知識より考えることの大切さを体感してください。第3章「知恵は遊びから」では、遊びが満足にできないと仕事もできない、との命題を解き、自分の世界を切り拓いて、人とのつながりを広げていく方法論を展開しています。第4章「心の独立が推進力になる」では、心の仕組みを解き、心が推進力になっていくためにその仕組みを上手に使う効用を説いています。第5章「人生の羅針盤」では、考える、遊び、心のつながりと、展開していく順序を明示して、人生の取り組む方向づけにどう役立たせるかを解説しています。
 今回の企画は、多くの人達の協力があって始めて、日の目を見ることができました。ここに、紙上を借りて、お礼申し上げます。
 番組を担当する、プロデューサーの小西勝明氏、営業担当の田邉素鏡氏、ミキサーの伊藤敏夫氏、そしてコーディネーターの翠英美子氏の協力があって、はじめて実現しました。
 シンガポールFM96・3時代からのパートナー、DJ原りつ子さんの地道な取材、交渉助言で、日本での番組は実現しました。
 番組の「都会のオアシス」担当の小笠原宏さんには、ご多忙のところ、「オガパパの知恵袋」で、その35年の貴重な経験を披露していただきありがとうございました。
 また、孫子の大家で、シンガポール南洋工科大学助教授・弁護士・公認会計士のフー博士(Dr. Foo Check Teck)には、今回特別プログラムを作成・寄稿していただきました。
ナノフィルム・テクノロジーズ・インターナショナル社創業者、シ博士(Dr. Shi Xiu)から、貴重な体験を披露していただき、大学教授から起業家への示唆を得られました。
 特に名前は挙げられませんが、1年以上にわたる議論、取材、質問、調査などを快く引き受けて、時間を割いてくれた、20〜30代の人達全てに、感謝します。まだ、ワンネスの旅は続いています。これからも、その協力をお願いすることになるでしょう。また、その上の世代の人達の激励が無ければ、企画は、頓挫していたでしょう。
 知玄舎編集長森宏巳氏には、表現上の助言だけでなく、出版に関する調整もしていただきました。
 最後に、これら気ままな取材や、議論、執筆に集中させてくれた妻の英子に、感謝します。


●目次

   はじめに 1

第1章 これからの20年を担う人たちのためのロードマップ

   これからの20年を担う人たちへ 14
   社長という切り口 19
   Valueの創出と継承 26
   人生の使命 31

第2章 社長という人生の切り口   

   なぜ、社長 40
   社長は、何をする人 47
   大学教授から、起業家へ 57
   何を学べば社長になれる? 69
   どう学ぶ 89
   知恵に到達−−「社長の一言」 109

第3章 知恵は遊びから               

   知恵は、知識? 116
   遊びとは? 120
   「あそび」の効用 126
   「あそび」を創る 134
   「あそび」を仕掛ける! 140
   「あそび」とONとOFF 145
   「あそび」とコミュニケーション 149
   「あそび」と知恵 154
   「あそび」と直観力 159
   「都会のオアシス」 162

第4章 心の独立が推進力になる             

   心の独立が、平静を招く 166
   心とは 172
   心の役割 179
   心と仮想現実 186
   心をパワーアップするには 192
   心が、自然に会った時 198
   心を自然に委ねる 202
   人と環境 206
   「心の栄養学」 210

第5章 人生の羅針盤                  

   ビジネスの大海、人生の大海 214
   再びValueの創出 219
   三位一体 222
   さらなる道 229
   人生の使命 234
   生きていく上で最も大切なこと 237

   「社長の生き方・楽しみ方」用語辞典 240
   あとがき 245


あとがき

 本書を読んで社長に興味を持たれた向きには、拙著『超社長術』(英治出版刊)をお勧めします。執筆は1999年の秋から年末、出版は2000年5月です。社長の定義を当時の金融機関の混乱の中から、引きだそうとしています。当時、米国におけるイスラムの台頭が新しい潮流を作ると指摘したのが、9・11、アフガン戦争、イラク戦争へと展開しました。リストラもまだ初期でしたが、当時に比べて、社会の諦めが蔓延しているように感じます。社長の権威も同時に失墜しました。もう一度、有るべき姿に戻る努力を真剣に実行すべきと考えています。
 また、羅針盤に興味を得た方は、拙著『実践社長思考プロセス』(英治出版刊)をおすすめします。執筆は2001年秋で、出版は2002年2月です。知識ではなく、視点をあるプロセスでまわしていくと、結論が得られるというメカニズムを社長が実践で使えるのを前提に提案しています。本書、第2章の4つの基本型は、この社長思考プロセスを、簡易化したものです。米国経営学理論の退潮や、ヨーロッパでの包括的アプローチの台頭を考慮すると、いずれの時代でも、自分の思考プロセスを持つ意義と必要性を感じさせます。
「遊び」について興味を持たれたら、実践してみてください。もし、時間が許すなら、小笠原氏と会ってみるのも、理屈から実践へ変えていく第一歩かもしれません。普通のバー・アンド・ダイニングですが、ザ・ラスト・リゾートのホームページをご覧頂くのもいいかと思います(http://www.lastresort.jp)。
「心」については、経営の立場からみて、もう少し追求していこうとの企画が進行しています。例えば、想ったことをビジネスでかなえていくための心の持ち方や、心を鍛える方法論、感性の磨き方等、心の仕掛けを個人の生活に落とし込んで、そこから再び、社長の切り口に向かうという方向等がその範囲になるでしょう。しばらくお待ちください。
 フー博士のお問い合わせ、セミナーなどのイベント企画は、弊社、風コーポレーションにて承っております。お気軽に、www.kazecorp.comからどうぞ。また、ナノフィルム・テクノロジーズ・インターナショナルに関しては、同日本連絡事務所への取り次ぎを弊社で、代行しています。弊社ホームページまで、ご連絡ください。
 さて、最後に、「こころの薬袋」を十分活用されて、本書なり、お勧めしている拙著をお読みいただくと、独自の社長の切り口が少しずつ各方面から、積み上がってきます。是非、実践して見てください。一人になる1日30分の時間が、あなたを変えていきます。そして、ワンネスを追求する更なる旅が始まります。


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