脳トレ 文章講座  − 超カンタン論文術    

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  西田みどり 著(文学博士)  189頁  2007年10月13日初版発行 定価:1,575円(税込)
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日本語は、使えば脳が活性化する、世界に類を見ない不思議な言語だった。
脳を鍛えるための日本語の書き方ハウツウ!
中外日報社・涙骨賞を受賞した著者が贈る、だれにでも書ける論文の技術を公開


こうすれば、だれにでもカンタンに論文が書ける。
書くときのコツはたったの三つ。
コツ@ テーマを託す具体例を探せ!
コツA 集めた情報を型に入れろ!
コツB 資料は3K1Hに注意して読め!
(3K1Hとは感動・共感・驚嘆・反論のこと)


説得力のある長い文章を簡単に書くコツ、その秘訣はマッピングにある。
本書を読めば、論文ですらだれでも書けるようになるノウハウを公開。
しかも日本語を書くことには、脳細胞を活性化する効能まであった。

「頭の中にはいろいろアイデアがあるが、いざ書こうとするとうまくいかない」「書いているうちに混乱して何を書いていたのかわからなくなる」――文章を書くのが苦手な人からよく聞く悩みですが、それを解消するのがこの本。著者が提唱する3段階のマッピングや3K1H(感動・共感・驚嘆・反論)の活用などの手法で、的確で説得力がある文章が、だれにでもそれなりに書けるようになるという。手軽にできる資料収拾や文献検索の方法など、書くためのノウハウが積み込まれた実用書。


カバー表 
 ISBN978-4-434-10982-9 C0081 \1500E

単価 : \1,575 (消費税込み)  購入する/数量 :    
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■目 次

まえがき 1

第一章 脳を活性化する日本語――マンガ創作脳の不思議

『クレヨンしんちゃん』はなぜ外国人にもウケるのか 6
日本語が「マンガ創作脳」を育んだ 8
日本語は多彩な文字の組み合わせ 10
「ふりがなと漢字」の組み合わせでできる新表現 11
漢字に音読みと訓読みがあるのは日本だけ 16
表意文字なので新しい言葉がどんどんできる 19 
強引に漢字をあてはめた熟字訓 21 
漢字とひらがなでは使われる脳の場所が異なる 23
日本語は脳を活性化させる 25
日本語の小手試し…この文章を書いてみよう 30

第二章 脳の中の交通整理――書く前に地図を作ろう

マッピングでアイデアの交通整理 38
文章を書く前のマッピング・スキル 40
  T 自己分析マッピング 40
  U テーマ・マッピング 44
  V 章立てマッピング 48
「次の文章を読んで論じよ」でするマッピング 54

第三章 論文構成の手引き――型に入れれば誰にでも書ける

「型」に入れる 64
序論は「どうしてそうなっているの?」(問題提起)と「調べるぞ」(決意表明) 66
本論は、読む・訊く・書くのフル回転 68
結論は、ひらめき 70
避けたい書き方@――安全な場所からのお説教 71
避けたい書き方A――社会や個人を糾弾する書き方 72

第四章 具体例の効果的使い方――説得力をもたせよう

具体例は強い味方 76
要約と具体例の関係 82
要約とはコミュニケーションの努力を省いたもの 85
読み手を納得させる「比較する」という効果 86
読者を引っ張る、二つに分類するという方法 91
自分の意見は断定してよい 92

第五章 論文のための情報収集――書籍・図書館・データベース

資料の種類 96
書籍の探し方―新刊書店とネット書店 97
図書館の賢い利用法――国会図書館の本だって取り寄せられる 100
大学図書館は大学の歴史を反映 103
商業雑誌は視点転換のヒントになる 105
論文を探すのは格段に楽になった 108
新聞のデータベース――読売新聞のデータベースが一般家庭で検索できる 109
エチゼンクラゲのレポートを書く場合の情報収集 110
資料使用条件としての出典の明記 119
 
第六章 今の若者たちの文章――希望が見える確かな表現力

期待がもてる日本の若者たちの論文力 122
家族という存在に対する法制度を見る 123 
  現代における法律と親子関係(奥裕美) 123 
大人の一方的若者批判を質す 132
  論じることのできない℃瘤メの可能性(土屋麻紀子) 132
若者の視点からその実態に迫る 137
  ニート――その存在の意味(堀池智仁) 137
現代社会における「寺」の意義を探る 143
  時代の変化と日本仏教の役割(冨田敬子) 143
情報を取捨選択する能力を問う 148
  マス・メディアの報道を見る視点(芦沢清和) 148 
メディア報道の背景を読む 155
  メディアの特徴と諸問題(渋田峻宏) 155 

第七章 物語式練習問題――日本語でする脳トレーニング
 
漢字はどうすれば覚えられるか 164
熟字訓でする脳トレーニング 166
  練習問題 熟字訓@ 166
  練習問題 熟字訓A 168
  練習問題 熟字訓B 170
言葉遣いでする脳トレーニング 173
  練習問題 T 173
  練習問題 U 174
  練習問題 V 177
  練習問題 W 179
  練習問題 X 181 
  
◎参考文献 186
  
あとがき 187


●著者プロフィール

 西田 みどり

 大正大学非常勤講師、エディター。大正大学大学院博士課程修了、文学博士、専門は近代日本比較文化史。
 2006年、「『まこと』と『救世主』―久米邦武の比較文化論」で中外日報社・涙骨賞受賞。主な著書に『抱きしめる聖者アマチの奇蹟』(徳間書店)、『聖母アマチの教え―ヴェーダの叡智』(知玄舎/改題新版)、『サイババ超体験』(徳間書店)、『偉人・天才たちの食卓』(同)、『今日と明日のへき地医療』(講談社/共著)、『日本近代化の比較文化的研究』(大正大学比較文化研究所/共著)など。


 まえがき

 「好きだけどうまく書けない」「頭の中にはいろいろアイデアがあるのだけど、いざ書こうとするとどこから始めていいかわからない」「書いているうちに混乱して、何を書いていたのかわからなくなってしまう」。文章を書くのは好きですかという問いを投げかけると、よくこういう答えが返ってきます。本書の目的は、そんな混沌とした頭の中を「整理」し「型」にいれて、エッセイや論文にまとめあげていく実践的な方法をご紹介することです。
 まず初めに脳の中で行われている思考をマッピングで外に出します。思考を視覚化するわけです。「自己分析マッピング」でテーマを見つけ、「テーマ・マッピング」でそれを追いかけ、「章立てマッピング」で論文の骨組みを作ったうえで書き始めます。書くときのコツは三つ。
 コツ@ テーマを託す具体例を探せ!
 コツA 集めた情報を型に入れろ!
 コツB 資料は3K1Hに注意して読め!
 3K1Hとは感動・共感・驚嘆・反論のことです。3Kというときつい仕事の代名詞ですが、ここでいう3Kは本を読んだり取材をしたときに心に湧き上がる反応です。これが自分独自の意見につながっていきます。段階をふみさえすれば論文を書くのは簡単です。ぜひ実践して、自分の考えを言葉に託す心地よさを体感していただきたいと心から願っています。


 あとがき

 どうすれば文章が楽しく書けるだろうか。簡単でわかりやすい方法はないだろうか。いつもそれを考えています。文章を書くことは脳にとって快感です。特に言いたいことが的確に言い表せたときは、達成感とスッキリ感が同時に体験できます。胸のあたりにもやもやしていたことが言語化できた喜びは、一度体験するとクセになるものです。
 さらに、自分の考えが他者に支持されたとき、双方の間には濃密な親密性が生まれます。共感しあえるのは、人間にとって大きな喜びだからです。
 そんなわけで、書くことを難しいことだと考え、自分は文章(論文)が苦手で書けないという思い込みを抱いている人に、書くおもしろさを知ってほしいと考えて書いたのが本書です。初心者の方を対象にしていますので、かなり大胆な方法を提案していますが、ポイントは「具体例」と「3K1H(感動・共感・驚愕・反論)」、そして自己抑制力です。その詳細は本文に書きましたので繰り返しませんが、文章を適度に書き続けていくことは、脳の活性化を維持するうえで有効なエクササイズなのです。
 人間の脳がどのようにして言葉を獲得していくのかは、実はまだよくわかっていません。言葉が脳のどの部分を使って活動しているのかも、だいたいのところしか解明されていません。人間の脳の中には生まれながらにして言語の基になる文法が存在していると言ったのはチョムスキーですが、そう考えなければ説明のつかないことが、人間の言語獲得の過程に見られるそうです。
 他の動物と人間の最も大きな違いは「言語」を持つかどうかです。言語を持つことで抽象的・哲学的思考、例えば生きる意味と死の意味とか、地球はどのようにしてできたのか、世界中の人が争い事なく暮らすにはどうすればいいだろうといった思考が可能になります。
 言語を「伝達」という用途だけに限ってみるならば、動物でも行っているといえなくはありません。群れに危険が迫っているときの鳴き声による伝達、繁殖期に上げる独特の求婚の声、盲導犬や訓練された犬が人間の命令を理解すること、あるいはチンパンジーに「言葉」を覚えさせようとしている人もいます。
 しかし、これらは「言語」というより「合図」の部類に入るものです。
 言語は人間固有のものであり、言語があるからこそ、私たちには「愛」「平和」「友情」「勇気」「努力」「夢」「悟り」「解脱」「神」「魂」といった思考が可能になります。言葉がなければ、私たちはそういったものを認識することはできません。
 言語を使用する力を訓練していくことは、考える力をつけることであり、考える力が強くなると生きる力も強くなります。毎日、ウォーキングをしたり、食事に気を配ったりして健康を維持するように、毎日短い文章を書いて脳の健康を維持していくのは、生きていくのに有効な方法だと思います。
 本書のベースとなったものは大正大学で行った文章講座です(一年生対象)。それに大幅に書き加えました。講座を受講した学生が書いた文章を第六章に掲載しておきました。四百字詰め原稿用紙十枚のミニチュアの論文を書くという講座でしたから、枚数制限を律義に守って若干言葉足らずの感があるものもありますし、枚数など無視してどんどん書いたものもあります。現在の大学一年生の感性の一端を垣間見ることができるのではないでしょうか。快く掲載を許可してくれた学生たちにこの場を借りてお礼申し上げます。
 また第一章の、マンガに出てくる漢字とルビのオモシロ表現についても、学生の協力をいただきました。全部をご紹介することはできませんでしたが、いずれ機会があればまとめてみたいと考えています。ありがとう。
 最後に、本書の出版を快くお引き受けくださった知玄舎の小堀英一社長に厚くお礼申し上げます。


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