国際バカロレアと点才教育
 ――満点獲得IB教員の論文指導(改題・新訂版)
   (2016年11月新刊)    

   永淵 閑 著
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  ■POD書籍 ISBN978-4-907875-28-2 価格(本体2000円+税)
   2016年6月24日初版発行
   (ご購入はPOD書籍取扱い店:アマゾンおよび三省堂書店でお求めください。★その他書店では取扱いがございません)
   ★本書は、POD書籍2014年1月31日初版(『点才教育「小論文・小説」書き方の手引き』)の改題・新訂版です。
  ■電子書籍同時発売、価格(本体1200円+税)
   2016年6月24日初版発行
  (購入はTOPページの販売店でお求めください。
   ★本書は、電子書籍2014年1月24日初版(『点才教育「小論文・小説」書き方の手引き』)の改題・新訂版です。
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 ◎本書について
 本書は、国際バカロレア(IB)で通用する世界標準の文章・論文の書き方を基礎からていねいに解説した手引き書。
 本書のPOD書籍は、2014年1月31日POD初版『点才教育――「小論文・小説」書き方の手引き』ISBN978-4-907875-00-8を改題し装丁を(B5からA5に)新訂したもので、内容は同一です。電子書籍もPOD書籍と同様に改題しております。

 
本書は、2014年1月に『点才教育「小論文・小説」書き方の手引き』(ISBN978-4-907875-00-8)を改題し装丁を(B5からA5に)新訂したもので内容は同一。オーストラリアのUni(大学)・国際バカロレア(IB)授業等で説得性の高い論文ライティングのスキルを教えてきた著者の、シンプルでわかりやすい小論文(小説)の書き方の手引書。世界に通じる論文をどう書くか? 博士論文・修士論文・卒業論文をどう書くか? 学校へ課題として提出する小論文・エッセイ・作文をどう書くか? IBの小論文をどう書くか? 帰国子女小論文をどう書くか? 会社などへ提出する企画書・報告書をどう書くか? プレゼンの原稿をどう書くか? 等々の、構想・構成・執筆・推敲についての分かりやすい入門書。本書では、「書いて、考える」ことを通じて、想像力・判断力・洞察力・思索力・表現力・論述力を飛躍的に獲得することをめざし、さらに、日本語能力向上に役立つ方策が詳細に述べられている。自分自身の才能・長所をみつけ、それを伸ばし、そこからモノゴトの本質をつかみ、人間としての豊かな人生をあゆむための「点才教育」(著者造語)とは、一点尊重育成教育の意。なお、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)とは、1968年にできたスイスに本部がある非営利の、国際資格(高校卒業資格・大学入学資格など)が得られる初等・中等・高等の国際教育機関で、現在、世界で爆発的に拡大している。

◎著者紹介
永淵 閑(ながふち かん)
東京生まれ。オーストラリアのシドニー在住。文筆業。同時に、大学でのライティング授業、ハイスクールでの国際バカロレア授業、それに帰国子女受験生の小論文個人指導ほか、日本語ライティング指導を少人数受けている。
著書:『インドを這う』(立風書房)、『サハラを這う』(立風書房)、『イベリア夢街道』(山手書房新社)、『セミリタイアのすすめ』(文香社)、『「哲学する!」練習帳』(文香社)。以下、知玄舎より発行。『国際バカロレアと点才教育(改題・新訂版)』、『シドニー人間紀行――6人6話の光と影』、『タスマニア「般若心経」思索紀行』、『Zen悟り考 「シドニー無常風」、「インナー紀行」、「悟りと悟る」』、『オテントサマの神話』(シリーズ本)、『シドニー無分別庵便り』(シリーズ本)がある。専門は、鈴木大拙の禅哲学の「悟りとはなんぞや」を基盤に、そこから発展させたフィクション、ノンフィクションの執筆。


●目次

「改題版のための前書き」
*国際バカロレア生の急増!
*ライティングは基本構成を知れば、きわめて簡単!
*ネコでも書ける文章をめざす!
*より読みやすい装丁での改訂版!
「少し長くて大切な前書き」
読者対象
特色
各部の要旨
本書の主題・点才教育について
個人的見解
恥ずかしいことながら
第一部 国際バカロレア(IB)の実践知識
一章:国際バカロレア(IB)の基礎知識
1:IBの本部組織と歴史
2:IBの教育理念(使命宣言)
3:IBの学習者像
4:IBの基本学習システム
二章:ディプロマ・プログラム(DP)の基礎知識
1:ディプロマ・プログラム(DP)の科目
A:主要6科目
B:全人教育を補完する3科目
2:ディプロマ・プログラム(DP)の試験の合格基準
A:DP試験の合格基準
B:合格基準に対する筆者の見解
3:ディプロマ・プログラム(DP)の教員としての筆者の心構え
A:具体例で考える心構え
B:本質を見つめる眼の獲得
C:リサーチの促進
三章:「言語A文学」の基礎知識
1:「言語A文学」のテキスト選定
A:テキストの選定基準
B:筆者が選んだテキスト
C:筆者のテキスト選定の意図
D:筆者作成の学習・試験スケジュール
E:エッセイとコメンタリーの差異
2:「言語A文学」の試験と評価基準
A:Written Assessment—Text in Translation 翻訳作品からのエッセイ提出試験
B:Individual Oral Presentation 口述プレゼンテイション試験
C:Individual Oral Commentary  口述コメンタリー(口述解説・評論)試験
D:Paper 1 ペイパー1 試験
E:Paper 2 ペイパー2 試験
3:「言語A 文学」の筆者の授業の特色
A:IB理念の定着
B:点才教育
C:作家の人生の主題、作品の主題
D:書いて、考える
四章:IB哲学と点才教育――第一部のまとめとして
1:書いて、考える――二年間で100回は書く
2:本質を掴む――小説の主題の分析はモノゴトの本質把握
3:学習の仕方を学ぶ
4:読書人になる
5:差異を尊重する
第二部 小論文の書き方
一章:ライティングの基礎知識
1:作文と論文
2:伝統的論文書式と現代的論文書式
A:伝統的論文書式 Traditional Academic Writing Method (例)
B:現代的論文書式 Modern Academic Writing Method (例)
3:原稿用紙 Manuscript Paper
4:レポート・エッセイ・コメンタリー
A:レポート Report(報告書)
B:エッセイ Essay(小論文・私論)
C:コメンタリー Commentary(解説文・評論)
二章:論文の全体構成
1:概要 Abstract
2:目次 Table of Contents
3:序論 Introduction
4:本論 Main Body 
5:結論 Conclusion 
6:註 Note
7:参考図書・文献 Bibliography
8:索引 Index
三章:論文の段落構成
1:例文提示
2:リンキングワードとコネクティブワード Linking Word, Connective Word
A:パラグラフの最初の用語
B:例をあげて述べる場合
C:追加する場合
D:結果を述べる
E:同じことを述べる
F:その他1
G:その他2
3:トピックセンテンスTopic Sentence(中心文)と、サポーティングセンテンスSupporting Sentences (支持文)
4:キーワードKeyword
5:一つのパラグラフには一つ限定のトピック
6:パラグラフをつらぬく主題
7:パラグラフの最後の文章
四章:論文執筆上の注意事項 
1:剽窃・盗用 Plagiarism(プレイジアリズム)の文章
2:主題 Theme, Main Idea(テーマ・メインアイディア)のない文章
3:個人的知見(切り口)のない文章
4:「です・ます体」、「だ体」、「である体」混用の文章、および、口語使用の文章
5:文体の理解
6:句読点と、「は」と「が」
7:その他の気をつけなければならないこと
A 一人称の不統一な文章
B 形容詞多用の文章
C 数字表記の不統一な文章
D 記号・符号の不統一な文章
E 送り仮名の不統一な文章
F 用字・用語の不統一な文章
G 漢字とひらがな混用の熟語 
H 漢字仮名混じり文が日本語の基本
五章:論文執筆の進行
1:計画 Planning(プラニング)
2:調査 Research(リサーチ)
3:執筆 Writing(ライティング)
4:推敲 Elaboration(エラボレイション)
六章:IB論文試験と他の論文試験の差異――インターナショナル方式とローカル方式
1:IB論文ライティングの試験問題
A:ペーパー1 Paper 1(研究論文1)
B:ペーパー2  Paper 2(研究論文2)
C:ライティング課題  Written Assignment / Text in Translation(翻訳作品研究論文)
D:口頭コメンタリー  Individual Oral Commentary(口頭解説文・評論)
E:口頭プレゼンテイション  Individual Oral Presentation(口頭研究発表)
2:外国人が日本語を勉強する教科書から
3:帰国子女小論文試験
A:テーマ型小論文試験
B:文章型小論文試験
4:大学入試センター国語試験
七章:論文ライティングのまとめ――Uni(大学)での日本語ライティング授業における筆者作成の使用プリントより
1:プリント1―――ライティングの基礎知識
A:作文と論文
B:伝統的論文書式と現代的論文書式――見本は別紙
C:原稿用紙 Manuscript Paper の書式――見本は別紙
D:レポート・エッセイ・コメンタリーの書式
E:「です・ます体」、「だ体」、「である体」
2:プリント2――「論文執筆計画と、小論文試験での字数・時間配分と、評価基準」
A:論文執筆計画
B:小論文試験での字数・時間配分
C:小論文試験の評価基準
3:プリント3――「論文の全体構成 Paper Structure」
A:全体構成項目
B:全体構成の例
C:全体構成の内容
4:プリント4――「小論文の構成の一例」、(テーマ型、文章型とも)
5:プリント5――「実例 Sample」
A:課題は何を求めているか考え、条件を確認する。
B:構成を考える。
6:プリント6――「プラニング用紙 Planning paper」
7:プリント7――「リンキングワード Formal Writing Linking Words」
8:プリント8――「トピックセンテンス、サポーティングセンテンス、キーワード」
A:トピックセンテンスTopic Sentence(中心文)
B:サポーティングセンテンスSupporting Sentences (支持文)
C:キーワードKeyword
9:プリント9――「論文執筆上の注意事項」(口頭・板書説明)
A:剽窃・盗用(Plagiarism)
B:主題のない論文、課題に応えていない論文
C:「です・ます体」、「だ体」、「である体」の混用
D:句読点、「は」と「が」など助詞が不適当な文章
E:一人称の混用
F:数字表記の混用
G:送り仮名の不統一
H:用字・用語の不統一
I:漢字とひらがな混用の熟語
第三部 小論文の見本原稿と解説
一章:コメンタリー(解説文・評論)原稿
1:宮澤賢治著『どんぐりと山猫』 初稿―12稿――帰国子女受験生Bさんの原稿
A:Bさんの初稿(一回目の授業)
B.第2稿(2回目の授業)
C:第3稿(3回目の授業)
D:第4稿(4回目の授業)
E:第5稿(5回目の授業)
F:第6稿(6回目の授業)
G:第7稿(7回目の授業)
H:第8稿(8回目の授業)
I:第9稿(9回目の授業)
J:第10稿(10回目の授業)
K:第11稿(11回目の授業)
L:第12稿(12回目の授業・最終提出稿)
2:遠藤周作著『深い河』――帰国子女IB生Aさんの原稿
二章:世界文学:翻訳二作品の比較対照
――帰国子女IB生Cさんの原稿 シャーロット・ブロンテ著『ジェーン・エア』とエミリー・ブロンテ著『嵐が丘』
三章:IB・DPの口述プレゼンテイション Individual Oral Presentation
――帰国子女IB生Aさんの 井上ひさし著『ボローニャ紀行』推敲中の原稿
四章:IB・DPのペーパー2
――帰国子女IB生Aさんの模擬回答原稿
五章:帰国子女小論文試験 テーマ型
――日本からの留学生Dさんの模擬回答原稿
「第三部 筆者まとめ」
「未来へ!つなぐ後書き」
1:点才教育の行方
日本人は、貧しいが高貴である
この地球上で滅びて欲しくない民族
日本人は、その倫理的な人間進化の魁
ヒトの形態進化ではなく、人間の人格進化
2:哲学することの大切さ
哲学する人
書いて、考える
差異の尊重
「言葉を得る」ことで、人間になる
3:近未来の日本人


「改題版のための前書き」
  
*国際バカロレア生の急増!

筆者が教えているシドニーのハイスクールの11年生(日本の高校2年生)は、一学年130人ほどですが、国際バカロレア(IB)生は、昨年は23人でしたが、今年は57人へと倍以上の生徒数となっています。シドニーでは、とくに私立校では、IBコースがあるかないかで、その学校の評価が違ってくる、と言われるほど、IB生が急増しています。これは、オーストラリアだけでなく、欧米でも、同じ傾向がみられるようです。本書によって、すこしでも、日本でのIB教育が拡がることを願って、本書の改訂版を、ここに出版します。

*ライティングは基本構成を知れば、きわめて簡単!

筆者がシドニーの大学で教えてきた日本語のライティング授業では、学生の多くが、半年後のクラス終了時のアンケートで、言語の4機能の、話す、聞く、読む、書く、のなかで、書くことが一番容易になりました、という嬉しい感想を、毎回、もらってきました。書くことは、その基本の知識さえもてば、きわめて容易になります。それは、構成の問題につきます。最初に、執筆プランをたてます。タイトルはどうするか、イントロダクション、メインボディ、コンクルージョンの内容、それからメインボディのパラグラフはいくつにするか、トピックセンテンス、サポーティングセンテンス、それにキーワード、これらがメモできれば、もう、7割がた書き終わったのも同じです。これについては、本書で丁寧に解説しましたので、参考にしてください。

*ネコでも書ける文章をめざす!

司馬遼太郎の本の中で、次のようなことが書かれていました。その要旨を記憶で書きます。ドイツ語が専門の学者に、司馬遼太郎が訊きます。
――ドイツ語とは、ひとことで言うと、どういう言語ですか。
――ドイツ語は、だれが書いても、教科書の文章になるものです。
――それは、つまり?
――イヌでも理解できる文章です。
このヤリトリは、筆者にたいへんなショックを与えました。パラダイムの転換でした。以来、筆者は、ネコでも書ける文章、その書き方を模索してきました。どんな難解な、どんな深い内容があるものでも、ネコでも書ける文章、ネコでも読んで理解できる文章の書き方、を考えてきました。その模索の結果が、まだ端緒についたばかりですが、本書です。ちなみに、筆者のライティング方式を習ったIB生徒は、これまで、全員が、日本語A文学では、満点の7を取っています。

*より読みやすい装丁での改訂版!
  
本書は、拙著『点才教育「小論文・小説」の書き方の手引き――国際バカロレアにも通じる論文ライティングの基本』の改訂版です。人気本のため、出版社の意向で、今回、本書は、より読みやすい版にしたものです。世界中の、IBを学ぶ生徒さん、教えている教員の方、それに、エッセイや論文提出で苦労されている大学生・大学院生、帰国子女生、さらに、企画書・報告書などの文書提出が必要な公務員・会社員の方、加えて、作家志望の方にも役立つことを考えた、文章執筆の本です。

以上、装いを新たにして、ここに改題版をだします。少しでも多くの方に役立つことを願っています。

  


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