〈型〉で書く文章論    (2012年2月新刊)    

  −誰でも書けるレポート講座−


  西田 みどり 著 (文学博士)

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  A5判 191頁 2012年2月14日初版発行 定価:1,575円(税込)
  ISBN978-4-434-16248-0 C3081 \1500E 発行:知玄舎/発売:星雲社
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大正大学名誉教授・鈴木健次先生推薦
「…学生のレポート・ライティングにも、社会人の実務的文書作成にも、大きな力となること請け合いである」
文才は要りません。型を使って書けば、誰でも優れたレポートが書ける秘訣を教えます。

説得力のある文章を書く技術と方法を公開。〈情報収集・情報読解・情報整理〉の徹底、〈文章の型〉を活用した文章構成の作法。
情報収集・読解・整理の過程で醸成される「意見」を型に入れるという書き方のコツ。レポート完成までの10のステップを紹介。


     本書の主な内容

 【1】レポートの基本的な約束事
 【2】パラグラフ ライティング
 【3】情報検索・資料収集
 【4】情報読解・リーディング
 【5】情報活用・〈事実〉と〈意見〉の仕分け
 【6】情報整理・マッピング
 【7】五つの〈型〉
 【8】具体例型文章
 【9】意見・事実型文章
 【10】〈一つには、二つには型〉文章
 【11】比較型文章
 【12】〈はじめに・本論・おわりに型〉文章
 【13】導入部の書き方五つの型
 【14】展開法五つの型
単価 : \1,575 (消費税込み)  知玄舎通信販売 購入する/数量 :   
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[著者プロフィール]
 西田 みどり (にしだ みどり)

 専門は文章論、近代日本比較文化史。文学博士。
 2006年、「『まこと』と『救世主』――久米邦武の比較文化論」で中外日報社・涙骨賞受賞。
 著書に『文章表現のためのワークブック』(知玄舎)、『脳トレ文章講座』(同)、
 『抱きしめる聖者アマチの奇蹟』(徳間書店)など。
 現在は学習院大学、芝浦工業大学、大正大学非常勤講師。


■目 次

はじめに 6

第1章「文章表現の基本」 9
【1】レポートの基本的な約束事 10
1.表現(言葉づかい)の基礎の基礎 10
  練習問題1「悪文修正」 12
2.引用のしかた――直接引用と間接引用 14
3.引用法の種類 16
[コラム]ウィキペディア問題 22

【2】パラグラフ ライティング 23
1.パラグラフとは何か 23
2.パラグラフの構造と約束事 24
3.パラグラフ ライティングと要約の関係 25
4.パラグラフと接続詞(語)の関係 25
  練習問題2「パラグラフの構造」 26
  練習問題3「パラグラフを書いてみよう」 31

第2章「情報整理の技術」 33

【3】情報検索・資料収集 34
1.情報の種類 34
2.情報収集はなぜ必要か 35
3.広いところから狭いところへ 36
4.情報収集ワークシート 40
[コラム]情報源(参考文献)の書き方 42

【4】情報読解・リーディング 43
1.「読む」とは書き手と対話すること 43
2.知性だけでなく感情という資源も使って読む 44
3.線を引きながら読む 44
【5】情報活用・〈事実〉と〈意見〉の仕分け 46
  練習問題4「情報活用」 46
1.文章論における〈事実〉と〈意見〉の考え方 47
2.書くときの注意点 49
3.事実に語らせる…という手法−ドキュメンタリー 50

【6】情報整理・マッピング 51
1.情報整理と絞り込み――マッピング 51
2.マッピング1(大テーマ)の作成手順  52
3.マッピング2(小テーマ)の作成手順 54

第3章「文章構成法」 57

【7】五つの〈型〉 58
1.〈文章の型〉とは何か 58
2.型の使い分けと文字数の関係 59

【8】具体例型文章 −〈型〉そのT− 60
1.具体例型文章の型 60
2.具体例型文章のマッピング 61
3.文章構成ワークシート=アウトラインを作成する 61
4.文章構成ワークシートによる作成例 64
5.作成した文章の構造分析 66

【9】意見・事実型文章 −〈型〉その2− 69
1.意見・事実型文章の型 69
2.意見・事実型文章の作成例 70
3.作成した文章の構造分析 72

【10】〈一つには、二つには型〉文章 −〈型〉その3− 75
1.〈一つには、二つには型〉文章の型 75
2.〈一つには、二つには型〉文章の作成例 76
3.作成した文章の構造分析 77
[コラム]一つには、二つには型 文章 79

【11】比較型文章 −〈型〉その4− 80
1.比較型文章の型 80
2.比較型文章の作成例 81
3.作成した文章の構造分析 82
[コラム]比較型文章の分析
     二つの学校を比較することで格差の広がりを表現 84
[コラム]比較型文章の分析
     大学比較から現在の学生気質を表現 86
[コラム]『日本の幸福度』と『幸福立国ブータン』を比較した書評 56

【12】〈はじめに・本論・おわりに型〉文章 −〈型〉その5− 87
1.〈はじめに・本論・おわりに型〉文章の型 87
2.〈はじめに・本論・おわりに型〉文章構成ワークシート 92
3.〈はじめに・本論・おわりに型〉文章の作成例 93
4.作成した文章の構造分析 98

第4章「導入部の書き方と展開法」 103

【13】導入部の書き方五つの型 104
1.旬の話題から入る 105
2.ジャンルから入る 109
3.衝撃的事実から入る 114
4.問いかけから入る 117
5.引用から入る 122

【14】展開法五つの型 126
1.帰納的展開法 126
2.演繹的展開法 133
  練習問題5「帰納的展開と演繹的展開」 139
3.時系列的展開法 140
4.因果律的展開法 146
5.キーワード的展開法 152


練習問題の解答とワークシート 161

(第1章)練習問題1「悪文修正」の解答 162
(第1章)練習問題2「パラグラフの構造」の解答 164
(第1章)練習問題3「パラグラフを書いてみよう」の解答 167
(第2章)練習問題4「情報活用」の解答 171
(第4章)練習問題5「帰納的展開と演繹的展開」の解答 172

情報収集ワークシート 174
マッピングワークシートA 180
マッピングワークシートB 181
〈具体例型〉文章構成ワークシート 182
〈意見・事実型〉文章構成ワークシート 184
〈一つには、二つには型〉文章構成ワークシート 186
〈比較型〉文章構成ワークシート 187
〈はじめに・本論・おわりに型〉文章構成ワークシート 188


引用・参考文献 190

おわりに 191


はじめに

 上手な文章はどうすれば書けるようになるのでしょうか。
 説得力のある効果的な文章を書くにはどうすればいいのでしょう。
 文章を書くにはどんな手順が必要なのでしょうか。

 文章 にはうまい人とヘタな人がいます。文才というものがあることは確かです。しかし、もしあなたが、文章を書くことが苦手でまったく自信がないとしても、書き方のコツを掴めば、文才がある人のレポートや論文よりも優れた文章を書くことができるかもしれません。
 文才に自信がない人でも、書き方の手順どおりにすすめれば、立派な文章が書ける秘訣があります。
 それは、〈型〉を使うことです。
 文章には、〈型〉があります。〈型〉に当てはめて書けば、だれでも説得力があるレポートも論文も書くことができるのです。〈型〉にはどんなタイプがあるでしょうか。
 文章には五つの型があります。まずはこの種類を覚えてください。そして、導入部にも展開法にも、それぞれ五つの型があります。表にすると、以下のとおりです。

◎文章の五つの型
1.はじめに・本論・おわりに型
2.具体例型
3.意見・事実型
4.一つには、二つには型
5.比較型

◎導入部五つの型
1.旬の話題から入る
2.ジャンルから入る
3.(意見を含有した)衝撃的事実から入る
4.問いかけから入る
5.引用から入る

◎展開法五つの型
1.帰納的展開法
2.演繹的展開法
3.時系列的展開法
4.因果律的展開法
5.キーワード的展開法

 つぎに、〈型〉に入れて書き上げるまでのステップをまとめてみました。これは、いわば文章作成のレシピです。ざっとご覧ください。詳細は本文で解説します。
◎レポート完成までの10のステップ(省略)

 本書は、文章作成の手順を【14】の段階に分けて実践的に学べるように構成しています。

 第1章【1】〜【2】では、文章表現の基礎として、句読点の打ち方や文末表現の統一、ひらがな・カタカナ・漢字のバランスなど、初歩的なこと20項目を表にまとめました。これを活用して、パラグラフライティングという文のつなぎ方、展開方法を学びます。

 第2章【3】〜【6】では、テーマについての情報をどのようにして集め、読解し、整理して文章に育てていくかを学びます。重要なのは読解のしかたで、私たちの持っている「感情」を使う3K1Hという「直感読み」と、「知性」を使う「〈事実〉と〈意見〉の仕分け読み」を学びます。そのようにして仕分けした情報をマッピングで整理してのち、ようやく文章を書くことに入ります。

 第3章【7】〜【12】が、文章の五つの型の解説です。文章は〈序論・本論・結論〉で組み立てられています。平たく言えば、テーマについて説明して問題点または意見を出し、それについて論じ、至った結論を言う、というだけです。この組み立て方を五つの型にまとめたのが「文章の型」です。

 第4章【13】〜【14】では、出だし(導入部)の書き方、そして展開のしかたを学びます。それぞれに五つの型があります。少しむずかしい表現も出てきますが、型にはめて進めるということに注目して、練習問題やワークシートを使用して学んでください。

(以上、抜粹)


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