宅建業法準拠
  −実務に役立つ−

賃貸経営学教室   (2012年8月新刊)    

〜借家の成約から管理に至るトラブルの予防と解決法〜


  三好 弘悦 著
  株式会社アパマンショップホールディングス 資料・編集協力 

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  A5判 224頁+A3折込2枚  2012年8月5日初版第1刷発行 定価:2,100円(税込)
  ISBN978-4-434-16873-4 C2032 \2000E 発行:知玄舎/発売:星雲社
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  アパート・マンションの賃貸契約トラブル多発!
  経営者の悩み一掃。問題解決の秘策が分かります。
  本書一冊であらゆる揉め事に対処、事務所に必携




 株式会社
  アパマンショップホールディングス
  代表取締役社長 大村浩次氏推薦!

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[著者プロフィール]

  三好 弘悦 (みよし ひろよし)

 昭和38年、早大第一政経卒。
 東京都庁不動産業指導課を皮切りに、財団法人不動産適正取引推進機構の発足にかかわって以降、約20年にわたり研究課長。
 その後、社団法人全日本不動産協会東京都本部相談室長を経て、現在、一般社団法人東京都不動産協会(TRA)不動産取引相談担当。
 顧問先:株式会社アパマンショップホールディングスを始め、全国賃貸管理ビジネス協会のほか、株式会社大京リアルド、セキスイハイム不動産株式会社など各社。
 論文:法律専門誌「ジュリスト」のほか寄稿多数。著書:「マイホーム紛争Q&A110」(住宅新報社)。


■目 次

   まえがき 2


? 第1章 建物賃貸借(借家)と宅建業法

【1】建物賃貸借に対する宅建業法の規制 12
   1.宅建業法の規制 12
【2】建物賃貸借に対する宅建業法の規制の特色 13
   1.賃貸借は、継続的契約関係 13
   2.貸主は、業として営もうと規制外 14
   3.「入り口」規制に止まり、中間・出口は規制外 14
【3】建物賃貸借の終了 17
   1.契約期間・更新拒絶・解約の申入れ 17
   2.正当事由と立退料 19
【4】更新 20
【5】合意更新の媒介等についての規制 24
【6】合意更新の労務報酬 28
【7】最高裁の有効判決後の更新料約定への対応 31
   1.最高裁の更新料有効判決 31
   2.高過ぎる更新料は避ける 33
   3.更新料についての説明を仲介業者にさせる 33
   4.更新料についての説明はどうすべきか 35
【8】定期借家と更新 38
【9】賃料と一時金 42
【10】消費者契約法 43
【11】賃貸管理業に対する規制 46
   1.賃貸管理とその業とは 46
   2.賃貸管理に関係する法令 48
【12】今後の賃貸住宅の管理の形態 50
【13】賃貸管理業者登録制度の内容と対応 51
【14】賃貸管理のA型とB型 54

? 第2章 借家トラブルへの対処−計53題−

[T]主に成約時(入り口)段階

1.知っておきたい「宅建業法」@
  サブリースの運営には、実は「宅建免許」は不要! 58
2.知っておきたい「宅建業法」A
  契約の更新や解約では「宅建業法」が適用外に! 60
3.媒介と代理とは…@
  代理制度の狭間を埋める「代理署名」とは!? 62
4.媒介と代理とは…A
  業者報酬や預かり金などは大家側でチェックする! 64
5.「重要事項説明」の 在り方
  借主だけでなく大家側にも大きなメリットがある! 66
6.「心理的瑕疵」とは…@
  事故歴のある部屋は、必ず借主へ真実を伝える! 68
7.「心理的瑕疵」とは…A
  リフォームや「お祓い」など有効な対応策を実践する! 70
8.「短賃制度」廃止後は…
  リスクがあることを借主側へ入居前にキチンと説明する 72
9.広告費名目の媒介報酬@
  行政が目を光らせ始めた 74
10.広告費名目の媒介報酬A
  1カ月分を頂く報酬の在り方について 76
11.「消費者契約法」の 注意点@
  個人所有オーナーも「事業者」消費者契約に該当する 78
12.「消費者契約法」の注意点A
  不当勧誘の借家契約は無効、契約書の約定が効かないことも 80
13.未成年者と契約する危険性
  単独契約を避けて法定代理人の承諾を得る! 82
14.店舗の借り方@
  造作譲渡と経営委託等 84
15.店舗の借り方A
  造作譲渡と経営委託等 86
16.礼金や更新料の在り方@
  礼金は単なる謝礼ではなく借家権設定の対価と考える 88
17.礼金や更新料の在り方A
  更新料に関しても「権利金」と考える! 90
18.保証契約の問題点@
  保証契約のポイントは書類内容と状況説明! 92
19.保証契約の問題点A
  保証契約にはこんな問題も 94
20.保証契約の問題点B
  保証人には保証債務をどこまで請求できるのか? 96
21.「物件の鍵」を 適正に扱う@
  鍵は、賃貸経営の要めの一つ、管理を怠ると大変なことに! 98
22.「物件の鍵」を 適正に扱うA
  セキュリティ面を考えて最新の鍵を導入しよう! 100
23.駐車場の問題点@
  条項を盛り込んだ契約書でモメごとを回避する! 102
24.駐車場の問題点A
  借主の権利が強くない−これを過信せずに運営! 104
25.「消防法改正」で必要なこと
  火災が起こったときを考え、報知器はオーナーが設置 106

[U]主に管理(中間)段階   

1.「生活騒音」の 考え方@
  「生活騒音」の問題はクレーム段階で解決する! 108
2.「生活騒音」の考え方A
  ペット問題も含め、本格的なトラブルは合意解約に持っていく! 110
3.賃料の意義と改定方法@
  事情変化で借主の同意なく賃料アップも可能! 112
4.賃料の意義と改定方法A
  自身の都合にあった家賃の回収方法を選択する 114
5.賃料の意義と改定方法B
  滞納の理由を確実に把握し最も効果的な手段を講じる 116
6.滞納家賃を放置するとどうなるか?@
  消滅時効制度を理解しておくことが必要 118
7.滞納家賃の分割弁済を考えるA
  分割弁済はその支払い期間がポイントになる 120
8.追い出し規制法が廃案になっても
  家賃滞納の取り立てには慎重なやり方が必要に 122
9.内容証明が法的措置の第一歩@
  文書の内容を郵便局が証明する内容証明郵便 124
10.内容証明の具体的記入例A
  訂正や削除が容易にできるパソコンでの作成がお勧め 126
11.到達したことにできる公示送達B
  内容証明郵便の場合、受け取りを拒む滞納者も 128
12.滞納に関する法的手段@
  通常訴訟に至る前に「支払督促」や「少額訴訟」などの手もある 130
13.滞納に関する法的手段A
  当事者双方の境遇や心情も考慮する「民事調停」 132
14.家賃滞納の裁判例@
  訴訟では契約条項や支払い状況なども考慮 134
15.家賃滞納の裁判例A
  明け渡しを自力で行なうのは特別の事情がない限り違法 136
16.長期不在の借主対策@
  長期不在対策は現地調査から始める 138
17.長期不在の借主対策A
  「1カ月程度の不在」はまだ情報収集の段階 140
18.長期不在の借主対策B
  公示送達による意思表示をするのも手段の一つ 142
19.長期不在の借主対策C
  滞納家賃の回収では連帯保証人と交渉 144
20.「契約更新」の 考え方@
  「更新料」の肯否は需要と供給がポイント! 146
21.「契約更新」の 考え方A
  「更新料」は借家使用の権利設定の対価と考える 148
22.賃貸管理業者の登録制度について
  賃貸管理の適正化をどう図るか 150

[V]主に終了(出口)段階

1.「空室損料」の適正な運用法@
  解約予告の「債務不履行」と捉え直す 152
2.「空室損料」の適正な運用法A
  「違約金である」との位置づけを明確に 154
3.災害による借家契約への対応@
  貸し家が全壊したらどうなる? 156
4.災害による借家契約への対応A
  想定外の大災害では、貸主は免責され、不可抗力を抗弁し得るか 158
5.災害による借家契約への対応B
  建物が一部損壊したら……[その1] 160
6.災害による借家契約への対応C
  建物が一部損壊したら……[その2] 162

? 第3章 敷金清算トラブル解決の手引き

【1】なぜ敷金清算をめぐって紛争になるのか 166
   1.借家の損耗の種類 166
   2.どの損耗を、貸主と借主のいずれが負担すべきか 167
   3.原則がなぜ揺らぐのか 169
   4.例外の特約は、最判も認めるが… 170
   5.ハウスクリーニング代を借主に転嫁することは 172
   6.犬・猫等のペット共生(飼育可能)住宅の特約 174
   7.小修繕の借主負担 175
   8.事業用賃貸では、例外的な特約「スケルトン貸し」はありか 176
【2】敷金清算は「原状回復」の問題か「損害賠償」の問題ではないか 178
【3】賠償額は正確に算定し得るか 185
【4】賠償の算定額が争われたら 189
【5】「敷引き(償却)」は「損害賠償額の予定」として…… 192
【6】損害賠償額の予定とすることの効果・功罪 194
【7】「平均的賠償額」を探るべし 196
【8】具体的にどのように説明し約定するべきか 200


   あとがき 221

*    *    *


  巻末、資料協力について 203

  
  【三好弘悦監修・作成「巻末資料」】
    (ベース資料協力:株式会社アパマンショップホールディングス)

   管理委託契約書 兼 重要事項説明書 205
   重要事項説明書(普通建物賃貸借・住居用) (巻末綴込み)
   (重説)別添 アスベスト(石綿)使用の調査
            および耐震診断の内容について (巻末綴込み)
   賃貸住宅入居申込書(個人用) (巻末綴込み) 
   [普通]建物賃貸借契約書(住居用・媒介) (巻末綴込み)
   [普通]建物賃貸借契約約款(住居用・媒介) (巻末綴込み)


推薦の言葉

 本書の著者である三好弘悦先生には、2005年から約7年間に亘り、賃貸斡旋フランチャイズ本部としてのコンプライアンスの取り組みや、加盟企業からの各種相談などについて、幅広くご指導をいただいております。

 今回、三好先生がその長年のご研究の成果を1冊にまとめられるというお話をお伺いし、「書籍」という形で先生の知見を広く皆様に共有することは、必ずや「業界の質的向上」に資するものであると考え、ご協力の申出をさせていただきました。

 本書には、巻末に「重要事項説明書」、「建物賃貸借契約書」「管理委託契約書」等の各書式例が収録されておりますが、これらはベースとなる「ひな型」を弊社からご提供させていただき、三好先生が加筆・修正された本書だけのオリジナル帳票です。実務に即した内容ですので、不動産業者の皆様には、少しでもご参考になる点がありましたら幸いです。

 また、「第2章」は、弊社が発行しておりますオーナー様向け月刊誌「グローバルオーナーズ」に、三好先生が連載されているコラムが出典となっております。賃貸経営のポイントが大変分かりやすく解説されていますので、不動産オーナーの皆様には、是非ご一読いただきたい内容です。

 本書が1人でも多くの方にご活用・ご愛読されることで、不動産業界においてより一層のコンプライアンスの浸透が図られ、もって業界のますますの「質的向上」が達成されることを願ってやみません。

株式会社アパマンショップホールディングス
代表取締役社長 大村 浩次



まえがき

 不動産業は、トラブル産業である。それは、取引対象の例えば建物などは、様々な部位と備品から構成され、それも新築に限らず中古もある。そのうえ、契約当事者は利害が対立しがちであり、成約の媒介(仲介)や管理といった形態で業者がかかわっても、これまたこれら業者との間でもトラブルになる例が絶えない。このことは、不動産取引の二大柱のうちの「売買」より、むしろ「賃貸借」の方が多発し、その紛争の内容も多種であり多様である。
 このような建物の賃貸借のクレーム(苦情)やトラブル(紛争)の相談にかかわってきた者のひとりとして、それらの予防や発生したときの解決に役立つところがあればと本書を刊行した。併せて、建物賃貸借のあるべき姿のいったんについても、私見を披瀝させていただいた。
 よって本書は、借家についての貸主や借主の両当事者は当然、この両者の間を媒介等する宅建業者や、成約後の賃貸管理に当る管理業者のほか、さらにそれら宅建業を監督し、賃貸管理をも行政指導されておられる宅建業法所管課のご担当と関連業界団体職員に加え、小生のような借家のトラブル相談に応じられておられる相談員の方々のご参考に供しえれば幸いと思っている。他面、これらの方々には、忌憚のないご批判やご意見もいただきたく存じている。
 さて、本書の内容について、以下、そのあらましをご紹介方々、とりわけ私見にわたるところをご案内する。

 第1章は、借家問題の全般にわたる総論的な考察である。
 まず、建物賃貸借は、長いお付合いの継続的な契約関係であることを断ったうえ、それに対する宅建業法の規制の仕方について述べている。その特性は、@貸主は、業として営もうと(仮に宅建業者が貸主であるときも)、規制の外であること。Aしからば、媒介等を業として営む場合に規制されるのだが、しかしそれも、入り口の成約時の媒介等を規制するに止まり、中間の更新時や出口の合意解約の媒介等については、業法規制が及んでいないとするのが、宅建業法所管課の運用であることを紹介している。
 次いで、「更新」については、一般には、「新規の(新)契約」と解されているようだが、実務的には、従来からの「契約の期間の延長」に過ぎないのではないかと解している。その結果は、定期借家についても、「合意更新」などをする余地もあり得るのではないかとする見解を述べている。
 終りに、今日、借家を巡るトラブルでは、消費者契約法がまず持ち出される。しかし、そもそも同法で保護されている「消費者契約」に該当しているかについて、とりわけ貸主が「事業者」に当るか否かについて論述する。

 第2章は、賃貸経営向け雑誌(グローバルオーナーズ)に連載中の拙稿「三好弘悦の賃貸経営学教室」から、ご参考になりそうな項を選び並べたものである。よって、各項は読み切りになってはいるが、全体として一貫していないうえに、他のとりわけ第1章の論述とは重複するところがあることをお断りしたい。

 第3章は、借家についての最大の問題といえる「敷金清算」についてである。
 このことについて、巷間「原状回復」の問題としてとらえられている。それに対し、「損害賠償」の問題としてとらえ直すべきだと主張している。
 そして、その損害賠償論で論理を一貫する。従って、借主は目的物件を壊し、汚した限りで損害賠償責任を負い、いわゆる原状回復義務は負うところではない。
 しかるに、損害賠償額の算定については、ガイドライン等が正確に算定しようと努めるが(それは、方向としては正論だが)、現実は正確には算定しがたく、当事者の納得が得られず紛争が絶えない。その難問の打開策としては、「敷引き」等といわれる損害賠償(額)の予定を約定し、対応する方法があり得ることを述べている。


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