● 『聖母アマチとの対話』−−愛と母性の目覚めのために
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
スワーミ・アムリタスワルーパーナンダ SWAMI AMRITASWARUPANANDA 著
西田隆男 編訳 264ページ 2003年5月31日初版発行 定価1,890円(税込)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2002年10月、第4回『ガンジー・キング平和賞』に輝いた、インドの聖者、抱きしめる癒しの聖母といわれるアンマ(アマチ)が、日常生活から修行生活までの幅広い質問に、奥深い英知に根ざした選び抜かれた真理の言葉で、ていねいに、やさしさを秘めた教えで応えた問答集。
ISBN4-434-03055-8 C0014 \1800E
●まえがき―アマチについて
アマチことマーター・アムリターナンダマイー(一九五三年、インド・ケーララ州出身)は、現在インドを代表する宗教者です。
その活動は大きく二つに分かれています。ひとつはインド国内で繰り広げられる慈善事業であり、もうひとつはヨーロッパ、オーストラリア、アメリカ、東南アジアなど世界各国にみずから出向いていって行われる「抱きしめる」というかたちでのアマチ自身との一対一の接見(ダルシャン)です。日本にも毎年、五月下旬から六月にかけてやって来ます。ひとりひとりを抱きしめ、全員を抱きしめるまで終わらないダルシャンはたいへん時間がかかるもので、しばしば夜を徹して行われます。
インドでの慈善事業は、最も貧しい人たちのために教育、医療、福祉、環境など多方面から支援する包括的なものです。宗教、人種、カースト、国を超えて援助が必要な人たちへの支援を無私の奉仕で行っています。アマチのこうした活動はインドのカラーム大統領やバジパイ首相の信任を得ており、カラーム大統領は二〇〇三年、給与の十カ月分をアマチの慈善事業に寄付しました。アマチはヒンドゥー教文化の宗教者であり、大統領はイスラム教徒ですが、宗教を超えて大統領はアマチの帰依者です。またバジパイ首相はコーチンにアマチが建設した非営利総合病院エイムズの落成式に参列するなどアマチとは親しい関係です。
アマチのこのような活動が第四回ガンジー・ キング平和賞受賞(二〇〇二年十月)に繋がりました。
●「ガンジー・キング平和賞」について
2002年10月7日、ジュネーヴ国連総会議場においてアマチに「ガンジー・キング平和賞」が授与されました。「ガンジー・キング平和賞」とは、インド独立の父マハートマ・ガンジーとアメリカのマーティン・ルーサー・キング牧師の偉業と功績を称えて国連によって設立されたもので、世界平和や人間平等などのために尽力した功労者に贈られるものです。第1回目の受賞者は、ノーベル平和賞受賞者でもある国連事務総長のコフィ・アナン氏、2回目は、やはりノーベル平和賞受賞者で前南アフリカ共和国大統領のネルソン・マンデラ氏、3回目は野生のチンパンジーの研究者であるイギリスの霊長類学者ジェーン・グッドール博士です。第4回目のアマチの受賞は、世界中に愛と平和のメッセージを伝えながら慈善事業を実践するアマチの活動に対して授与されたものです。
● 目 次
序 章 ガンジー・キング平和賞受賞記念演説「普遍的母性の目覚め」
第一章 結婚・家庭生活・仕事についての質問
第二章 過去に犯した過ちと許しについての質問
第三章 カルマのはたらきについての質問
第四章 修行法とその進歩についての質問
第五章 心の苦しみ・悲しみ・怒りについての質問
第六章 神の実在についての質問
第七章 神の遍在と寺院の役割についての質問
第八章 霊性についての質問
第九章 教育についての質問
第十章 サークシ・バーヴァ(観照者)の境地でみることについての質問
補 章 対立から平和へ―宗教の役割
●編訳者あとがき
本書は “Awaken, Children!" (「目覚めなさい、子どもたち!」)の中からテーマ別に質問を選び出して編集したものです。アマチとの対話を、アマチの一番弟子であるスワーミ・アムリタスワルーパーナンダが年代順に記述したこのシリーズは、現在、九巻まで発行されています。
第一巻はマラヤマム語で書かれています。マラヤマム語というのは、アマチが生まれた南インドのケーララ州で使われている言語で、アマチが日常使っている言葉です。インドは州によって使われている言語が異なっています。
“Awaken, children! "の第一巻は、その後マラヤラム語から英語に訳されました。二巻以降ははじめから英語で書かれています。一巻の英語版が発行されたのが一九八七年で、二巻は一九九〇年、最新刊の九巻は一九九八年に発行されました。現在は十数カ国の言語に翻訳されて世界中で読み継がれています。インド国内ではマラヤマム語をはじめとしてタミール語、カンナダ語、テルグー語、ヒンディー語などです。外国ではスペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、スウェーデン語、セルボクロアチア語、中国語、そして日本語などです。日本語版は現在、四巻、五巻、七巻、九巻が発行されています。
これら九巻の原書の中から、私たち日本人にとって日常生活でよく話題になる質問を選び、テーマ別に構成しました。アマチとの対話はすべて対機説法ですから、その場の状況や質問した人、そしてその場に居合わせた人たちに合わせて語られています。質問者、及び参加者の心(意識)の状態に合わせて、その人の霊性向上のためにいちばん適切な答えを伝えているのです。
実はこのような対話による教えの伝達はアマチ独自のものではありません。古今東西の聖者や賢者が伝統的に行った方法です。新約聖書のイエス・キリストの教え、仏典のブッダの教え、古代ギリシア哲学のプラトンによるソクラテスの教え、孔子の言行録である「論語」、老子の教えがまとめられた「老子」(「道徳経」)などがその代表的なものです。今日、私たちに人類の英知として伝えられている真理の教えは、実際このような師と弟子との対話のかたちで残されているのです。
アマチは今日でも弟子や帰依者、あるいは訪ねてきた人たちの質問に答えることを通して、また日常生活での何気ない会話を通して、教えを説いています。それらの中に個人的なアドバイスを超えた普遍的な真理が含まれていることはいうまでもありません。
(以下、略)
●アマチの活動等についての問い合わせ先
日本MAセンター
〒206-0804東京都稲城市百村1620-1
E-mail:info@ammachi.gr.jp
URL:http://www.ammachi.gr.jp
NPO 法人国際チャリティ協会アムリタハート
E-mail:info@amritaheart.org
URL:http://www.amritaheart.org/